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コーヒー粕あるいは茶殻を原料とした還元力を備えた水溶性鉄供給剤

国内特許コード P110006016
掲載日 2011年11月29日
出願番号 特願2010-080614
公開番号 特開2011-211913
登録番号 特許第5804454号
出願日 平成22年3月31日(2010.3.31)
公開日 平成23年10月27日(2011.10.27)
登録日 平成27年9月11日(2015.9.11)
発明者
  • 森川 クラウジオ 健治
  • 篠原 信
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 コーヒー粕あるいは茶殻を原料とした還元力を備えた水溶性鉄供給剤
発明の概要 【課題】 天然物由来の原料を用いて、鉄イオンが不溶化しやすいアルカリ条件においても水溶性の鉄イオンを長期間安定供給できる鉄供給剤を製造すること、および、人体の摂取に安全な原料のみを用いて、水溶性の鉄イオンを供給できる鉄供給剤を製造することを課題とする。また、三価の鉄を鉄供給原料に用いて、水溶性の鉄イオン(特に二価の鉄イオン)を供給できる鉄供給剤を製造することを課題とする。
【解決手段】 コーヒー豆の粉砕焙煎物および/または茶葉を金属イオン可溶化成分の供給原料として用い、当該金属イオン可溶化成分の供給原料と三価の鉄を含む鉄供給原料とを、水存在下で混合し、得られた反応生成物を有効成分として含有してなる水溶性鉄供給剤、;即ち、三価鉄を二価の鉄イオンに還元して維持し、水溶性の鉄イオン(二価鉄イオン)を長期間安定して供給できる水溶性鉄供給剤、;を提供する。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


鉄は、植物にとって必須の肥料成分であり、不足すると生育が大幅に悪化する。しかし、世界の陸地の3分の1はアルカリ土壌であり、鉄欠乏が発生しやすくほとんどが耕作不適地となっている。
そこで、これを補う資材として、キレート鉄(鉄イオンを複数の配位で錯体として維持した化合物)を有効成分とする鉄供給剤が開発されている。
例えば、強力な鉄キレート作用を有するEDTAなどを利用した鉄供給剤が知られているが(非特許文献1参照)。しかし、アルカリ条件下では、これらの鉄供給剤は短時日でキレート能を失い、鉄分を安定供給することができない。さらに、これらの物質は、天然物質ではないため、有機農業では使用できない。
また、天然物由来の有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、乳酸などのキレート鉄を利用した鉄供給剤も知られている(特許文献1参照)。しかし、これら有機酸のキレート鉄は、キレート能が弱く、アルカリ土壌だと容易にキレート能を失うため鉄が速やかに不溶化してしまい、鉄分を安定供給することができない。
このように、アルカリ土壌におけるアルカリ条件下では、キレート効果が失われ、キレート剤から脱離した鉄イオンが不溶化してしまうことで、作物が吸収しにくい形態となってしまう。



このため、アルカリ土壌での有機農業を実現するには、天然物由来であり、低コストで、且つ、アルカリ条件下においても水溶性の鉄イオンを長期安定維持可能な鉄供給剤の開発が必須である。しかし、これまでそのようなものは存在せず、アルカリ土壌では有機農業は断念せざるを得ない状況であった。



また、鉄は、植物にとってだけでなく人体においても重要な金属元素である。例えば、鉄分の不足を経口摂取によって補うことにより、鉄欠乏性貧血、異食症などに有効な症状の改善が認められる。
しかし、食品・医薬の分野においては、人体の摂取に安全な原料のみを用いて、可溶化した鉄分(特に二価の鉄イオン)を安定して供給できる鉄供給剤は、高価な製法によるものであり、極めて安価に優れた鉄供給剤を製造する技術が求められていた。

産業上の利用分野


本発明は、コーヒー豆の焙煎粉砕物(特にコーヒー粕)や茶葉(特に茶殻)を金属イオン可溶化成分の供給原料として用い、当該金属イオン可溶化成分の供給原料と三価の鉄を含む鉄供給原料とを、水存在下で混合し、得られた反応生成物を有効成分として含有してなる水溶性鉄供給剤に関する。詳しくは、三価鉄を二価の鉄イオンに還元して維持し、水溶性の鉄イオン(二価鉄イオン)を長期間安定して供給できる水溶性鉄供給剤に関する。
また、本発明は、植物栽培(特に水耕栽培やアルカリ土壌での栽培)において、水溶性の鉄イオンの長期安定供給が可能な植物栽培用鉄供給剤に関する。また、本発明は、食品及び医薬用途において、経口摂取によって水溶性の鉄イオンの供給が可能な鉄供給剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コーヒー豆の粉砕焙煎物および/または茶葉を金属イオン可溶化成分の供給原料として用い、当該金属イオン可溶化成分の供給原料と三価の鉄を含む鉄供給原料とを、前記金属イオン可溶化成分の供給原料の乾燥物100重量部に対して、鉄元素が0.1~10重量部含有するように、水存在下で混合し、得られた反応生成物を有効成分として含有してなる二価鉄イオン供給剤。

【請求項2】
前記金属イオン可溶化成分の供給原料がコーヒー粕である、請求項1記載の二価鉄イオン供給剤。

【請求項3】
前記金属イオン可溶化成分の供給原料が茶殻である、請求項1記載の二価鉄イオン供給剤。

【請求項4】
前記鉄供給原料が三価の鉄イオンを生ずる化合物である、請求項1~3のいずれかに記載の二価鉄イオン供給剤。

【請求項5】
前記鉄供給原料が土壌であり、且つ、前記混合が40~200℃で行うものである、請求項1~3のいずれかに記載の二価鉄イオン供給剤。

【請求項6】
前記二価鉄イオン供給剤が植物栽培用である、請求項1~のいずれかに記載の二価鉄イオン供給剤。

【請求項7】
請求項に記載の二価鉄イオン供給剤を、アルカリ土壌に含有させることを特徴とする、植物栽培方法。

【請求項8】
前記二価鉄イオン供給剤が経口摂取用である、請求項1~のいずれかに記載の水溶性鉄供給剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010080614thum.jpg
出願権利状態 登録


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