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立方晶窒化ホウ素の製造方法

国内特許コード P110005971
整理番号 QP060188
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2007-062629
公開番号 特開2008-222488
登録番号 特許第4827061号
出願日 平成19年3月12日(2007.3.12)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
登録日 平成23年9月22日(2011.9.22)
発明者
  • 堤井 君元
  • 松本 精一郎
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 立方晶窒化ホウ素の製造方法
発明の概要

【課題】イオン衝撃の弱い状態での立方晶窒化ホウ素の気相合成法の提供。
【解決手段】ホウ素、窒素、フッ素を含む分子種から、プラズマを用い窒化ホウ素を析出させる方法において、反応容器あるいは参照電極に対し、基体に正の電圧あるいは零電圧のバイアスをかけること、あるいは基体をフロート電位にすることにより、イオン衝撃の弱い状態で立方晶窒化ホウ素を含む窒化ホウ素を合成する。従来は立方晶窒化ホウ素の気相合成では、基板負バイアスや加速したイオンビームを用いて45eV以上のイオン衝撃を用いることが必須条件であった。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


立法晶窒化ホウ素(c-BN)はダイヤモンドに極めて類似した諸性質を持つ物質であるが、天然には存在しない。ダイヤモンドと同等の優れた電気、光学、機械的特性に加え、ダイヤモンドと比べ、鉄系金属(Fe, Co, Ni, Cr)に対する低い反応性や、高温における耐酸化性、バンド幅がより大、pn型半導体どちらの作製も容易という利点を有する。これらの特性から、c-BNは工具や耐磨耗材料、光学材料、半導体材料、短波長用光電子材料等の有用な機能材料になりうる物質である。その結晶粒は既に工業的に超高圧装置を用いて数万気圧の高圧下で合成されているが、高圧法では形状のコントロールは難しく、特に膜状につくることは非常に困難であり、上記の機能材料としての応用のためには、低圧での合成法が必要である。



このため1気圧以下の圧力で気相から合成する試みも1970年代から行われてきた(非特許文献1,2)。それらの方法は、二種類に分類される。一つは、10Pa以下の低圧の反応容器内で、ホウ素を電子線加熱蒸着やスパッタリングで基板上に堆積させ、同時に窒素イオンおよびその他のイオンのイオン衝撃を用いる、活性化反応性蒸着法、バイアススパッタリング法、イオンビーム蒸着法等の物理蒸着法(PVD)である。



もう一種類は、プラズマ装置の容器内で気相化学種間または気相化学種と基体間の反応を利用する化学気相析出法(CVD)で、通常気体の分子種が原料として用いられる。ホウ素源としては、ジボラン、三塩化ホウ素等を、窒素源としてはアンモニア、窒素等を、またホウ素、窒素両方を含むものとして、アミノボラン、ボラジン等が用いられる。このCVD法でも、反応室圧力が10-1~10Paの低圧で、気相をプラズマ状態にして負バイアスをかけた基体上にイオンを衝突させることにより、c-BNを得る方法である。



これらの従来のc-BN膜の作成法は、どの作製過程(物理的気相合成法(PVD)、化学的気相合成法(CVD))においても、放電プラズマ中での基体への負バイアス電圧印加、あるいはイオンビーム照射によって、およそ50~1000eVの強いイオン衝撃を基体表面に加えることにより形成される。



本発明者の一人は1999年に、CVD法において、気相中にフッ素あるいはフッ素を含むガス種を導入することにより、従来の方法に比べ、格段に結晶性がよく、残留応力の少ない窒化ホウ素を合成する方法を開発した(特許文献1、非特許文献3)。この方法では、反応室圧力は10-1Pa~10Paの広い圧力範囲を用いることができるが、この方法においても立方晶窒化ホウ素を作るためには、基板に75V~450Vの負バイアスを用いることが必要であった。さらにフッ素を含むECRプラズマを用いてc-BNを作成した報告があるが(非特許文献4)、この場合も45~80Vのイオン衝撃を用いている。

【特許文献1】特開2001-302218(特願2000-348883)

【特許文献2】特開平4-228572

【非特許文献1】P.B.Mirkarimi et al, Mater. Sci. Eng. R21(1997) 45:cBNについてのレビュー

【非特許文献2】T. Yoshida, Diamond Relat. Mater. 5(1996) 501:cBN作成法についてのレビュー

【非特許文献3】S. Matsumoto and W.J. Zhang, Jpn.J.Appl.Phys. 39(2000) L442:フッ素を使ってc-BNを作った最初の論文、-70~-85Vのバイアスを使用

【非特許文献4】C.Y. Chan, W.J. Zhang et al, Diamond Relat.Mater. 12(2003) 1162:ECRプラズマでプラズマ電位を考慮すると-45~-80Vのイオン衝撃

【非特許文献5】K. Teii, R. Yamao, T. Yamamura, S. Matsumoto, J.Appl.Phys. 101(2007) 033301:本発明の方法の一部

産業上の利用分野


本発明は、プラズマ装置の反応容器内において、基体上に窒化ホウ素を堆積させることにより立方晶窒化ホウ素を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
プラズマ装置の反応容器内において、基体上に窒化ホウ素を堆積させることにより立方晶窒化ホウ素を製造する方法であって、フッ素あるいはフッ素を含むガス種を含む気相をプラズマによって活性化し、反応容器壁あるいは反応容器内に設置した参照電極に対し、基体の時間平均電位を同電位あるいは正にバイアスすることにより、立方晶窒化ホウ素を含む窒化ホウ素を堆積させることを特徴とする立方晶窒化ホウ素の製造方法。

【請求項2】
基体に印加する電圧として、直流電圧または直流+高周波を用いる請求項1に記載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。

【請求項3】
基体の時間平均電位をプラズマ電位と同電位あるいは正の電位にすることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の立方晶窒化ホウ素の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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