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ナマコ放卵・放精誘起剤、及びそれを用いたナマコの生産方法

国内特許コード P110005983
整理番号 QP080004
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2008-216517
公開番号 特開2010-053041
登録番号 特許第5401736号
出願日 平成20年8月26日(2008.8.26)
公開日 平成22年3月11日(2010.3.11)
登録日 平成25年11月8日(2013.11.8)
発明者
  • 吉国 通庸
  • 大野 薫
  • 山野 恵祐
  • 藤原 篤志
  • 淡路 雅彦
  • 松本 才絵
出願人
  • 国立大学法人九州大学
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明の名称 ナマコ放卵・放精誘起剤、及びそれを用いたナマコの生産方法
発明の概要 【課題】棘皮動物の放卵・放精誘起剤を提供する。
【解決手段】式:A1-A2-A3-W-A4-Rで表され、かつ放卵活性及び/又は放精活性を有する化合物又はその標識化物(式中:Rは、OH又はNH2であり;A1は、アスパラギン残基、ピログルタミン酸残基又はグルタミン残基であり、好ましくはアスパラギン残基であり;A2は、グリシン残基、アラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、イソロイシン残基であり、好ましくはグリシン残基又はアラニン残基であり、より好ましくはグリシン残基であり、A3は、ロイシン残基又はイソロイシン残基であり;Wは、トリプトファン残基であり;A4は、チロシン残基又はフェニルアラニン残基であり、好ましくはチロシン残基である)。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、中国での乾燥ナマコ需要の増大に対応して、日本からの中国・香港への乾燥ナマコの輸出が急増している。日本国内でのナマコの水揚げ量自体は、わずかに増加しているに過ぎず、また、資源の減少が危惧されている。



マナマコ(Stichopus japonicus)は、県毎に栽培漁業センターなどで種苗の生産が行われ、漁業協同組合などを通して種苗放流が行われている。しかしながら、放流希望種苗数に対して実際の供給種苗数は大きく下回っており、種苗生産効率の上昇が急務となっている。種苗生産の効率を上げるためには、受精卵の生産と稚ナマコの育成の二段階それぞれで生産効率を上げる必要がある。



受精卵の効率的な生産には、確実な採卵・採精を保証する技術が望まれる。しかしながら現在、種苗生産現場で実施されている方法は、産卵期に優良な親個体を入手し、成熟した卵と精子を採取し、人工授精後、受精卵を放流サイズになるまで人工飼育するというものである。成熟した卵と精子を得るには、親個体を紫外線照射した海水、又は加温した海水中に保持し、その刺激によって放卵・放精を促す方法が一般的である。しかし、この方法は、海水の処理設備を必要とし、また間接的な刺激法であるため、放卵・放精の誘導効率が低い上、誘導率(個体数)の予測が不可能であり、採苗計画の設定や採苗作業の効率化に著しい制限を与えている。



そして、優良形質を持つ親個体からの確実な採卵法が無い為に、選抜育種の実施も困難となっている。
一方、無脊椎動物の神経組織から種々のペプチドが単離・精製され、アスパラギン(N)-グリシン(G)-イソロイシン(I)-トリプトファン(W)-チロシン(Y)の5アミノ酸からなり、カルボキシル末端のカルボキシル基がアミド化されているペプチドについて、筋肉等の収縮作用があることが報告されている(非特許文献1)。このペプチドについては、ヒトデの管足の収縮、ナマコ筋肉の収縮、及びナマコ結合組織の硬化の調節作用についての報告もある(非特許文献2~4)。



棘皮動物のイトマキヒトデに関しては、放射神経から精製した生殖腺刺激ホルモンについて検討されている。このヒトデのホルモンは、分子量が4737、アミノ酸数43個のペプチドであり、卵巣や精巣に供与すると、卵や精子が放出されることが報告されている(特許文献1)。
【特許文献1】
WO2006/022343
【非特許文献1】
Muneoka, Y., Morishita, F., Furukawa, Matsushima, O., Kobayashi, M., Ohtani, M., Takahashi, T., Iwakoshi, E., Fujisawa, Yuko. And Minakata, H.: Acta Biologica Hungarica 51 (2-4), 111-132 (2000).
【非特許文献2】
Saha AK, Tamori M, Inoue M, Nakajima Y, Motokawa T.: NGIWYamide-induced contraction of tube feet and distribution of NGIWYamide-like immunoreactivity in nerves of the starfish Asterinapectinifera., Zoological Science, 23, 627-32 (2006).
【非特許文献3】
Inoue, M.: Localization of the neuropeptide NGIWYamide in the holothurian nervous system and its effects on muscular contraction.: Proceedings of the Royal Society of London series B., 266, 993-1000 (1999)
【非特許文献4】
Birenheide R, Tamori M, Motokawa T, Ohtani M, Iwakoshi E, Muneoka Y, Fujita T, Minakata H, Nomoto K.: Peptides controlling stiffness of connective tissue in sea cucumbers., BiologicalBulletin, 194, 253-9 (1998)

産業上の利用分野


本発明は、棘皮動物、特にナマコの、放卵又は放精を誘起するペプチド、及び放卵又は放精を効率的に行う方法に関する。本発明は、ナマコの生産、ナマコの種苗の育成において有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
下式で表され、かつ放卵活性及び/又は放精活性を有する化合物
A1-A2-A3-W-A4-R
(式中:
Rは、OH又はNH2であり;
A1はアスパラギン残基であり;
A2はグリシン残基であり、
A3はロイシン残基又はイソロイシン残基であり;
Wは、トリプトファン残基であり;
A4はチロシン残基である。)
又はその標識化物を含む、ナマコ綱に属する無脊椎動物の放卵・放精誘起剤。

【請求項2】
ナマコ綱に属する無脊椎動物の雄親個体及び/又は雌親個体に対し、請求項1に定義された化合物又はその標識化物を投与する工程を含む、ナマコ綱に属する無脊椎動物の生産方法。

【請求項3】
ナマコ綱に属する無脊椎動物の精巣及び/又は卵巣の、全部又は一部に対して、請求項1に定義された化合物又はその標識化物を供与する工程を含む、ナマコ綱に属する無脊椎動物の生産のための雄親個体及び/又は雌親個体を選別選抜する方法。

【請求項4】
ナマコ綱に属する無脊椎動物の雄親個体及び/又は雌親個体が、請求項3に記載の方法により選抜されたものである、請求項2に記載の生産方法。

【請求項5】
生殖巣が、卵巣であり、雌親個体を選抜し、そして選抜された雌親個体に、請求項1に定義された化合物又はその標識化物を投与するものである、請求項4に記載の生産方法。

【請求項6】
ナマコ綱に属する無脊椎動物の雄親個体又は雌親個体に対して、請求項1に定義された化合物又はその標識化物を投与する工程を含む、ナマコ綱に属する無脊椎動物の放精又は放卵を誘起する方法。

【請求項7】
ナマコ綱に属する無脊椎動物の抽出物から単離する工程を含む、請求項1に定義された化合物又はその標識化物の製造方法。

【請求項8】
下式で表される、ペプチド
NGLWY-R
(式中:Rは、NH2である。)
又はその標識化物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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