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誘電体構造体、及びその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P110006014
整理番号 K035P04
掲載日 2011年11月28日
出願番号 特願2010-108684
公開番号 特開2011-238766
登録番号 特許第5686366号
出願日 平成22年5月10日(2010.5.10)
公開日 平成23年11月24日(2011.11.24)
登録日 平成27年1月30日(2015.1.30)
発明者
  • 一木 正聡
  • 須賀 唯知
  • 飯村 慶太
  • 細野 智史
  • 伊藤 寿浩
  • 前田 龍太郎
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明の名称 誘電体構造体、及びその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】非耐熱性基板上に誘電体を形成するための、耐熱基板上に形成された誘電体構造と、その誘電体膜の非耐熱性基板上への剥離転移プロセスを提供する。
【解決手段】第1基板5と、第1基板5上に形成された酸化膜4と第1電極層3と、第1電極層3上に形成された誘電体層2と、を有する誘電体構造体1において、第1基板5と第1電極層3との間に、第1基板5上の少なくとも一部を覆うように形成されたTi等による結合層6を有する。形成後の誘電体内の残留応力に応じて、界面の機械特性を最適化することで、誘電体層2および電極層3が、形成過程では、耐熱性基板から剥離せず、転移過程において、剥離するような界面の剥離特性を得ることができる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


誘電体は、強誘電性、誘電性、焦電性、圧電性、電気光学性、光起電力性、電歪、光歪等の有用な特性を有しており、コンデンサやメモリ等の電子デバイス、センサやアクチュエータ等の駆動及び検知デバイス、光スイッチ、SHG(第2高調波)素子、光導波路等の光デバイスに用いられている。
このような小型デバイスへの応用に際しては、基板等への集積及び実装を容易にするために、バルク単結晶やセラミックスではなく、基板上に成膜した膜構造体として用いることが望ましい。特に、強誘電体構造体は、電気機械結合定数が高く、また入出力特性の線形性により、消費電力が小さく、熱的な影響が小さいため小型化に適した駆動・検知方式が実現可能であり、これらの材料をMEMS等の小型デバイスの構成要素として適用する利点は多い。



従来このような誘電体膜は、例えば、ゾルゲル法、MOD法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、レーザ蒸着法、MOCVD法、CVD法等によって作製されていた。この際、成膜基板として主として用いられてきたのは、シリコン若しくはシリコン上に酸化膜や下地電極等を形成したもの、又は酸化マグネシウムやサファイア等の耐熱性の基板材料であった。特に電気・機械特性を有する誘電体膜はこのような耐熱性の基板上に形成されていた。



しかしながら、特許文献1で得られる有機・無機酸化物混合体薄膜の比誘電率はせいぜい50程度である。また、この薄膜を得る方法では形成過程における体積収縮が大きく、膜厚等の寸法の制御が困難であり、表面の凹凸も他の薄膜形成技術に比べて大きい。
また、特許文献2で得られる回路基板においては、成膜を安定して持続させるための技術開発が必要であり、また、微粒子汚染問題の対処が付加的に必要になる。さらに微粒子のアンカーリングによる基板の損傷に関しても課題が残っており、また、この回路基板を得る手法では、焼成した微粒子を用いるために、形成される誘電体膜はランダム配向膜となり、最高レベルの誘電体性能を実現することは難しい。
また、特許文献3の方法で得られる誘電体の比誘電率も50程度であり、高い誘電率の膜を作製することは実現されていない。また、特許文献1の手法と同様に寸法制御と表面凹凸の発生に関して課題が残っている。さらに、この手法による転写方法は、誘電体ペーストを用いる方法であり、薄膜技術を用いる方法による作製されたものより1桁以下小さな比誘電率のものしか実現することができない。
また、非特許文献1の方法では、焼成時に1200℃程度の高温プロセスが必要であり、また特殊なレーザ装置や技術が必要であることから、より簡素な技術開発が必要とされる。



一方、携帯電話に代表される小型電子機器における小型化への技術革新競争において、低コスト化・軽量化・高成形性等の優位性を確保するために、今後はシリコン基板に加えて樹脂製のプリント基板材料も広く用いられることが予想される。
一般的に電子回路プリント基板上に占める面積のうち、40~50%がコンデンサや抵抗といった受動素子が占めている。従って、半導体LSI技術の微細化が進む中、プリント基板上のこれらの受動素子の占有面積の減少が求められている。



そこで、電子部品を、基板表面に搭載するのではなく、基板内に、3次元的に内蔵し実装する、部品内蔵基板技術が開発されてきた。この技術により、基板表面上に形成されていたコンデンサ等の受動素子をなくすことができ、その上、プリント基板上の受動際素子の実質上の占有面積を減らすことができる。
しかし、通常、誘電体薄膜の結晶化には600℃以上での熱処理が必要であるが、プリント基板に使用されるエポキシ樹脂等は、いわゆる低融点材料であり、その耐熱温度は400℃程度にとどまる。したがって、エポキシ樹脂等のプリント基板上に良好な誘電体薄膜をモノリシックに形成することが困難であった。



そこで、高い電気・機械特性を持つ誘電体膜を、プリント基板や樹脂基板上に形成するために、特許文献4においては、まず誘電体膜12を耐熱性基板上14に形成した後に、この誘電体膜12を非耐熱性基板上16に転写する技術が提案された(図1)。ここでは、誘電体膜を形成する耐熱性基板14上の下地電極にあらかじめ剥離性の高い積層構造13を導入しておいて転写することにより、低コストで高誘電率を有し、しかも所要の場所に無駄なく形成することのできる、誘電体構造体11、誘電体構造の製造方法、圧着転写方法、及び保持構造が提案された。(特許文献4)



誘電体の中でも、これまで最も有望な誘電体として研究開発が進められてきた材料としてPZTが挙げられる。しかし、国際的な環境問題の意識の高まりや規制政策の推進により、PZTを代表とする鉛を含有する材料は、非鉛含有(鉛フリー)材料による置換が求められてきている。

産業上の利用分野


本発明は、電子機器、MEMS(Micro Electro Mechanical System)その他の電子回路構造に使用される電子材料膜の剥離転移プロセス用の電子材料構造体およびその剥離転移プロセスに関するものである。
より詳細には、本発明は、非耐熱性基板上に誘電体を形成するための、耐熱基板上に形成された誘電体構造と、その誘電体膜の非耐熱性基板上への剥離転移プロセスに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板上に形成された第1電極層と、
前記第1電極層上に形成された誘電体層と、
を有する誘電体構造体において、
前記第1基板は、酸化膜が表面に形成されたSi基板であり、
前記第1電極層の材料は、スパッタ蒸着により形成されたPtであり、
前記第1電極層の厚さは、100nm以上であり、
前記第1基板と前記第1電極層との間に、前記第1基板上の一部を覆うように前記第1基板の縁に沿って且つ該基板の中央部にはなく形成された結合層を有し、
該結合層が形成された前記第1基板上の前記一部は、前記第1基板の面積の50%以上を占める
ことを特徴とする誘電体構造体。

【請求項2】
前記誘電体層の材料は、BaTiO3である
ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体構造体。

【請求項3】
前記結合層の材料は、Tiである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体構造体。

【請求項4】
酸化膜が表面に形成されたSi基板からなる第1基板上に、前記第1基板上の一部であり且つ前記第1基板の面積の50%以上を覆うように前記第1基板の縁に沿って且つ該基板の中央部にはなく結合層を形成する工程と、
前記第1基板上と、前記結合層上とに、スパッタ蒸着により100nm以上のPtの第1電極層を形成する工程と、
前記第1電極層上に、誘電体層を形成する工程と、
を有する誘電体構造体の製造方法。

【請求項5】
請求項4に記載の製造方法により形成された前記誘電体構造体に、第2基板を接合する工程と、
その後、前記第1基板から前記第1電極層を剥離する工程と、
を有する前記第2基板上に誘電体構造体を製造する方法。

【請求項6】
前記第1基板から前記第1電極層を剥離する工程の前に、
前記誘電体層上または前記第2基板上に第2電極層を形成する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010108684thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ ナノシステムと機能創発 領域
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