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電動機制御方法及び電動機制御装置 コモンズ

国内特許コード P110006163
掲載日 2011年12月19日
出願番号 特願2008-085773
公開番号 特開2009-240122
登録番号 特許第4903740号
出願日 平成20年3月28日(2008.3.28)
公開日 平成21年10月15日(2009.10.15)
登録日 平成24年1月13日(2012.1.13)
発明者
  • 山下 道寛
  • 前橋 栄一
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 電動機制御方法及び電動機制御装置 コモンズ
発明の概要

【課題】空転滑走時の連れ回りに対する全く新しい制御方式による解決手法を提案すること。
【解決手段】 力行時には、制御対象2軸のうち、進行方向最後方の第2軸の電動機IM_2のトルク成分電流から、進行方向最前方の第1軸の電動機IM_1のトルク成分電流を減算した電流差ΔIq_rを用いた制御を行う。具体的には、空転滑走の発生を検知した場合に、その検知時の電流差ΔIq_rを保持し、これに所定の係数Kを乗じた値を連れ回り防止引き下げ指令Iq_Rとして、トルク成分電流指令値Iqからの引き下げ指令とする。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


電気車の電動機の制御として、給電ラインに並列接続された複数の電動機を一括してベクトル制御する技術が知られている。複数電動機の一括制御では、各電動機の回転子速度(回転子角周波数でもよい。)やインバータ出力電流のフィードバック値をもとに制御されるのが一般的であった。これは、粘着走行時(平常時)には、各電動機の回転子速度や流入電流はほぼ同じ値を取り、各電動機トルクはほぼ同値となるためである。



また、電動機が並列接続された給電ラインの給電電流(インバータ出力電流)は、各電動機の流入電流の合計でなる。従って、粘着走行時(平常時)においては、各電動機の電流は略均等であるが、空転/滑走時には各電動機の負荷がアンバランスになる。具体的に説明する。ベクトル制御においては、インバータ出力電流である給電電流すなわち総電流ベクトルIを制御対象として、振幅(ベクトルIの長さ)、及び磁束成分とトルク成分とが制御される。例えば1C2M制御であれば、2台の電動機に入力される電流ベクトルは、総電流ベクトルIの約1/2ずつであり、磁束成分及びトルク成分の値はそれぞれの電動機間で略同値である。しかし、一方の電動機で空転又は滑走(以下包括的に「空転滑走」という。)が発生すると、その一方の電動機の負荷トルクが減少する。すると、減少した負荷トルク分のトルクを下げるように空転滑走した電動機のトルク成分電流が減少する。このトルク成分電流の減少分は、空転滑走していない電動機の増加分として配分される。総電流ベクトルIが一定に制御されているためである。



そして、この現象を放置した場合、空転滑走していない電動機に過度のトルクがかかり、空転滑走が誘発(連れ回りが発生)され得る。即ち、空転滑走した軸の影響により他軸が連れ回り、全軸空転滑走が生じ得る。かかる問題点は例えば特許文献1にも記載されている通りである。

【特許文献1】特開2002-112404号公報

産業上の利用分野


本発明は、給電ラインに並列接続された電気車を駆動するn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御方法であって、
n軸のうちの進行方向最前方の軸を除く何れかの軸を基準軸とし、進行方向最前方の軸を監視軸として、前記基準軸と前記監視軸それぞれの電動機のトルク成分電流を検出することと、
力行時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸と前記監視軸それぞれのトルク成分電流の差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成し、該生成した連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行うことと、
を含む電動機制御方法。

【請求項2】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御方法であって、
n軸のうちの進行方向最後方の軸を除く何れかの軸を基準軸とし、進行方向最後方の軸を監視軸として、前記基準軸と前記監視軸それぞれの電動機のトルク成分電流を検出することと、
制動時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸と前記監視軸それぞれのトルク成分電流の差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成し、該生成した連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行うことと、
を含む電動機制御方法。

【請求項3】
前記監視軸の空転滑走の発生を検出し、該検出時の前記トルク成分電流の差を保持し、該保持したトルク成分電流の差に基づいて当該検出後の前記連れ回り防止引き下げ指令を生成する請求項1又は2に記載の電動機制御方法。

【請求項4】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御方法であって、
n軸のうちの進行方向最前方の軸を除く何れかの軸を基準軸とし、進行方向最前方の軸を監視軸として、前記基準軸と前記監視軸それぞれの回転速度を検出することと、
力行時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸と前記監視軸それぞれの回転速度の速度差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成し、該生成した連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行うことと、
を含む電動機制御方法。

【請求項5】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御方法であって、
n軸のうちの進行方向最後方の軸を除く何れかの軸を基準軸とし、進行方向最後方の軸を監視軸として、前記基準軸と前記監視軸それぞれの回転速度を検出することと、
制動時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸と前記監視軸それぞれの回転速度の速度差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成し、該生成した連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行うことと、
を含む電動機制御方法。

【請求項6】
前記監視軸の空転滑走の発生を検出し、該検出時の前記速度差を保持し、該保持した速度差に基づいて当該検出後の前記連れ回り防止引き下げ指令を生成する請求項4又は5に記載の電動機制御方法。

【請求項7】
前記基準軸をn軸のうちの進行方向最後方の軸とする請求項1又は4に記載の電動機制御方法。

【請求項8】
前記基準軸をn軸のうちの進行方向最前方の軸とする請求項2又は5に記載の電動機制御方法。

【請求項9】
前記監視軸の再粘着を検出するまでの間、前記空転滑走の発生の前記検出からの経過時間に応じて漸次引き下げ量を大きくしていくように前記連れ回り防止引き下げ指令を可変する請求項3又は6に記載の電動機制御方法。

【請求項10】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御装置であって、
制御対象のn軸のうちの進行方向最前方の軸以外の軸の中から予め定められた軸である基準軸の電動機のトルク成分電流を検出する基準軸電流検出手段と、
制御対象のn軸のうちの進行方向最前方の軸である監視軸の電動機のトルク成分電流を検出する監視軸電流検出手段と、
力行時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸電流検出手段により検出されたトルク成分電流と前記監視軸電流検出手段により検出されたトルク成分電流の電流差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成する連れ回り防止引き下げ指令生成手段と、
を備え、力行時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記生成された連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行う電動機制御装置。

【請求項11】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御装置であって、
制御対象のn軸のうちの進行方向最後方の軸以外の軸の中から予め定められた軸である基準軸の電動機のトルク成分電流を検出する基準軸電流検出手段と、
制御対象のn軸のうちの進行方向最後方の軸である監視軸の電動機のトルク成分電流を検出する監視軸電流検出手段と、
制動時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸電流検出手段により検出されたトルク成分電流と前記監視軸電流検出手段により検出されたトルク成分電流の電流差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成する連れ回り防止引き下げ指令生成手段と、
を備え、制動時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記生成された連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行う電動機制御装置。

【請求項12】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御装置であって、
制御対象のn軸のうちの進行方向最前方の軸を除く軸の中から予め定められた軸である基準軸の回転速度を検出する基準軸速度検出手段と、
制御対象のn軸のうちの進行方向最前方の軸である監視軸の回転速度を検出する監視軸速度検出手段と、
力行時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸速度検出手段により検出された回転速度と前記監視軸速度検出手段により検出された回転速度との速度差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成する連れ回り防止引き下げ指令生成手段と、
を備え、力行時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記生成された連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行う電動機制御装置。

【請求項13】
給電ラインに並列接続された電動車車両内或いは台車内のn軸(n≧2)それぞれの電動機をベクトル制御によって一括して制御する電動機制御装置であって、
制御対象のn軸のうちの進行方向最後方の軸を除く軸の中から予め定められた軸である基準軸の回転速度を検出する基準軸速度検出手段と、
制御対象のn軸のうちの進行方向最後方の軸である監視軸の回転速度を検出する監視軸速度検出手段と、
制動時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記基準軸速度検出手段により検出された回転速度と前記監視軸速度検出手段により検出された回転速度との速度差に基づいて連れ回り防止引き下げ指令を生成する連れ回り防止引き下げ指令生成手段と、
を備え、制動時に前記監視軸が空転滑走した場合に、前記生成された連れ回り防止引き下げ指令分トルク成分電流指令を引き下げて前記ベクトル制御を行う電動機制御装置。
産業区分
  • 鉄道
  • 発電、電動
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008085773thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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