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立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜よりなる電界電子放出体

国内特許コード P110005978
整理番号 QP070135
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2007-336428
公開番号 特開2009-158345
登録番号 特許第5142702号
出願日 平成19年12月27日(2007.12.27)
公開日 平成21年7月16日(2009.7.16)
登録日 平成24年11月30日(2012.11.30)
発明者
  • 堤井 君元
  • 松本 精一郎
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜よりなる電界電子放出体
発明の概要

【課題】電子放出に適した形状の立方晶窒化ホウ素を含む膜の提供。
【解決手段】高い結晶性と充分な膜厚、密着性と、さらに表面に高密度微細突起を持つ立方晶窒化ホウ素を含む膜を用いた、電子放出に優れた膜と電界電子放出体。特にホウ素、窒素、フッ素を含む分子種から、プラズマを用い窒化ホウ素を析出させる方法を用いて作成した立方晶窒化ホウを含む膜。
【選択図】図5

従来技術、競合技術の概要


電界電子放出材料に求められる性質は、低い放出しきい電界、大きな電流密度、耐熱耐酸化性、高い耐絶縁破壊電圧等である。特に低い放出しきい電界と大きな電流密度を得るには、材料表面に微細突起を多く形成し、電界集中効果を高める必要がある。これらを満足する物質として、(1)チップ形に機械加工されたSiやMo、(2)カーボンナノチューブ、(3)ダイヤモンドなどについての研究がなされてきた。チップ形SiやMoは、材料の性質上、性能が低いことが、カーボンナノチューブにおいては機械的強度が低いこと、放出位置制御が困難なこと、高電流密度での安定性が低いこと等が問題となっている。ダイヤモンドでは耐酸化性が低いこと、十分な性能が得られないこと等が問題となっている。



立方晶窒化ホウ素(以下c-BN)はダイヤモンドと同様の構造と性質を示すが、耐熱耐酸化性において、ダイヤモンドやカーボンナノチューブ等の炭素系材料より優れている。機械的強度はsp結合の窒化ホウ素やカーボンナノチューブより優れている。しかし、電子放出材料としては現在まで、よい特性が報告されていなかった。
この理由は、従来のc-BNの作成法では50 eV以上の高いイオンエネルギーのイオン照射が必須であり、これが著しい結晶性の低下をもたらし、c-BN本来の性質を発揮できなかったことが考えられる。また、高エネルギー照射のため、表面が極めて平坦な膜しか作製出来なかったために、優れた電界放出性能を得るに不可欠な電界集中効果の促進が難しかったことが原因と考えられる。さらに、残留応力が大きく剥離し易いため、厚い膜の作製が困難であることから、電子放出に適した形状に再加工することが出来なかったことも挙げられる。


【非特許文献1】K. Teii, R. Yamao, T. Yamamura, S. Matsumoto, “Synthesis of cubic boron nitride films with mean energies of a few eV ”, J. Appl. Phys. 101 (2007) 033301.

【非特許文献2】R.Z. Wang et al, J. Cryst. Growth 291 (2006) 18.

産業上の利用分野


本発明は、蛍光表示管、液晶のバックライト、各種光源、真空ダイオード、電子銃、高周波管等に利用可能な電界電子放出体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
立方晶窒化ホウ素を主成分とする膜よりなる電界電子放出体であって、電界電子放出体の表面には、ホウ素源、窒素源、およびフッ素あるいはフッ素を含むガス種を含む気相からプラズマを用いて基体上に立方晶窒化ホウ素を析出させて形成した、立方晶窒化ホウ素を主成分とする厚さ1μm以上の膜に対して、気相中あるいは液相中のエッチング処理で形成された高低差があり、10-5~10-1mmの高低差の突起を10~1012cm-2の密度で有することを特徴とする電界電子放出体。

【請求項2】
析出させて形成した膜は、ホウ素源、窒素源、およびフッ素あるいはフッ素を含むガス種を含む気相をプラズマによって活性化し、反応容器壁あるいは反応容器内に設置した参照電極に対し、基体の時間平均電位を同電位あるいは正にバイアスすること、或いはフロート電位にすることにより析出させた立方晶窒化ホウ素の膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の電界電子放出体。

【請求項3】
析出させて形成した膜は、ホウ素源、窒素源、およびフッ素あるいはフッ素を含むガス種を含む気相をプラズマによって活性化し、反応容器壁あるいは反応容器内に設置した参照電極に対し、負にバイアスしつつ、反応ガス圧を高くして実質のイオン衝撃エネルギーを低くすること、或いは、成膜終期に水素供給を停止してエッチングを促すことにより、結晶性を高めて析出させた立方晶窒化ホウ素の膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の電界電子放出体。

【請求項4】
電界電子放出体の表面には結晶粒径が10-5~10-1mmの立方晶窒化ホウ素が露出し、その結晶稜により高低差が形成されてなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電界電子放出体。

【請求項5】
電界電子放出体の表面に露出した立方晶窒化ホウ素が、互いに間隔をもった島状に分布していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電界電子放出体。

【請求項6】
析出させて形成した膜を構成する立方晶窒化ホウ素の光学的縦波モードのフォノンによるラマン散乱、光学的横波モードのフォノンによるラマン散乱のいずれか一方あるいは両方の半値幅が50cm-1以下のピークを示すことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電界電子放出体。

【請求項7】
析出させて形成した膜を構成する立方晶窒化ホウ素のX線回折で(111)、(200)、(220)、(311)の各反射ピークの半値幅が、それぞれ、1.5度以下,2.5度以下,2.5度以下,3度以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電界電子放出体。

【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電界電子放出体が電子放出部材として構成されていることを特徴とする電子放出素子。
産業区分
  • 電子管
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007336428thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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