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強誘電体の脱分極方法、および強誘電体デバイス コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110006082
掲載日 2011年12月14日
出願番号 特願2010-118656
公開番号 特開2011-249421
登録番号 特許第5667787号
出願日 平成22年5月24日(2010.5.24)
公開日 平成23年12月8日(2011.12.8)
登録日 平成26年12月19日(2014.12.19)
発明者
  • 油谷 英明
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 強誘電体の脱分極方法、および強誘電体デバイス コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】電圧印加による、効率的かつ効果的な、強誘電体の脱分極方法を提供し、さらに前記脱分極法による、多機能化・高機能化された強誘電体デバイスを提供すること。
【解決手段】分極処理された強誘電体に、電圧を印加して分極反転を行う。該分極反転中の前記強誘電体の圧電性のレベルを検出し、該圧電性のレベルの最小値に基づき、圧電性の目標消失レベル値を設定する。前記強誘電体の分極反転中に、前記圧電性のレベルが、前記目標消失レベル値以下に達した時に、前記分極反転を行なうための電圧印加を停止することで、前記強誘電体を脱分極処理する。前記脱分極処理により、強誘電体デバイスは、強誘電体材料の分極状態の残留歪と、圧電歪と、誘電率と、分極値と、弾性率とに加え、脱分極状態の圧電歪と、誘電率と、分極値と、弾性率とを備える。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


強誘電体は自発分極方向が同じとなる分域を有し、外部電界印加により、該分域の構造が変化する。この反転可能な自発分極の存在により、強誘電体は高い誘電率と、焦電性と、圧電性と、残留分極とを有する。強誘電体が圧電性を得るためには、前記分極を電界印加方向に優勢的に配向させる、分極処理が必要であり、通常、高電界の印加を行う。



電界(E)に対する分極(P)と電界誘起歪(ΔL/L)の関係を、図1の強誘電体の概念図に示す。分極処理前の未分極状態では強誘電体に電界誘起歪は発生ぜず、ある閾値電界以上で分域が電界方向にそろいはじめ、自発分極と、電界誘起歪とが検出される。分極方向と印加電界方向が同じである場合には、電界誘起歪と分極とは印加電界とともに増大するが、分極方向と印加電界方向が逆である場合には、歪と分極とは電界とともに減少するが、途中の抗電界(Ec)で反転が生じ、P-Eヒステリシス曲線とバタフライ形の電界誘起歪曲線とが得られる。分極処理後の強誘電体は、電界印加方向に優勢的分極成分を有するために、図1に示すように、残留分極と残留歪が生じる。分極処理した強誘電体圧の電界誘起歪は、圧電歪と呼ばれ、外部電界を取り除いた場合は、圧電歪は残留歪点に戻るために、強誘電体の歪を保持するためには、電圧印加を続けなくてはならず、消費電力の増大が問題となっている。



前述の歪保持における消費電力量の問題に対し、強誘電体に状態保持のメモリ機能を付与する電界インプリント方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、前記電界インプリント方法では、強誘電体の100℃以上の昇温加熱処理と、1時間以上の高電界印加工程とが必要なために、該工程中における強誘電体へのダメージの発生が問題となる。



また、前述の歪保持における消費電力量の問題に対し、強誘電体の分極処理前後に発生する、残留歪の繰り返し利用が考えられるが、この場合では、分極処理後の強誘電体を未分極状態にする、脱分極処理(あるいは、「消分極処理」と呼ばれるが、以下、「脱分極処理」を使用する)が必要となる。前記脱分極処理には、強誘電体を脱分極温度(Td)以上に加熱する熱的脱分極方法のほか、強磁性体の消磁処理と同様に、振幅を下げながら双極性パルスないし、交流電圧を印加する電気的脱分極方法が提案されている。(特許文献2、非特許文献1)



しかしながら、前記熱的脱分極方法では、強誘電体デバイスの昇温加熱ユニットによる構造の複雑化と、消費電力の増大と、排熱処理との問題が生じる。さらに、前記電気的脱分極方法では、電圧印加による強誘電体の分極反転回数の増大のために、該強誘電体へのダメージの加速と、消費電力増大とのデメリットが生じる。そのため、前記熱的脱分極方法と、前記電気的脱分極方法とは殆ど実際的ではなく、強誘電体デバイスにおいて、分極処理後の強誘電体の圧電歪と、誘電率と、分極状態と、弾性率とが利用されている。ここで、強誘電体デバイスとは、強誘電体を応用したすべてのデバイスのことをいい、圧電デバイスと、焦電性デバイスと、容量性強誘電体デバイスと、強誘電体メモリデバイスとを含む。

産業上の利用分野


本発明は、強誘電体デバイスに使用される、分極処理された強誘電体を脱分極する方法、特に外部印加電界による脱分極方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
自発分極を示す分極処理が行われた分極処理強誘電体の脱分極方法であって
前記分極処理強誘電体の初期状態における、C/Nの単位系で定義される圧電性レベルを測定する、初期圧電性レベル測定工程と
前記分極処理強誘電体の自発分極が残らない状態の指標である、前記分極処理強誘電体の圧電性レベルの目標消失レベル値を設定する設定工程と、
前記分極処理強誘電体に、自発分極方向と逆向きの電界を印加する電界印加工程と
前記電界印加工程中における、前記分極処理強誘電体の分域構造の分極を反転させる分域反転中における、前記分極処理強誘電体全体の印加中圧電性レベルを測定する、印加中圧電性レベル測定工程と
前記分域反転中における前記印加中圧電性レベルが、前記目標消失レベル値以下であるかを判定する判定工程と
前記判定工程において、前記印加中圧電性レベルが、前記目標消失レベル値以下である場合に、前記電界印加工程での電界印加を停止する停止工程と、を備える、分極処理強誘電体の脱分極方法

【請求項2】
前記判定工程において、前記分域反転中における前記印加中圧電性レベルが、前記目標消失レベル値以上である場合に、
前記印加中圧電性レベルが、所定の最低値を示した後において、
前記電界印加工程を停止する停止工程と、を更に備える、請求項1記載の分極処理強誘電体の脱分極方法。

【請求項3】
前記判定工程において、前記分域反転中における前記印加中圧電性レベルが、前記目標消失レベル値以上である場合に、
前記印加中圧電性レベルが、所定の最低値を示した後において、
前記電界印加工程と逆極性である逆電界を印加する逆電界印加工程と、を、更に備える請求項1記載の分極処理強誘電体の脱分極方法。

【請求項4】
前記逆電界印加工程において、前記印加中圧電性レベルが、前記目標消失レベル値以下である場合に、前記逆電界印加工程での前記逆電界印加を停止する停止工程と、を備える、請求項3記載の分極処理強誘電体の脱分極方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2010118656thum.jpg
出願権利状態 登録


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