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閉花受粉性イネの作出法およびその選抜法

国内特許コード P110005964
整理番号 QP050153
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2006-134357
公開番号 特開2007-300876
登録番号 特許第4333961号
出願日 平成18年5月12日(2006.5.12)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
登録日 平成21年7月3日(2009.7.3)
発明者
  • 吉田 均
  • 大森 伸之介
  • 長戸 康郎
  • 伊藤 純一
  • 佐藤 光
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 閉花受粉性イネの作出法およびその選抜法
発明の概要

【課題】正常な稔性を有し、かつ実用的である閉花受粉性植物の作出および選抜法を提供する。
【解決手段】植物体に閉花受粉性を付与するポリペプチドである、クラスB MADSボックスタンパク質のアミノ酸配列の第45位のアミノ酸が親水性アミノ酸に置換されているアミノ酸配列;または、上記アミノ酸配列の第45位以外の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、および当該ポリペプチドと特異的に結合する抗体。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


遺伝子組換え作物は多大な可能性を秘めているので、実用化が望まれている。しかし、環境などへの長期的な影響の評価が定まっていないことを理由に、近縁野生種または同種栽培作物との交雑による遺伝子拡散に対する強い懸念が生産者および消費者に存在し、その結果、実用化が困難となっている。環境などに対する長期的な影響評価が定まるまでは、予防原則論的な見地に立ち、遺伝子拡散防止などにより安全性を確保することが求められている。



イネは、一般に、高頻度で自家受粉する植物であるが、開花後に外部に花粉を飛散させるので、低頻度ではあるものの他家受粉も生じ得る。野外栽培の際に、花粉の飛散による組換え体と周辺の野生植物または同種作物との間での交雑が生じないようにするために、周辺植物との栽培距離を確保するか、または栽培時期を調整する(例えば、開花時期をずらすなど)ことが必要とされている。これらの方法が不可能な場合は、摘花、除雄、花への袋がけ、防風ネットの設置などが行われている。しかし、いずれの場合も多大な労力を必要とするので、イネにおいても花粉飛散防止技術の開発が望まれている。



組換え植物からの花粉飛散による遺伝子拡散を防止する技術として、葉緑体形質転換法による母性遺伝の利用、無配偶生殖(apomixis)、雄性不稔などが提唱されている。しかし、イネでは、葉緑体形質転換法、無配偶生殖が未だ実用化に至っていない。また、雄性不稔イネは存在するが、種子を収穫するためには人工的な授粉が必要とされるので実用的ではない。



花粉の飛散を防止するさらなる技術として、閉花受粉が知られている。オオムギにおいては、閉花受粉性の品種を用いた遺伝解析が行われている(例えば、特許文献1および非特許文献1を参照のこと)。オオムギにおける研究に基づけば、閉花受粉性の品種が存在し、遺伝解析に基づけば、閉花受粉性が少数の遺伝子に支配されていることが明らかにされている。



閉花受粉性イネについては、これまでにいくつかの報告がなされている(例えば、非特許文献2および3を参照のこと)。また、閉花受粉性に類似した形質を有するものとして、「穂不抽出性イネ」が報告されている(例えば、非特許文献4を参照のこと)。他に、花器官の形態的変異により閉花性となったイネについても、いくつかの報告がなされている(非特許文献5および6を参照のこと)。

【特許文献1】特開2005-229854公報(平成17年9月2日公開)

【非特許文献1】Theor Appl Genet 109,480-7(2004)

【非特許文献2】J Fac Agric Hokkaido Univ.53,72-130(1963)

【非特許文献3】Current Science 50,419-420(1981)

【非特許文献4】Rice Genetics Newsletter 3,62-63(1986)

【非特許文献5】Development 130,705-718(2003)

【非特許文献6】Plant Cell Physiol.43,130-135(2002)

産業上の利用分野


本発明は、実用的なイネの組換え体作出に有用な母本の作出法に関するものであり、より詳細には、植物体に閉花受粉性を付与するタンパク質および該タンパク質をコードする遺伝子ならびにこれらの利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物体に閉花受粉性を付与するポリペプチドであって、
(A)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;または
(B)上記(A)のアミノ酸配列の第45位以外の1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたポリペプチド。

【請求項2】
請求項1に記載のポリペプチドをコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。

【請求項3】
請求項1に記載のポリペプチドを発現していることを特徴とする植物体。

【請求項4】
請求項に記載のポリヌクレオチドを発現していることを特徴とする植物体。

【請求項5】
閉花受粉性が付与された植物体を作製する方法であって、
(I)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子に対して、該タンパク質の第45位のアミノ酸をトレオニンに置換させる変異を誘導する工程;または
(II)配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子を植物体に導入する工
包含することを特徴とする方法。

【請求項6】
請求項に記載のポリヌクレオチドを備えていることを特徴とする閉花受粉性が付与された植物体を作製するためのキット。

【請求項7】
配列番号23に示される塩基配列からなることを特徴とするオリゴヌクレオチド。

【請求項8】
配列番号22に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、および配列番号23に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含んでいることを特徴とするオリゴヌクレオチドセット。

【請求項9】
請求項に記載のオリゴヌクレオチドまたは請求項8に記載のオリゴヌクレオチドセットを目的の植物体由来のcDNAとハイブリダイズさせる工程を包含することを特徴とする閉花受粉性が付与された植物体をスクリーニングする方法。

【請求項10】
請求項に記載のオリゴヌクレオチドまたは請求項8に記載のオリゴヌクレオチドセットを備えていることを特徴とする閉花受粉性が付与された植物体をスクリーニングするためのキット。
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
  • 有機化合物
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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