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荷重伝達経路探索装置

国内特許コード P110005898
整理番号 S2011-0577-N0
掲載日 2011年11月4日
出願番号 特願2011-066191
公開番号 特開2012-203547
登録番号 特許第5698047号
出願日 平成23年3月24日(2011.3.24)
公開日 平成24年10月22日(2012.10.22)
登録日 平成27年2月20日(2015.2.20)
発明者
  • 高橋 邦弘
  • 熊澤 靖元
  • 冠木 亮
  • 水野 泰介
  • 櫻井 俊彰
  • 伊賀崎 賢哉二世
出願人
  • 学校法人慶應義塾
発明の名称 荷重伝達経路探索装置
発明の概要 【課題】剛性指標(U*,U**)分布の等高線の稜線を自動描画して、近似的であるが構造設計の実態に即した荷重伝達経路を求める。
【解決手段】離散的な節点において値をもつ剛性指標を剛性指標記憶手段に記憶する。剛性指標は、負荷点11で最大値となり、支持点で最小値となる。支持点の近傍の点を探索小領域(探索球)13の最初の中心点として、探索小領域内の最大の剛性指標をもつ節点を探索する。求めた節点を次の中心点とする。新しい探索小領域内の最大の剛性指標をもつ節点を探索する。この操作を繰り返す。求めた中心点が負荷点11の近傍である場合に、一連の最大値節点のデータを荷重伝達経路15として出力する。このように、経路探索を荷重伝達方向の逆方向からたどり、探索小領域内で最大の剛性指標値を持つ節点を選ぶので、荷重伝達経路を安定的に求めることができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、構造物における荷重の伝達経路を求める方法としては、応力分布を求めて、最大主応力の方向から荷重伝達経路を推定する方法がある。しかし、この方法では、構造物中の空隙の周辺などに応力集中が生ずる場合、構造設計の実態に即した荷重伝達経路とすることができない。もしこれを荷重経路と定義すると、空隙の近傍が大きな荷重を伝達していると結論付けることになり、設計に必要な実態が表現されない。荷重を伝えるには空隙を設けるべきだ、という誤謬が生ずるからである。そこで、本発明者等は、特許文献4、5等において、剛性指標(U*,U**)を求めて、荷重伝達経路を推定する方法を提案した。剛性指標は、荷重が加わる点すなわち負荷点で最大値1になり、構造物が支持される支持点で最小値0になる。剛性指標は、ポテンシャル関数と同じ性質をもっており、2点間の経路によらず、2点間の剛性指標値の差は同じである。この方法を、ここでは剛性指標法と呼ぶことにする。



剛性指標法では、剛性指標の分布の等高線を求め、その稜線すなわち尾根線に相当する曲線を荷重伝達経路として求める。稜線とは、等高線に直交する曲線群のうち、勾配が一番小さい曲線である。荷重経路は剛性指標分布の稜線をたどる。具体的には、特許文献1~3や非特許文献1に開示されているように、等高線に直交する曲線群を求める周知の方法により、荷重伝達経路を求める。あるいは、等高線を拡大して、手作業で稜線を描く方法で荷重伝達経路を求めてもよい。構造物内の剛性指標の分布は、負荷点の付近では明瞭だが、支持点の付近になると不明瞭になる。そのため、支持点の付近では一般に稜線があいまいになる。したがって、稜線を求める場合には、負荷点付近から追尾を始める。以下に、上記従来技術について簡単に説明する。



特許文献1に開示された「等高線データ処理方法」は、既存の地形図から容易に稜線図を作成できる方法である。図8(a)に示すように、地形図等の平面上の任意の定めた原点を中心にして、平面上に書かれた等高線を追従させる機構と、等高線の値を予め入力できる入力部を有し、任意の等高線を追従した軌跡を、原点からの距離および角度で表現される極座標データとして取り込む。



特許文献2に開示された「地形データ処理方法」は、電算機によって地形データ処理をする方法である。等高線データを利用して落水線を自動的に発生させ、落水線から水平断面データと垂直断面データを生成する。記憶装置には、プログラムと等高線データと落水線データを記憶する領域がある。等高線位置関係判断手段は、選択した等高線のデータ点と標高が低い等高線データの最寄りのデータ点とを結ぶ線分が、他の等高線を横切らないことを条件として、最寄りのデータ点を含む等高線は選択した等高線の隣に存在する、と判断する。



特許文献3に開示された「地形データ処理方法」は、手作業で実現していた専門家レベルの解析精度を維持しつつ、斜面の水平断面形をコンピュータ処理により分類する方法である。図8(b)に示すように、等高線のデータ点から、標高が1ランク低いか高い等高線へ最短距離の線を引いて交点を求める。あるデータ点を始点とし、それより1つ小さいデータ点を終点とするベクトルγを演算する。あるデータ点を始点とし、交点を終点とするベクトルβ、β'との外積を演算する。ベクトルβ、β'と、あるデータ点を始点としそれより1つ大きいデータ点を終点とするベクトルαとの外積を演算する。ベクトルの両外積がともに正又は負であるとき、交点が等高線データの右側左側に位置すると判断する。参照点よりポイント番号が1つ小さいデータ点を始点とし、参照点を終点とするベクトルとベクトルγにより、参照点が等高線データの左右どちらに突き出ているかを判定する。



特許文献4に開示された「荷重伝達経路法に基づく数値構造解析装置」は、計算時間を大幅に短縮するものである。図8(c)に示すように、解析対象構造物の支持点Bを固定し、特定負荷点Aに荷重をかけるようにパラメータを設定する。剛性行列保持手段の全体剛性行列に基づいて、有限要素法計算手段で、解析対象構造物の変形を計算して各点の変位量などの基本データを求める。特定負荷点Aと支持点Bを固定して、変化負荷点Cに3通りの検査荷重を与え、それぞれの変形を有限要素法計算手段で計算して変位量を求める。部分剛性行列計算手段で、解析対象構造物の内部剛性行列と荷重値と変位量に基づく多元連立一次方程式を解き、部分剛性行列KACを求める。剛性指標計算手段で、部分剛性行列KACと基本データの変位量などから剛性指標U*の値を計算する。解析対象構造物の必要なすべての点を順次たどるように、変化負荷点Cを変更して各点のU*の値を計算する。



特許文献5に開示された「構造解析数値計算装置」は、有限要素法を利用する構造解析数値計算装置において、構造物に分布荷重がかけられる場合も、荷重伝達経路を計算できるようにするものである。図8(d)に示すように、構造内部の点を固定しないで荷重をかけた時の相補ひずみエネルギーUと、構造内部の1点を固定して荷重をかけた時の相補ひずみエネルギーU'の比から、各点におけるU**値を求める。実際の計算では、Uと、負荷点Aと構造内部の1点Cとに関する撓み性行列CACと、点Cに関する撓み性行列の逆行列CCC-1と、負荷点Aの荷重pAとから、点Cにおける指標U**の値(CACCC-1CAA・pA/(2U))を算出する。または、UとCCC-1と点Cの変位dCから、点Cにおける指標U**の値(dC・CCC-1C/(2U))を算出する。



非特許文献1には、等高線とその直交線について、次のように解説されている。等高線は、曲面と等間隔な平面群との交線によって表される。これらは、2次元で自由曲面形状を表現するのに広く用いられてきた。切断面の単位法線ベクトルをnfとする。等高線の方程式は、
z=nf・s(u,≡)≡φ(u,≡)=const≡h
で与えられる。この式を微分すると、
φudu+φvdv=0
を得る。この式は、パッチs(u,≡)の等高線の微分方程式である。曲面形状の詳細な描画のために、等高線の直交線群を導入する。この線群を等高直交線と呼び、その方程式は次式となる。
vE-φuF)du+(φvE-φuF)dv=0



図8(e)にモデル曲面を示す。軌跡は、各高さでの極大、極小の傾斜となる点を常に通り、これは等高線の曲率極値点とほぼ一致する。これは、地形図における尾根線あるいは谷線のイメージである。そこでこの軌跡を尾根谷線と呼ぶ。ステップごとの解によりすべての曲線を得ることはむしろ困難なので、ステップ幅制御による微分方程式の解法を用いて解く。図8(f)は、より複雑な場合である。この曲線は、正確に地形の尾根あるいは谷を表している。偶数個の曲線が、極値高さの点において始まるか終わっており、この曲線は、等傾斜線における極値高さの位置にある臍点を通過する。

産業上の利用分野


本発明は、荷重伝達経路探索装置に関し、特に、荷重経路解析における荷重伝達経路の探索に用いる荷重伝達経路探索装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
離散的な節点において値をもち負荷点で最大値となり支持点で最小値となる剛性指標を記憶する剛性指標記憶手段と、探索を行う範囲を示す探索小領域の中心点を設定する中心点設定手段と、支持点近傍の点を最初の中心点として中心点設定手段に設定する初期値設定手段と、探索小領域の内部のすべての節点を走査して最大の剛性指標をもつ節点を探索する最大値探索手段と、最大値をもつ節点を記録する最大値節点記録手段と、最大値をもつ節点の近傍の節点を次の中心点として中心点設定手段に設定する中心点更新手段と、求めた中心点が負荷点近傍である場合に一連の最大値節点のデータを荷重伝達経路として出力する荷重伝達経路出力手段とを具備することを特徴とする荷重伝達経路探索装置。

【請求項2】
離散的な節点において値をもち負荷点で最大値となり支持点で最小値となる剛性指標を剛性指標記憶手段に記憶し、初期値設定手段で支持点を最初の中心点として中心点設定手段に設定し、最大値探索手段で探索小領域の内部のすべての節点を走査して最大の剛性指標をもつ節点を探索し、最大値節点記録手段に最大値節点を記録し、最大の剛性指標をもつ節点の近傍の節点を次の中心点として中心点更新手段で中心点設定手段に設定し、求めた中心点が負荷点近傍である場合に、荷重伝達経路出力手段で、一連の最大値節点のデータを荷重伝達経路として出力することを特徴とする荷重伝達経路探索方法。

【請求項3】
請求項2記載の荷重伝達経路探索方法をコンピュータで実行するための処理手順を記述したコンピュータプログラム。

【請求項4】
請求項3記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体。
産業区分
  • 演算制御装置
  • 記憶装置
  • 入出力装置
  • 計算機応用
  • その他情報処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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