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スキゾキトリウム属の微生物を用いた長鎖高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の製造方法

国内特許コード P110005959
整理番号 QP050006
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2005-342182
公開番号 特開2007-143479
登録番号 特許第4344827号
出願日 平成17年11月28日(2005.11.28)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
登録日 平成21年7月24日(2009.7.24)
発明者
  • 伊東 信
  • 安部 英理子
  • 林 康広
  • 林 雅弘
出願人
  • 国立大学法人九州大学
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 スキゾキトリウム属の微生物を用いた長鎖高度不飽和脂肪酸含有リン脂質の製造方法
発明の概要

【課題】高度不飽和脂肪酸含有リン脂質、特にPC-DHA及びこれを含む組成物、新規PC-DHA、これらの製造方法を提供する。
【解決手段】高度不飽和脂肪酸含有リン脂質生産能を有するスキゾキトリウム属の微生物を培養することにより、高度不飽和脂肪酸含有リン脂質、特にPC-DHA及びこれを含む組成物、PC-DHAである新規化合物を得ることができる。本発明は、そのような高度不飽和脂肪酸含有リン脂質、特にPC-DHA、新規化合物、及びそれらを含む組成物も提供する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


ドコサヘキサエン酸(DHA)は、22の炭素鎖、6個の二重結合から成るn-3系高度不飽和脂肪酸である。DHAは特にイワシやサバなどの青魚に多く含まれる脂肪酸で、海産魚においてはその生育に重要な必須脂肪酸であることが知られている。DHAが多様な生理活性を有することも報告され、多くの健康食品や乳児用ミルクに添加されている。また近年では、DHAのみならずDHA含有リン脂質の機能にも注目が集まっている。



このようなDHA及びDHA含有リン脂質の機能に注目が集まり需要が高まる一方で、現在の主な供給源であるイワシやサバ、マグロは資源の減少の問題を抱えている。また、海洋汚染により、例えばダイオキシン、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、DDT、BHC等の化学物質や、有機スズ化合物等の重金属化合物等の海洋汚染物質は食物連鎖の過程で生物濃縮を起こし、魚体内に高濃度に蓄積される。そこで、魚に代わる新たなDHA及びDHA含有リン脂質の供給源が求められている。



特許文献1は、PC、LPC、PF、LPE、PE等をリン脂質とし、DHA、EPAを主要な構成脂肪酸とする、イカ皮から得た脂肪酸含有グリセロリン脂質が、脳卒中易発症自然発症高血圧ラットの死亡を予防することについて記載する。



近年、海洋性単細胞真核生物のラビリンチュラ (Labyrinthula) が高度にDHAを産生することが報告され(非特許文献1)、新たなDHA供給源として注目されている。豊富にDHAを蓄積するラビリンチュラ類をワムシやアルテミアの餌料の栄養強化に用いる試みについても報告されている(非特許文献2)。しかし、DHAがどのようなリン脂質にどのように組み込まれているかについては明らかにされていなかった。リン脂質の形のDHA(例えばPC-DHA)を用いることで、DHA単独時と比較して付加価値があることが期待できる。



特許文献2は、ラビリンチュラ目(Labyrinthulales)に分類されるシゾキトリウム属SR21株の微生物をポリペプトン及び/又はコーンスチープリカーを含む培地で培養し、(n-6)系DPA及び(n-3)系DHAの含有量が多い油脂(全脂肪酸中のC15:0は最大で10.1%)を得る方法について記載する。該油脂中の脂肪酸含有PCの脂質について、主に16:0-22:6、16:0-22:5、22:5-22:6、22:6-22:6であることが記載されている。



特許文献3は、培養方法等について特に記載のないスキゾキトリウム種(ラビリンチュラ目)の微生物から抽出したリン脂質の各脂肪酸含量をGCにより決定した結果、C16:0、C22:5n6、C22:6n3が主に含まれていたことを記載する。



特許文献4は、シゾキトリウム属KH105株(FERM P-18431)の微生物、及び該微生物を培地中で培養し、培養物からカロテノイド系物質及び/又はDHAを多量に含む高度不飽和脂肪酸を得るのための培養条件の検討について記載する。




【特許文献1】特開2000-239168号

【特許文献2】特開平10-72590号

【特許文献3】特表2004-536059号

【特許文献4】特開2003-52357号

【非特許文献1】Barbara B. Ellenbogen, S. Aaronson, Comp. Biochem. PHysiol. (1969) 29, 805

【非特許文献2】林 雅弘, 松本 竜一, 吉松 隆夫, 田中 悟広, 清水 昌; 日本水酸学会誌 68(5), 674-678 (2002)

産業上の利用分野


本発明は、PC-DHAである新規化合物に関する。本発明はまた、スキゾキトリウム属の微生物を用いた該化合物及び長鎖高度不飽和脂肪酸含有リン脂質、特にPC-DHAの製造方法に関する。本発明は、食品、医薬の分野において特に有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
式I:
【化学式1】


の構造からなる化合物。

【請求項2】
スキゾキトリウム属F26-b株の微生物(FERM P-20727)。

【請求項3】
請求項2の微生物を用いることを特徴とする、式Iの化合物の製造方法。

【請求項4】
請求項2の微生物を培地で培養し;
得られた培養物から、長鎖高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を採取すること;
を含む、PC-DHAを含有する食品又は医薬用組成物の製造方法。

【請求項5】
請求項2の微生物を培地で培養し;
得られた培養物から、炭素数16以上で22以下の不飽和結合2以上の長鎖高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を採取すること;
を含む、PC-DHAを含有する食品又は医薬用組成物の製造方法。

【請求項6】
請求項2の微生物を培地で培養し;
得られた培養物から、炭素数20以上で22以下の不飽和結合2以上の長鎖高度不飽和脂肪酸含有リン脂質を採取すること;
を含む、PC-DHAを含有する食品又は医薬用組成物の製造方法。

【請求項7】
請求項2の微生物を培地で培養し;
得られた培養物から、DHA含有リン脂質を採取すること;
を含む、PC-DHAを含有する食品又は医薬用組成物の製造方法。

【請求項8】
リン脂質がホスファチジルコリン(PC)である、請求項4~7記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 薬品
  • 液体燃料・油脂
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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