TOP > 国内特許検索 > プロラミンの集積に関与する遺伝子及びその利用

プロラミンの集積に関与する遺伝子及びその利用

国内特許コード P110005987
整理番号 QP080071
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2008-290180
公開番号 特開2010-115141
登録番号 特許第5408604号
出願日 平成20年11月12日(2008.11.12)
公開日 平成22年5月27日(2010.5.27)
登録日 平成25年11月15日(2013.11.15)
発明者
  • 熊丸 敏博
  • 牛島 智一
  • 佐藤 光
  • 川越 靖
出願人
  • 国立大学法人九州大学
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 プロラミンの集積に関与する遺伝子及びその利用
発明の概要 【課題】植物種子におけるプロラミン集積性を制御するポリヌクレオチド(Esp1遺伝子)及びそれによりコードされるタンパク質およびプロラミン集積性が制御された植物(好ましくはイネ)の作出方法を提供する。
【解決手段】特定のヌクレオチド配列を有するEsp1遺伝子であって、前記遺伝子はプロラミンの構造遺伝子ではなく、その生合成の過程に関与する遺伝子である。またプロラミン低集積性である系統においては、Esp1遺伝子内においてヌクレオチドの置換が生じる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


イネ種子貯蔵タンパク質プロラミンは、コメの食味や醸造等の加工特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。良食味米や醸造好適米にはプロラミン含量が少ないコメが適しているため、プロラミン含量が低いコメが要求されている。しかし、プロラミン含量の低いイネ品種を選抜し、交雑によって低プロラミン性である品種を育成する試みがなされてきたが、いずれも成功には至っていない。イネゲノム中にはプロラミン構造遺伝子は20個以上存在するため、プロラミン構造遺伝子の機能を消失させることによりプロラミン含量を劇的に減少させることは困難である。



イネにおいて、プロラミンを劇的に減少させる突然変異体esp1 (endosperm storage protein 1)が知られている(非特許文献1)。等電点電気泳動(IEF)による分析から、esp1変異体においては、複数のプロラミンが同時に減少していることが分かっている(非特許文献2、非特許文献3)。そして、Esp1遺伝子はプロラミンの構造遺伝子ではなく、その生合成の過程に関与する遺伝子であることが示唆されている(前掲非特許文献1、前掲非特許文献2)。



さらに、Esp1遺伝子は、第7染色体上に座乗することがトリソミック変異体との交雑後代の分析によって明らかとされ(非特許文献4)、e81.9-8.2(81.9cM)とR2677(83.3cM)の間に位置づけられた(非特許文献5、非特許文献6、前掲非特許文献3)。
【非特許文献1】
Kumamaru et al. TAG 76: 11-16, 1988; Ogawa et al. TAG 78: 305-310, 1989
【非特許文献2】
牛島ら 育種学研究 第4巻 (別1) p66 (2002) 第101回日本育種学会講演会要旨集
【非特許文献3】
牛島ら 育種学研究 第5巻 (別1) p68 (2003) 第103回日本育種学会講演会要旨集
【非特許文献4】
Kumamaru et al. Jpn. J. Genet. 62: 16-22, 1987
【非特許文献5】
熊丸ら 育種学雑誌 第47巻 (別2) p176(1997) 第92回日本育種学会講演会要旨
【非特許文献6】
Ushijima et al. RGP 19: 64, 2002

産業上の利用分野


本発明は、植物の種子における、プロラミンの集積に関与する遺伝子、及びその利用に関する。本発明は、イネの形質転換又は品種育成に特に有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の(a)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(g)のポリヌクレオチド:
(a)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(c)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列において1~9個のヌクレオチドが欠失、置換、付加及び/又は挿入されたヌクレオチド配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(d)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(e)配列番号:18に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号:18に記載のアミノ酸配列において1~9個のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入したアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(g)配列番号:18に記載のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。

【請求項2】
下記の(e’)、(f’)又は(g’)のタンパク質:
(e’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(f’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列において1~9個のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入したアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質;
(g’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質。

【請求項3】
請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子を利用することを特徴とする、種子におけるプロラミン集積が制御された植物の生産方法。

【請求項4】
請求項3に記載の方法であって:
請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子を利用することが、該遺伝子を機能可能に有することによりプロラミン蓄積性である植物において、該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させることであるか、又は該遺伝子を機能可能に有さないことによりにプロラミン低集積性である植物において、該ポリヌクレオチドを機能可能に導入することである、方法。

【請求項5】
請求項4に記載の方法であって:
該遺伝子を利用することが、該遺伝子を機能可能に有することによりプロラミン蓄積性である植物において、該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させることであり;
このとき該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させるための手段が、請求項1に記載のポリヌクレオチドにおいて、1~9個のヌクレオチドを欠失、置換、付加及び/又は挿入することである、方法。

【請求項6】
請求項5に記載の方法であって:
請求項1に記載のポリヌクレオチドにおいて、1~9個のヌクレオチドを欠失、置換、付加及び/又は挿入することにより生じたヌクレオチドが、下記の(h)、(i)、(j)又は(k)である、方法:
(h)配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
(i)配列番号:17に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
(j)配列番号:19に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(k)配列番号:20に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。

【請求項7】
請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子、又はその機能を低下若しくは喪失したその変異遺伝子を検出する工程を含む、プロラミン蓄積性に関する望ましい性質を有する植物の生産方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
上記の特許・技術に関心のある方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close