TOP > 国内特許検索 > 空力特性向上のための物体の空力特性測定方法、物体形状の最適化方法並びにそれを用いて最適化された物体、及び、空力特性評価実験用形状可変模型

空力特性向上のための物体の空力特性測定方法、物体形状の最適化方法並びにそれを用いて最適化された物体、及び、空力特性評価実験用形状可変模型 コモンズ

国内特許コード P110006206
掲載日 2011年12月20日
出願番号 特願2007-324503
公開番号 特開2009-145259
登録番号 特許第5250250号
出願日 平成19年12月17日(2007.12.17)
公開日 平成21年7月2日(2009.7.2)
登録日 平成25年4月19日(2013.4.19)
発明者
  • 池田 充
  • 光用 剛
  • 中村 嘉宏
  • 長嶺 太
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 空力特性向上のための物体の空力特性測定方法、物体形状の最適化方法並びにそれを用いて最適化された物体、及び、空力特性評価実験用形状可変模型 コモンズ
発明の概要

【課題】 実験的に求めた空力的諸量(揚力、空力音など)を用いることにより、物体に望ましい空力特性を付与するために行う物体形状最適化方法等を提供する。
【解決手段】 本発明の、流体中の物体に望ましい空力特性を付与するための物体形状最適化方法においては、物体の断面形状を模した模型であって、そのプロフィルが可変である模型を使用する。まず、S1で制約条件を設定し、S2で、その制約条件下における物体の断面形状の初期プロフィルを設定し、模型のプロフィルを初期プロフィルに対応するように設定する。そして、S3で、流体中に模型を置いて、模型が流体から受ける作用に関連する物理量を測定し、S4で、その測定値を用いて目的関数を算出し、S5で目的関数が最小又は最大となるまで、最適化手法により前記物体の断面形状のプロフィルを変更し(S6)、変更されたプロフィルに対応するように前記模型のプロフィルを変化させる(S7)。
【選択図】 図8

従来技術、競合技術の概要


パンタグラフは、架線から走行車両へ電気エネルギーを取り入れる部品であり、鉄道車両を構成するために必要な部品である。
図9は、パンタグラフの形状の一例を示す斜視図である。
パンタグラフ70は、車両に設置される台枠71と、台枠71に取付けられて上下方向に伸縮自在な枠組み72を備え、枠組み72の上部に舟体73が舟支えにより支持されている。舟体73は、車両の幅方向に延びる細長い板状のものであり、例えば、耐食性アルミニウム合金で作製される。舟体73の上面には、架線と接触する摺板74が取り付けられている。摺板74も、車両の幅方向に延びる細長い板状のものであり、例えば、銅系又は鉄系の焼結合金で作製される。



現在、新幹線の最高時速は300km/hに達し、さらなる高速化も検討されている。このような高速度域においては、パンタグラフの空力特性が集電性能に与える影響は非常に大きい。特に、架線との接触力に影響を与える揚力特性と、騒音に影響を与える空力音特性とは、パンタグラフの性能を左右する重要な特性である。しかし、この2つの特性は、一方の特性が改善されればもう一方の特性が劣化するという相矛盾する性格があり、両者を同時に改善することは困難な作業である。



パンタグラフの構成部品のうち、揚力及び空力音のどちらにも寄与が大きい部材は舟体である。そのため、舟体形状の決定は設計段階において非常に重要である。一般に、舟体形状は、風洞実験等を繰り返して実験的に求められているが、多くのコストと時間を要し、問題となっている。



そこで、本発明者らは、過大揚力の抑制と空力音低減を両立させた舟体の形状を数値的に求める手法を提案した(特許文献1参照)。この手法は、迎角変化や摺板摩耗に伴う形状変化に対して安定した揚力特性を有し、なおかつ空力音が小さい舟体形状を求めるためのものである。具体的には、まず、舟体形状の初期値を与え、CFD(Computational Fluid Dynamics)により舟体周りの流れ場を計算して舟体の空力性能を評価する。次に、空力性能を向上させるように舟体形状の修正を行い、再度流れ場を計算して空力性能を評価する。この作業を収束するまで行い、最終的な舟体形状を得る。つまり、舟体形状を設計変数、舟体の空力特性を目的関数とする最適化を行う。



一般に、空力特性を目的関数とする流体力学的な最適化問題は多峰性を持つことが多い。そこで、設計変数の最適化手法として、Downhill Simplex法と焼き鈍し法とを組合わせた方法、もしくは進化的アルゴリズムを用いた。この方法は、最適解が局所解に陥らないように考案された手法であり、大局的な最適解を得ることが期待できる。



一方、目的関数として、以下に述べるように舟体の空力特性を定義した。二次元非定常非圧縮ナビエ・ストークス方程式を風上差分を用いたMAC法(Maker and Cell method)により解き、これから得られた舟体揚力係数の時間変化によって、揚力特性と空力音特性とを同時に評価することとした。空力音は、物体に生じる変動空気力により、物体まわりの空気に微少な加速度運動が生じ、これが伝搬したものであるから、コンパクト近似が成り立つ二重極音源だけを考えれば揚力変動の小さい物体は空力音が小さいとみなせる。したがって、空力特性の評価と空力音測定の評価を、どちらも揚力波形を用いて行うことが可能である。



しかしながら、この方法では、制約条件によっては良好な結果が得られるが、ある制約条件下では、評価結果と実験結果とで大きな差異を生じる場合がある。精度を向上させるには、計算量が多くなってしまう。




【特許文献1】特許第3909314号

産業上の利用分野


本発明は、物体の空力特性向上のために物体の模型を使用してその空気力学特性を測定し、物体の断面形状を最適化する方法等に関する。特には、パンタグラフの舟体の断面形状を空気力学的特性が向上するように最適化する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
風洞実験に使用される模型であって、
前記模型の断面形状の外郭の主要な点、線又は面を規定する、二次元的に移動可能な複数のフレーム(10)と、
該複数のフレーム(10)に沿って巻かれて、前記模型の外形を形成する膜部材(20)と、
該膜部材(20)の張力を付与する手段(40,43)と、を有し、
前記フレーム(10)の移動機構(30)として、
前記模型の中心付近を、前記フレーム(10)の長さ方向に延びる中心軸(31)と、
該中心軸(31)から放射状に延びて、前記フレーム(10)の両端を各々移動可能に支持する回転アーム(32)と、
該回転アーム上を移動するスライダ(35)と、
を備えることを特徴とする風洞実験用模型。

【請求項2】
前記模型の全体姿勢を可変する機構(51)をさらに備えることを特徴とする請求項記載の風洞実験用模型。

【請求項3】
前記膜部材(20)の両端が、風洞実験装置の両端板(E)の外側に出ていることを特徴とする請求項又は記載の風洞実験用模型。

【請求項4】
前記フレーム(10)が、
前記模型の断面形状の外郭の主要な点を規定する、平面内を移動可能な基本部材(10)と、
該基本部材(10)に取り外し可能に取付けられる、前記断面形状の一部を形成する設定部材(11)とを、有することを特徴とする請求項1,2又は記載の風洞実験模型。

【請求項5】
前記模型がパンタグラフの舟体の模型であることを特徴とする請求項いずれか1項に記載の風洞実験模型。

【請求項6】
流体中の物体が流体から受ける作用に関する物理量を測定する方法において、
前記物体の断面形状を模した請求項1~5いずれか1項記載の模型を流体中に設置し、該模型が流体から受ける作用に関連する物理量を測定することを特徴とする物体の空力特性測定方法

【請求項7】
流体中の物体の空力特性向上を目的として断面形状を最適化する方法において、
前記物体の断面形状を模した請求項1~5いずれか1項記載の模型を使用し、
一定の制約条件下における前記物体の断面形状の初期プロフィルを設定し、
前記模型のプロフィルを該初期プロフィルに対応するように設定し、
流体中に該模型を置いて、該模型が流体から受ける作用に関連する物理量を測定し、
その測定値を用いて目的関数を算出し、
該目的関数が最小又は最大となるまで、最適化手法により前記物体の断面形状のプロフィルを変更し、変更されたプロフィルに対応するように前記模型のプロフィルを変化させることを特徴とする物体形状最適化方法。

【請求項8】
前記目的関数に前記測定する複数の物理量を含んでいることを特徴とする請求項記載の物体形状最適化方法。

【請求項9】
流体中に置かれる物体であって、
該物体の断面形状が、以下の物体形状最適化方法により決定されたことを特徴とする物体;
流体中の物体の空力特性が望ましい特性となることを目的として物体の断面形状を最適化する方法において、
前記物体の断面形状を模した請求項1~5いずれか1項記載の模型を使用し、
一定の制約条件下における前記物体の断面形状の初期プロフィルを設定し、
前記模型のプロフィルを該初期プロフィルに対応するように設定し、
流体中に該模型を置いて、該模型が流体から受ける作用に関連する物理量を測定し、
その測定値を用いて目的関数を算出し、
該目的関数が最小又は最大となるまで、最適化手法により前記物体の断面形状のプロフィルを変更し、変更されたプロフィルに対応するように前記模型のプロフィルを変化させる。

【請求項10】
パンタグラフの舟体の空力特性を向上することを目的として行う断面形状の最適化方法であって、
前記舟体の断面形状を模した請求項1~5いずれか1項記載の模型を使用し、
一定の制約条件下における前記舟体の断面形状の初期プロフィルを発生させ、
前記模型のプロフィルを該初期プロフィルに対応するように設定し、
流体中に該模型を置いて、該模型が流体から受ける作用に関連する物理量を測定し、
その測定値を用いた目的関数を評価し、
該評価値が最小又は最大となるまで、最適化手法により前記舟体のプロフィルを変更し、
変更されたプロフィルに対応するように前記模型のプロフィルを変化させることを特徴とするパンタグラフ舟体の断面形状最適化方法。
産業区分
  • 測定
  • 鉄道
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007324503thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close