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魚類GTHタンパク質および該タンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法

国内特許コード P110005816
掲載日 2011年10月3日
出願番号 特願2010-036050
公開番号 特開2011-168562
登録番号 特許第5783522号
出願日 平成22年2月22日(2010.2.22)
公開日 平成23年9月1日(2011.9.1)
登録日 平成27年7月31日(2015.7.31)
発明者
  • 玄 浩一郎
  • 風藤 行紀
  • 野村 和晴
  • 田中 秀樹
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 魚類GTHタンパク質および該タンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法
発明の概要 【課題】哺乳類型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質の提供および該タンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法の提供。
【解決手段】哺乳類細胞を用いて魚類GTHタンパク質を発現させることにより、哺乳類型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質を得た。この哺乳類型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質は、生体内寿命が延長化された魚類体内において長期間の安定性を有する分解されにくいタンパク質であり、該タンパク質は魚類の成熟誘導が可能であった。該哺乳類型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質を用い、魚類の成熟誘導を行う。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


魚類の完全養殖のためには人工種苗の生産が不可欠である。しかし、飼育環境下では、ある一定の段階から生殖腺が発達しなくなる成熟停止が起こりやすい。魚種によって成熟停止の段階は異なるが、いずれにおいても、人為催熟を続けるには、成熟停止に至った段階で、外因性の成熟誘導ホルモン(例えば、生殖腺刺激ホルモン Gonadotropin(以下、「GTH」とする)等)を投与することが必須となる。
しかし、GTHは複雑な構造を持つ糖タンパク質ホルモンであるため化学合成が難しく、哺乳類のGTH(ヒト絨毛性ゴナドトロピン、Human chorionic gonadotropin(以下、「hCG」とする))や魚のGTHを含む組織抽出物が代用品として用いられているのが現状である。



ウナギ等の卵原細胞から卵黄形成の初期の段階で成熟停止してしまう魚種においては、このような人為催熟によって完全養殖を行うことがかなり難しく、より有効な方法の提供が望まれていた。
そこで、近年、海水養殖池環境中において、養殖関係を構成する水流や温度などの要素を周期的に変動させることによって、外因性の成熟誘導ホルモンを投与することなく、ウナギ雌魚を催熟する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ゼブラフィッシュ由来の細胞を用いて、魚類のホルモンを産生する細胞を作製し、この細胞を移植することで、ウナギ等の魚類の成熟を促進する方法が開発されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、金魚やウナギ由来の遺伝子からGTHを合成し、これを投与することでウナギの人為催熟を行う方法も検討されている(例えば、非特許文献1,2参照)。しかし、これらの方法においても、ウナギ等の人為催熟が困難な魚類においては、特に成熟誘導率が低い、卵質が不安定、仔魚の生残率が低い等、十分な結果が得られていない。



ヒト、ラット等の哺乳類のホルモン合成において、糖鎖結合部位を付加した各ホルモン遺伝子をチャイニーズハムスター等の哺乳類を由来とする細胞で合成することにより、哺乳類型糖鎖が付加された哺乳類GTHやエリスロポエチン等を合成する方法が行われている。そして、この方法によって得られたホルモンが、ヒト、ラット等において生体内寿命が延長化され、生物活性が高められたことが確認されている(非特許文献3~6)。
近年、魚類においても、糖鎖結合部位を付加したGTH遺伝子をマイクロインジェクション法により導入することで、魚類の成熟を調節する方法や、これを昆虫細胞に発現させて得た昆虫型糖鎖が付加された魚類GTHを魚類に導入することで、ウナギ等の人為催熟を行うことが検討されているが、十分な結果は得られておらず、有用な魚類の成熟誘導方法の提供が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、魚類GTHタンパク質および該タンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法に関する。さらに詳しくは、哺乳類型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質、および生体内寿命が延長化された該タンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列表配列番号1で示されるアミノ酸配列またはこれらのアミノ酸配列が保存的修飾された配列からなる部位である糖鎖結合部位をC末端に付加した魚類GTHを哺乳類細胞によって合成することにより得られる哺乳類型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質であって、哺乳類型糖鎖としてO型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質。

【請求項2】
配列表配列番号1で示されるアミノ酸配列またはこれらのアミノ酸配列が保存的修飾された配列からなる部位である糖鎖結合部位を2つ以上C末端に付加した魚類GTHを哺乳類細胞によって合成することにより得られる請求項に記載の哺乳類型糖鎖としてO型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質。

【請求項3】
魚類GTHがウナギ由来のGTHである請求項1または2に記載の哺乳類型糖鎖としてO型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質。

【請求項4】
魚類GTHがFSHまたはLHである請求項1~3のいずれかに記載の哺乳類型糖鎖としてO型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質。

【請求項5】
FSHをコードするcDNAまたはLHをコードするcDNAと、配列表配列番号1で示されるアミノ酸配列またはこれらのアミノ酸配列が保存的修飾された配列からなる部位である糖鎖結合部位をコードするcDNA、となる順番で連結したキメラcDNAを発現ベクターに挿入し、概発現ベクターを哺乳類細胞に導入し、概哺乳類細胞によって合成することにより得られる請求項1~4のいずれかに記載のO型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の哺乳類型糖鎖としてO型糖鎖が付加された魚類GTHタンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法。

【請求項7】
成熟誘導される魚類がウナギである請求項6に記載の魚類の成熟誘導方法。

【請求項8】
未熟ウナギの精巣を成熟誘導する請求項6に記載の魚類の成熟誘導方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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