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磁化曲線の算定方法

国内特許コード P110005830
掲載日 2011年10月12日
出願番号 特願2011-140509
公開番号 特開2013-007648
登録番号 特許第5602100号
出願日 平成23年6月24日(2011.6.24)
公開日 平成25年1月10日(2013.1.10)
登録日 平成26年8月29日(2014.8.29)
発明者
  • 清水 敏久
  • 高野 耕至
  • 齋藤 泰典
  • 石井 仁
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
  • 岩崎通信機株式会社
発明の名称 磁化曲線の算定方法
発明の概要 【課題】磁性体コアを励磁することにより取得される計測結果に基づいて算定する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの磁化曲線を算定する方法であって、磁性体コアを第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体コアであると仮定することにより、磁性体コアの磁界の強さ、及び磁束密度を算定する方法であり、磁性体コアに具備される第1の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であり、磁性体コアに具備される第2の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であることを特徴とする方法。
【選択図】図1(a)
従来技術、競合技術の概要



インバ-タ、及びコンバ-タなどの電気機器は、力率を改善し、高調波を低減し、かつサ-ジを抑制するために、リアクトルを備える。このような用途に使用されるリアクトルに流れる電流は、振幅が比較的大きな直流電流、又は振幅が比較的大きな低周波交流電流に、振幅が比較的小さな高周波リップルが重畳した波形を有する。この結果、比較的大きな電流がリアクトルに印加されるために、リアクトルの磁性体コアには、大きな磁界が印加される。したがって、リアクトルの磁性体コアには、大きな磁界の下でも磁気飽和を起こさないことが要求される。磁気飽和が生じると透磁率が低下し、リアクトルのインダクタンスが低下するために、リアクトルとして動作しなくなるからである。





磁性体コアが磁気飽和することを防止するために、一般にリアクトルの磁性体コアの磁路中にギャップ(空隙)が設けられる。磁性体コアの磁路中にギャップが設けられることにより、磁気抵抗が大きくなり、磁性体コアが磁気飽和することを防止できるためである。しかしながら、磁路中のギャップでは、磁束が磁路の外側に漏れ出す現象が生じる。この現象は、一般にフリンジング磁束と称される。フリンジング磁束は、磁性体コアが導体の場合には、ギャップ近傍の磁性体コア側面に渦電流を生じさせ、また、ギャップ近傍に巻線がある場合には、巻線導体に渦電流を生じさせ、いずれの場合も局部損失を増大させるという問題がある。また、フリンジング磁束が周囲に配置される電気閉回路と鎖交し、電気閉回路にノイズが生じる問題がある。





また近年は、必要なギャップ長を得るために、複数個のギャップを磁路中に分散して設けることがある。これによって、1つ当たりのギャップ長が狭くなり、1つ当たりのギャップから生じるフリンジング磁束を抑制することができる。

産業上の利用分野



本発明は、磁化曲線の算定方法に関する。より詳細には、本発明は、リアクトルの磁路中にギャップを有する磁性体コアの磁化曲線の算定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される1次巻線に第1の励磁電流を印加して、該第1の励磁電流、及び前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される2次巻線に生じる第1の2次電圧を測定して、第1の磁化曲線、及び第1の最大磁束密度を算定する第1算定ステップと、
前記第1算定ステップで使用した磁性体コアの前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される1次巻線に前記第1の励磁電流を印加して、該第1の励磁電流、及び前記第2の透磁率を有する磁性体に巻回される2次巻線に生じる第2の2次電圧を測定して、第2の磁化曲線、及び第2の最大磁束密度を算定する第2算定ステップと、
前記第1の透磁率を有する磁性体により形成され、かつ磁路中にギャップを有しない第1のギャップなし磁性体コアの1次巻線に、前記第1の励磁電流と同一の周波数を有する第2の励磁電流を印加して、該第2の励磁電流、及び前記第1のギャップなし磁性体コアの2次巻線に生じる第3の2次電圧を測定して、第3の磁化曲線、及び第3の最大磁束密度を算定する第3算定ステップであって、前記第1の最大磁束密度と、前記第3の最大磁束密度とが同一になるように、前記第2の励磁電流を調整する第3算定ステップと、
前記第2の透磁率を有する磁性体により形成され、かつ磁路中にギャップを有しない第2のギャップなし磁性体コアの1次巻線に、前記第1の励磁電流と同一の周波数を有する第3の励磁電流を印加して、該第3の励磁電流、及び前記第2のギャップなし磁性体コアの2次巻線に生じる第4の2次電圧を測定して、第4の磁化曲線、及び第4の最大磁束密度を算定する第4算定ステップであって、前記第2の最大磁束密度と、前記第4の最大磁束密度とが同一になるように、前記第3の励磁電流を調整する第4算定ステップと、
前記第1~第4の磁化曲線及び前記第1~第4の最大磁束密度を使用して、少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの試料定数を算定する第5算定ステップと、
を有し、前記磁性体コアに具備される前記第1の透磁率を有する磁性体の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であり、
前記磁性体コアに具備される前記第2の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であることを特徴とする方法。

【請求項2】
演算式
【数1】


【数2】


を使用して、前記少なくとも1つのギャップの実効磁路長を算定する第5算定ステップをさらに有する方法であって、
ここで、H1は、前記第1の磁化曲線を算定するときに算定される磁界の強さであり、
2は、前記第2の磁化曲線を算定するときに算定される磁界の強さであり、
αは、前記第1の透磁率を有する磁性体の合計の実効磁路長であり、
βは、前記第2の透磁率を有する磁性体の合計の実効磁路長であり、
αは、前記第3の磁化曲線を算定するときに算定される磁界の強さであり、
βは、前記第4の磁化曲線を算定するときに算定される磁界の強さであり、
nは、前記少なくとも1つのギャップの数であり、
g及びLgはそれぞれ、前記少なくとも1つのギャップの磁界の強さ、及び1つ当たりのギャップの実効磁路長である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
g = μ0g
から前記ギャップの磁束密度Bgを算定する第6算定ステップをさらに有する請求項2に記載の方法。

【請求項4】
前記磁性体コアが2つ以上のギャップを有するとき、前記2つ以上のギャップそれぞれの磁路長は、互いに等しい請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
前記第1算定ステップにおいて、前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される2次巻線の巻数と、前記第3算定ステップにおいて、前記第1のギャップなし磁性体コアの2次巻線の巻数とが同一であり、
第1の最大磁束密度と、第3の最大磁束密度とが同一になるように、前記第2の励磁電流を調整することは、前記第1の2次電圧の最大電圧と、前記第3の2次電圧の最大電圧とが同一になるように調整することを含む請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
前記第1のギャップなし磁性体コア、又は前記第2のギャップなし磁性体コアのいずれか1つは、前記第1算定ステップ、又は前記第2算定ステップで使用された前記磁性体コアの前記ギャップを埋めることにより形成される請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
前記第3算定ステップにおいて、第1の最大磁束密度と、第3の最大磁束密度とが同一になるように、前記第2の励磁電流を調整する代わりに、
前記第1算定ステップにおいて、第1の最大磁束密度と、第3の最大磁束密度とが同一になるように、前記第1の励磁電流を調整する請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
前記第4算定ステップにおいて、第2の最大磁束密度と、第4の最大磁束密度とが同一になるように、前記第3の励磁電流を調整する代わりに、
前記第2算定ステップにおいて、第2の最大磁束密度と、第4の最大磁束密度とが同一になるように、前記第1の励磁電流を調整する請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項9】
少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される1次巻線に第1の励磁電流を印加して、該第1の励磁電流、前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される第1の2次巻線に生じる第1の2次電圧を測定して、第1の磁化曲線、及び第1の最大磁束密度を算定するとともに、前記第2の透磁率を有する磁性体に巻回される第2の2次巻線に生じる第2の2次電圧を測定して、第2の磁化曲線、及び第2の最大磁束密度を算定する第1算定ステップと、
前記第1算定ステップで使用した磁性体コアの前記第1の透磁率を有する磁性体により形成され、かつ磁路中にギャップを有しない第1のギャップなし磁性体コアの1次巻線に、前記第1の励磁電流と同一の周波数を有する第2の励磁電流を印加して、該第2の励磁電流、及び前記第1のギャップなし磁性体コアの2次巻線に生じる第3の2次電圧を測定して、第3の磁化曲線、及び第3の最大磁束密度を算定する第2算定ステップであって、前記第1の最大磁束密度と、前記第3の最大磁束密度とが同一になるように、前記第2の励磁電流を調整する第2算定ステップと、
前記第2の透磁率を有する磁性体により形成され、かつ磁路中にギャップを有しない第2のギャップなし磁性体コアの1次巻線に、前記第1の励磁電流と同一の周波数を有する第3の励磁電流を印加して、該第3の励磁電流、及び前記第2のギャップなし磁性体コアの2次巻線に生じる第4の2次電圧を測定して、第4の磁化曲線、及び第4の最大磁束密度を算定する第3算定ステップであって、前記第2の最大磁束密度と、前記第4の最大磁束密度とが同一になるように、前記第3の励磁電流を調整する第3算定ステップと、
前記第1~第4の磁化曲線及び前記第1~第4の最大磁束密度を使用して、少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの試料定数を算定する第4算定ステップと、
を有し、前記磁性体コアに具備される前記第1の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であり、
前記磁性体コアに具備される前記第2の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であることを特徴とする方法。

【請求項10】
少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの前記第1の透磁率を有する磁性体に巻回される1次巻線に第1の励磁電流を印加して、該第1の励磁電流、及び前記第1の透磁率を有する磁性体、又は前記第2の透磁率を有する磁性体のいずれか一方に巻回される2次巻線に生じる第1の2次電圧を測定して、第1の磁化曲線、及び第1の最大磁束密度を算定する第1算定ステップと、
前記第1算定ステップで使用した磁性体コアの前記第1の透磁率を有する磁性体により形成され、かつ磁路中にギャップを有しない第1のギャップなし磁性体コアの1次巻線に、前記第1の励磁電流と同一の周波数を有する第2の励磁電流を印加して、該第2の励磁電流、及び前記第1のギャップなし磁性体コアの2次巻線に生じる第2の2次電圧を測定して、第2の磁化曲線、及び第2の最大磁束密度を算定する第2算定ステップであって、前記第1の最大磁束密度と、前記第2の最大磁束密度とが同一になるように、前記第2の励磁電流を調整する第2算定ステップと、
前記第2の透磁率を有する磁性体により形成され、かつ磁路中にギャップを有しない第2のギャップなし磁性体コアの1次巻線に、前記第1の励磁電流と同一の周波数を有する第3の励磁電流を印加して、該第3の励磁電流、及び前記第2のギャップなし磁性体コアの2次巻線に生じる第3の2次電圧を測定して、第3の磁化曲線、及び第3の最大磁束密度を算定する第3算定ステップであって、前記第1の最大磁束密度と、前記第3の最大磁束密度とが同一になるように、前記第3の励磁電流を調整する第3算定ステップと、
前記第1~第3の磁化曲線及び前記第1~第3の最大磁束密度を使用して、少なくとも1つのギャップを磁路中に有し、かつ第1、及び第2の透磁率をそれぞれ有する磁性体を具備する磁性体コアの試料定数を算定する第4算定ステップと、
を有し、前記磁性体コアに具備される前記第1の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であり、
前記磁性体コアに具備される前記第2の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状は、前記磁路に亘り一定であり、
前記磁性体コアを形成する前記第1、及び前記第2の透磁率を有する磁性体の断面の断面積、及び断面形状はそれぞれ、互いに等しいことを特徴とする方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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