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フラーレン二量体およびその製造方法

国内特許コード P110005800
整理番号 E079P39
掲載日 2011年9月29日
出願番号 特願2010-049276
公開番号 特開2011-184326
登録番号 特許第5633873号
出願日 平成22年3月5日(2010.3.5)
公開日 平成23年9月22日(2011.9.22)
登録日 平成26年10月24日(2014.10.24)
発明者
  • 中村 栄一
  • 松尾 豊
  • 肖 作
  • 安部 陽子
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人 東京大学
  • 三菱ケミカル株式会社
発明の名称 フラーレン二量体およびその製造方法
発明の概要 【課題】有機溶媒に対する溶解性の高いフラーレン二量体が求められている。また、収率の高いフラーレン二量体の製造方法が求められている。
【解決手段】シリルアルキル基を有する、フラーレン二量体を提供する。また、シリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に、少なくとも塩基性化合物の存在下で酸化剤を反応させる第2工程を含む、シリルアルキル基を有する、フラーレン二量体の製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。





1990年にフラーレンC60の大量合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成され、その多様な機能が明らかにされてきた。これまでに、フラーレン誘導体を用いた電子伝導材料、半導体、医薬や生理活性物質等の各種用途開発が進められている(本明細書において、C60などの炭素クラスターを「フラーレン」と総称している。「フラーレン」についての総説は、現代化学2000年6月号、p.46、およびChemical Reviews, 98, 2527 (1998)等を参照のこと)。





1992年には、2個のフラーレン骨格が直接結合したフラーレン二量体 RC60-C60Rが報告されている(J. Chem. Soc. Perkin Trans.2, 1425 (1992) (非特許文献1))。フラーレン二量体はフラーレンモノラジカルRC60・が二量化して1本の単結合で結ばれたものである。フラーレン間の結合の強さは側鎖の立体障害の大きさによって決まり、ダイマーとモノマーラジカルとの間で解離平衡の関係にあることが示されている(J. Am. Chem. Soc., 114, 5454 (1992)(非特許文献2))。フラーレン二量体はフラーレンポリマーの最も基本的な構造要素であること、またフラーレンモノラジカルRC60・へ解離することなどから、ナノマテリアル、有機電子材料等への応用が期待され、注目を集めている。





また、フラーレン二量体を合成する方法として、フラーレンC60にアルキルラジカルを付加させて得たフラーレンモノラジカルの二量化による手法(J. Am. Chem. Soc., 114, 5454 (1992)、 J. Org. Chem., 61, 257 (1996)(非特許文献3)等)、フラーレンモノアニオンRC60- の酸化により得たフラーレンモノラジカルの二量化による手法 (Tetrahedron, 52, 5077 (1996)(非特許文献4)等)等が知られている。





しかしながら、従来のフラーレン二量体は一般の有機溶媒にきわめて難溶であるものが多く、電子材料等への応用が困難であった。





また、従来のフラーレン二量体の合成方法である、フラーレンC60にアルキルラジカルを付加させる手法においては、望ましくない多重付加反応が進行するために目的のフラーレン二量体の収率が低下するという欠点があった。

また、フラーレンモノアニオンRC60-を経由する手法においては、既知の方法(例えば、フラーレンジアニオンC60-にアルキル化剤を作用させてフラーレンモノアニオンRC60-を発生させる手法 (Org. Lett. 15, 2541 (2002)(非特許文献5))では、フラーレンモノアニオンRC60-を効率よく得ることができず、結果として目的のフラーレン二量体の収率が低下するという問題があった。

産業上の利用分野


本発明は、アルキルシリル基を有するフラーレン二量体およびその製造方法に関する。具体的には、アルキルシリル基を有するフラーレン二量体とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)
【化1】


[式中、Fはフラーレンを表し;
はそれぞれ独立して有機基であり;
mはそれぞれ独立して0~2の整数であり;
Xは、単結合であり;
nはそれぞれ独立して1~3の整数であり;
pはそれぞれ独立して1~3の整数であり;
21~R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体。

【請求項2】
式(1)中、
FがフラーレンC60であり;
Xが単結合であり;
nがそれぞれ独立して1~3の整数であり;
pがそれぞれ独立して1または3であり;
mが0であり、
21~R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30アルキル基、置換基を有してもよいC~C30アルケニル基、置換基を有してもよいC~C30アルキニル基、置換基を有してもよいC~C30アリール基、置換基を有してもよいC~C30アリール基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基である、請求項に記載のフラーレン二量体。

【請求項3】
下記式(2)
【化2】


[式中、nは1~3の整数であり;
21~R23は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有するフラーレン誘導体に、少なくとも塩基性化合物の存在下で酸化剤を反応させる第2工程を含む、
上記式(2)で表されるシリルアルキル基を有する、フラーレン二量体の製造方法であって、
前記フラーレン二量体が、下記式(1)
【化3】


[式中、Fはフラーレンを表し;
はそれぞれ独立して有機基であり;
mはそれぞれ独立して0~2の整数であり;
Xは、単結合であり;
nはそれぞれ独立して1~3の整数であり;
pはそれぞれ独立して1~3の整数であり;
21~R23はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)である]
で表されるシリルアルキル基を有する化合物である、フラーレン二量体の製造方法。

【請求項4】
第2工程において、塩基性化合物がカリウムターシャリーブトキシドおよびポタジウムハイドライドからなる群から選ばれる1以上であり、酸化剤がN-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、ヨウ素および酸素からなる群から選ばれる1以上である、請求項に記載のフラーレン二量体の製造方法。

【請求項5】
フラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくともグリニャール試薬と極性物質とを反応させてシリルアルキル基を付加する第1工程であって、シリルアルキル基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して極性物質を3~100当量用いる第1工程を経て、前記シリルアルキル基を有するフラーレン誘導体が製造される、請求項3または4に記載のフラーレン二量体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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