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VDAC機能調節剤

国内特許コード P110005787
整理番号 E095P01
掲載日 2011年9月20日
出願番号 特願2010-044093
公開番号 特開2011-178713
登録番号 特許第5234550号
出願日 平成22年3月1日(2010.3.1)
公開日 平成23年9月15日(2011.9.15)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発明者
  • 袖岡 幹子
  • ▲ど▼▲ど▼ 孝介
  • 佐藤 伸一
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 VDAC機能調節剤
発明の概要

【課題】 電位依存性陰イオンチャネル(voltage-dependent anion channel;VDAC)結合作用又はVDAC機能調節作用を有する新規な薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 式[I]:
【化1】

又は、式[II]:
【化2】

で示される化合物を有効成分として含有するVDAC結合剤又はVDAC機能調節剤。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


ミトコンドリアは、エネルギー産生における重要な細胞小器官であるばかりでなく、細胞死の制御に重要な役割を果たしていると認識されている。生理学的又は病態生理学的細胞死は、ミトコンドリアの構造変化及び機能不全と密接に関係している。ミトコンドリアの膜透過化は、アポトーシス及びネクローシスを含むいずれの様式の細胞死においても一般的に見られる特徴である。



VDACは、ミトコンドリア外膜において最も多量に存在するタンパク質であり、およそ5kDaのカットオフの特異性の低い分子篩として機能する。VDACの開孔は制御されたプロセスであり、ミトコンドリアにおける分子の輸送においてある程度の特異性を呈する。例えば、アポトーシスにおいては、Bcl-2ファミリーのタンパク質がVDACに結合し、当該チャネルを開孔させ、ミトコンドリア膜電位を調節すると同時にチトクロームCを放出することが知られている。



VDACには、少なくとも3つのアイソフォーム(VDAC1、VDAC2及びVDAC3)が存在する。しかしながら、それらの生理学的機能は十分には解明されていない(非特許文献1及び2)。



VDACはミトコンドリアの膜透過化に関与し、細胞死の制御に関係しているので、細胞死が関与する多様な疾患(例えば、神経変性疾患、虚血性疾患等)への関与が示唆されている(非特許文献3)。また、アルツハイマー病の進行によりVDACの機能が障害を受けることが知られている(非特許文献4及び5)。さらに、ダウン症やアルツハイマー病の患者の死後の脳においてVDACタンパク質の量が正常値に比べて変化していることが報告されている(非特許文献6)。



また、VDAC-1は固形癌に多く発現することが報告されている。さらに、Erastinという化合物がVDAC-2及びVDAC-3を阻害して癌細胞の細胞死を誘導することが報告されている。VDACを新たな抗癌剤のターゲットとすることも提案されている(非特許文献7~9)。



一方、特許文献1は、アミノアルコール誘導体を有効成分とするVDAC機能阻害剤を開示する。特許文献2には、VDAC調節剤が開示されている。特許文献3には、VDACに結合し、パーメアビリティートランジションポア(permeability transition pore:PTP)を阻害する化合物が開示されている。非特許文献10には、パラコートがVDACに結合することが報告されている。



特許文献4及び非特許文献11には、Cathepsin阻害作用を有する化合物を開示し、当該化合物はヒトの癌細胞でアポトーシスを誘導することが知られている。しかしながら、これら文献は、当該化合物がVDAC結合作用又はVDAC機能調節作用を有することについて開示も示唆もなされていない。



非特許文献12には、細胞死(ネクローシス)を誘導する化合物が開示されている。しかしながら、非特許文献12には、当該化合物がVDAC結合作用又はVDAC機能調節作用を有することについて開示も示唆もなされていない。

産業上の利用分野


本発明は、例えば、電位依存性陰イオンチャネル(voltage-dependent anion channel;以下、「VDAC」と称する)結合作用及び機能調節作用を有する化合物を有効成分とするVDAC結合剤及び機能調節剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式[I]:
【化学式1】



又は、式[II]:
【化学式2】



(式[I]及び[II]において、
R1は置換又は非置換のナフチル又はフェニルであり、
R2は置換又は非置換のフェニルであり、
*が付された炭素は不斉炭素を表し、D又はL配置のいずれかである)
で示される化合物を有効成分として含有する電位依存性陰イオンチャネル結合剤。

【請求項2】
式[I]:
【化学式3】



又は、式[II]:
【化学式4】



(式[I]及び[II]において、
R1は置換又は非置換のナフチル又はフェニルであり、
R2は置換又は非置換のフェニルであり、
*が付された炭素は不斉炭素を表し、D又はL配置のいずれかである)
で示される化合物を有効成分として含有する治療剤。

【請求項3】
癌が、白血病、胃癌、肺癌、乳癌、子宮癌、食道癌、大腸癌、網膜芽細胞腫、脳腫瘍、神経膠腫、口腔癌、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌及び腎臓癌から成る群より選択される、請求項2記載の治療剤。

【請求項4】
式[I]:
【化学式5】



又は、式[II]:
【化学式6】



(式[I]及び[II]において、
R1は置換又は非置換のナフチル又はフェニルであり、
R2は置換又は非置換のフェニルであり、
*が付された炭素は不斉炭素を表し、D又はL配置のいずれかである)
で示される化合物を有効成分として含有する細胞死誘導剤。

【請求項5】
式[I]:
【化学式7】



又は、式[II]:
【化学式8】



(式[I]及び[II]において、
R1は置換又は非置換のナフチル又はフェニルであり、
R2は置換又は非置換のフェニルであり、
*が付された炭素は不斉炭素を表し、D又はL配置のいずれかである)
で示される化合物を有効成分として含有する研究用試薬。
産業区分
  • 薬品
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 袖岡生細胞分子化学 領域
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