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MRI造影能を有する重合体-金属錯体複合体、並びにそれを用いたMRI造影用及び/又は抗腫瘍用組成物

国内特許コード P110006153
整理番号 AF12P017
掲載日 2011年12月19日
出願番号 特願2010-518083
登録番号 特許第5651468号
出願日 平成21年6月26日(2009.6.26)
登録日 平成26年11月21日(2014.11.21)
国際出願番号 JP2009061772
国際公開番号 WO2009157561
国際出願日 平成21年6月26日(2009.6.26)
国際公開日 平成21年12月30日(2009.12.30)
優先権データ
  • 特願2008-167823 (2008.6.26) JP
発明者
  • 片岡 一則
  • 貝田 佐知子
  • カブラル オラシオ
  • 熊谷 康顕
  • 関野 正樹
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 MRI造影能を有する重合体-金属錯体複合体、並びにそれを用いたMRI造影用及び/又は抗腫瘍用組成物
発明の概要 高分子ミセルの構成成分となり得るブロック共重合体と、MRI造影能を有する金属錯体とを含んでなり、腫瘍特異的に集積し、少ない使用量で造影コントラストが高く、しかも副作用が低減され且つ長期間の血中滞留性を有する、重合体-金属錯体複合体を提供する。
本発明の重合体-金属錯体複合体は、一般式(a)で示されるブロック共重合体(A)と、MRI造影能を有する金属錯体(B)とを含んでなる重合体-金属錯体複合体であって、共重合体(A)中のポリ(carbo)のカルボキシルアニオンと、金属錯体(B)とが、金属原子(M)を介して結合した構造を含むものである。
従来技術、競合技術の概要


癌の累積罹患率、死亡率が増加の一途をたどる中、あらゆる部位において癌の早期発見は命題といえる。早期発見によって治療時の侵襲も低くなるほか、完治も期待できる。それぞれの癌によって早期治療のプロトコールは確立されており、簡便かつ診断能の高い技術が必要とされている。また、既に進行癌の診断が下された患者に対しては、遠隔転移の有無を的確に診断することは病期(ステージ)の決定、その後の治療方針の決定に非常に重要である。癌の治療には外科治療、放射線療法、化学療法が挙げられるが、外科治療に際しては転移病巣の的確な切除、あるいは焼灼を行うことで癌の根治が期待できる。また放射線療法でも腫瘍の部位を正確に判定し、重点的に照射を行うことで健常部位への照射を防ぎ、副作用を軽減することができる。これらの意味でもあらゆるステージでの癌患者にとって、癌の正確な部位診断を行うことは非常に大きなメリットがある。



悪性腫瘍の画像診断法の代表例としては、X線CT、超音波、核磁気共鳴映像法(MRI)が挙げられる。これらの検査は普及率が高く、各々、利点と欠点を併せ持つ。中でも、MRIは、放射線被爆がなく、客観性及び再現性が高いという利点を有する方法である。しかしながら、MRIは、そのハードウェアのみでは小さな腫瘍の同定が困難であった。
このような欠点を補うために、腫瘍組織とその周囲組織とのコントラストを高めるための様々な造影剤が開発され、実用化されている。代表的な造影剤としては、Gd-DTPA(ガドリニウム-ジエチレントリアミン五酢酸)等の金属錯体が挙げられるが、Gd-DTPAはキレート化してその副作用はフリーのGdよりも軽減されてはいるものの、肝毒性や腎毒性等の副作用が存在する。さらにGd-DTPAは部位特異性に欠け、経静脈投与により、速やかに各臓器及び筋肉内に拡散するため、投与から撮影までの時間に制限が生じるほか、腫瘍とそれ以外の組織とのコントラストを明確にするために多量の造影剤を投与する必要があった。



そのため、腫瘍に特異的に集積し、少ない使用量でコントラストが高く、しかも副作用が少なく安全でかつ長期間の血中滞留性を有する造影剤の開発が望まれている。
腫瘍組織においては、正常組織に比べて新生血管の増生と血管壁の著しい透過性亢進がみられること、またリンパ系が未発達であるということ等の特性により、高分子量の物質でも血中から組織に移行させることができ、かつ移行後は当該組織から排出されにくい。そのため、結果的に、高分子化合物やナノサイズの粒子が腫瘍組織内に集積しやすいという、いわゆるEPR効果により、抗癌剤等の各種を内包したリポソームや高分子ミセルのようなナノサイズの粒子が、腫瘍組織に集積することが知られている(特許文献1参照)。
ところで、コア部分にGd錯体を内包する高分子ミセルは、これまでにも開発されている(特許文献2参照)。しかしながら、当該ミセルにおいては、Gd錯体がミセルを構成するブロック共重合体と直接結合して固定されているため、Gdの緩和能(造影剤の感度)が抑制され、また腫瘍組織から排出されにくく肝毒性や腎毒性等の副作用の問題が懸念されていた。

産業上の利用分野


本発明は、ブロック共重合体とMRI造影能を有する金属錯体との複合体、並びに該複合体を含むMRI造影用組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(a):
ポリ(hph)-block-ポリ(carbo) (a)
〔式(a)中、ポリ(hph)は非荷電性親水性のポリマー鎖セグメントを表し、ポリ(carbo)は側鎖にカルボキシル基を有するポリマー鎖セグメントを表す。〕
で示されるブロック共重合体中のポリ(carbo)のカルボキシルアニオンの少なくとも一部と、下記一般式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)及び(18):
【化1】


【化2】


【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


【化7】


【化8】


〔式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)及び(18)中、Mは白金、銅、金又は鉄の金属原子を表し、M1はガドリニウム、ユーロピウム、マンガン、鉄又は銅の金属原子を表す。〕で示される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基とが結合した構造を含むものである、
重合体-金属錯体複合体。

【請求項2】
ポリ(hph)が、ポリエチレングリコール、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-イソプロピル-2-オキサゾリン)、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル及びポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)からなる群より選ばれる親水性ポリマーに由来するものである、請求項1記載の複合体。

【請求項3】
ポリ(carbo)が、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)及びポリ(リンゴ酸)からなる群より選ばれるアニオン性ポリマーに由来するものである、請求項1又は2記載の複合体。

【請求項4】
下記一般式(1)又は(2)で示されるものである、請求項1記載の複合体。
【化9】


〔式(1)及び(2)中、R1は水素原子又は未置換若しくは置換された直鎖若しくは分枝のC1-12アルキル基を表し、L1及びL2は連結基を表し、R2はそれぞれ独立してメチレン基又はエチレン基を表し、R3はそれぞれ独立して水素原子、アミノ基の保護基、疎水性基又は重合性基を表し、R4はヒドロキシル基又は開始剤残基を表し、R5はそれぞれ独立して水素原子、アルカリ金属のイオン、又は下記一般式(3)若しくは(4):
【化10】


(式(3)及び(4)中、R6、それぞれ独立して、下記一般式(5)又は(6):
【化11】


〔式(5)及び(6)中、Mは白金、銅、金又は鉄の金属原子を表す。〕
で示される基を表し、R7、それぞれ独立して、下記一般式(7)、(8)、(9)又は(10):
【化12】


【化13】


【化14】


【化15】


〔式(7)、(8)、(9)及び(10)中、M1はガドリニウム、ユーロピウム、マンガン、鉄又は銅の金属原子を表す。〕
で示される基を表す。)
で示される基を表し(但し、R5は前記一般式(3)で示される基を少なくとも一部に含む。)、mは5~20,000の整数であり、nは2~5,000の整数であり、xは0~5,000の整数(但し、x≦n)である。〕

【請求項5】
下記一般式(1-a)又は(2-a)で示されるものである、請求項記載の複合体。
【化16】


〔式(1-a)及び(2-a)中、R1、R2、R3、R4、R5、L1、L2、m及びnいずれも前記一般式(1)又は(2)と同様である。〕

【請求項6】
R6が、それぞれ独立して、下記式(5-a)又は(6-a)で示される基である、請求項4又は5記載の複合体。
【化17】



【請求項7】
R7が、それぞれ独立して、下記式(7-a)、(8-a)、(9-a)又は(10-a)で示される基である、請求項のいずれか1項に記載の複合体。
【化18】


【化19】


【化20】


【化21】



【請求項8】
前記一般式(3)で示される基が、それぞれ独立して、下記一般式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)又は(18)で示される基である、請求項4又は5記載の複合体。
【化22】


【化23】


【化24】


【化25】


【化26】


【化27】


【化28】


【化29】


〔式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)及び(18)中、Mは白金、銅、金又は鉄の金属原子を表し、M1はガドリニウム、ユーロピウム、マンガン、鉄又は銅の金属原子を表す。〕

【請求項9】
前記一般式(3)で示される基が、それぞれ独立して、下記式(11-a)、(12-a)、(13-a)、(14-a)、(15-a)、(16-a)、(17-a)又は(18-a)で示される基である、請求項又は記載の複合体。
【化30】


【化31】


【化32】


【化33】


【化34】


【化35】


【化36】


【化37】



【請求項10】
前記ポリ(hph)及び前記ポリ(carbo)のセグメントをそれぞれシェル部分及びコア部分として形成されたミセル状粒子形態ある、請求項1~のいずれか1項に記載の複合体。

【請求項11】
水性媒体中における動的光散乱法により測定した平均分散粒子径が10nm~1μmである、請求項10記載の複合体。

【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の複合体を含むことを特徴とする、MRI造影用及び/又は抗腫瘍用組成物。

【請求項13】
被験動物の体内に請求項1~11のいずれか1項に記載の複合体を投与することを特徴とする、腫瘍検出用MRI造影方法。

【請求項14】
請求項1~11のいずれか1項に記載の複合体を含むことを特徴とする、MRI造影用及び/又は抗腫瘍用キット。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST ナノ科学を基盤とした革新的製造技術の創成 領域
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