TOP > 国内特許検索 > 低周波音低減方法及び装置

低周波音低減方法及び装置 コモンズ

国内特許コード P110006259
掲載日 2011年12月20日
出願番号 特願2007-093065
公開番号 特開2008-248624
登録番号 特許第4943209号
出願日 平成19年3月30日(2007.3.30)
公開日 平成20年10月16日(2008.10.16)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
発明者
  • 宮地 徳蔵
  • 斉藤 実俊
  • 飯田 雅宣
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 低周波音低減方法及び装置 コモンズ
発明の概要

【課題】 換気や避難用に十分な抗口の面積を確保しつつ枝坑からの低周波音(微気圧波)を低減する方法及び装置を提供する。
【解決手段】 本発明の低周波音低減装置は、枝坑2を有するトンネル1に設けられるものであって、枝坑2の口からある長さの間において枝坑2を複数に分割する隔壁3と、分割した一部枝坑の口を閉鎖する壁4を有し、枝坑2が開口枝坑5と閉鎖枝坑6に分割されている。これにより、枝坑2に伝搬した圧力波のエネルギーが分割されることになる。このため、開口枝坑5で開口端反射する際に放射される微気圧波の大きさは、分割していない場合に比べて小さくなる。なお、閉鎖枝坑6及び開口枝坑5の各々を圧力波が伝播、反射しながら進んでいく際に、微気圧波は二回発生するが、その大きさはいずれも分割していない場合に比べて小さい。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


まず、微気圧波の発生機構について説明する。
図3は、トンネル内における微気圧波の発生機構を説明する図である。
列車Tがトンネル(本坑)1に突入すると、トンネル内に圧縮波が生じる。その圧縮波がトンネル内を伝播してトンネル出口1aに達すると、大部分の圧縮波は開口端反射して膨張波となってトンネル1の奥方向に戻ってくるが、一部は、圧縮波の圧力勾配にほぼ比例したパルス状の圧力波となって出口1aから外部に放射される。これをトンネル微気圧波という。このような微気圧波が放射されると、破裂的な空気圧音(一次音)を招くことがあるだけでなく、トンネル出口付近の民家の窓ガラスや戸を急に振動させて二次音を発生させる要因ともなる。



このようなトンネル微気圧波を低減する主な対策として、トンネル入口に緩衝工を設ける方法が一般に取られている(例えば、特許文献1参照)。緩衝工とは、トンネル口に設置された、トンネル断面より大きい断面を有するフードである。このような緩衝工を設けることにより、トンネル口で発生する圧力波の圧力勾配を小さくして微気圧波を低減させている。



一方、長大トンネルなど、本坑の途中に枝坑2が設けられている場合も、その枝坑2の坑口2aから上記と同様の微気圧波が発生する。山岳トンネルの場合は、枝坑2の坑口2aは人家のない山中にあるため、音が発生しても大きな問題とはならない。しかし、地下鉄用の大深度地下トンネルで、枝坑2の坑口2aが住宅が密集する都市部に存在する場合には騒音問題となる。



このような枝坑における微気圧波の発生を低減するには、枝坑の坑口の開口のほとんどの部分を門扉などで閉鎖すればよい。これは、枝坑坑口にオリフィスを設けることに相当するもので、開口部(オリフィス)の面積を10%程度とすれば、微気圧波を1/2程度とすることができる。しかし、都市部の地下トンネルの場合、枝坑が換気や避難用に適用されるため、開口部の面積をあまり狭くすることができない。




【特許文献1】特許第3822368号

産業上の利用分野


本発明は、高速移動体(鉄道車両など)が管路(トンネルなど)内に突入することによって発生する圧力波が、管路出口まで伝わって同出口で発生する微気圧波(低周波音)を低減する方法及び装置に関する。特には、鉄道用トンネルの枝坑などの分岐坑から発生する微気圧波を低減する方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
圧力波が伝搬する管路の口において発生する低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さの間において該管路を複数に分割するとともに、分割した一部管路の口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割管路(開口管路)に導かれて該管路を進み、該管路の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該管路の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割管路(閉鎖管路)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該管路の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該管路の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記管路の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。

【請求項2】
圧力波が伝搬する管路(本管)の口において発生する低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さ奥の位置において該管路に分岐管路を設けるとともに、該分岐管路の口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が前記本管を進んで該管の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該本管の奥方向へ戻り、
前記分岐管路に導かれた一部の圧力波(B波)は、該管路の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該管路の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記本管の分岐点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。

【請求項3】
トンネルに鉄道車両が突入した際に該トンネル中に生じる圧力波が該トンネルの出口に伝搬して開口端反射する際に生じる低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さの間において該トンネルを複数に分割するとともに、分割した一部トンネルの口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割トンネル(開口トンネル)に導かれて進み、該開口トンネルの口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該開口トンネル奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割トンネル(閉鎖トンネル)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該閉鎖トンネルの閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該閉鎖トンネルの奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記トンネルの分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。

【請求項4】
枝坑を有するトンネルに鉄道車両が突入した際に該トンネル中に生じる圧力波が該枝坑の口に伝搬して開口端反射する際に生じる低周波音を低減する方法であって、
該口からある長さの間において該枝坑を複数に分割するとともに、分割した一部枝坑の口を閉鎖することにより、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割枝坑(開口枝坑)に導かれて該開口枝坑を進み、該開口枝坑の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該開口枝坑の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割枝坑(閉鎖枝坑)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該閉鎖枝坑の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該閉鎖枝坑の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記枝坑の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減方法。

【請求項5】
前記開口管路及び閉鎖管路は、長さがほぼ同じであるとともに、両者の断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項1記載の低周波音低減方法。

【請求項6】
前記本管及び分岐管路は、長さがほぼ同じであるとともに、両者の断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項2記載の低周波音低減方法。

【請求項7】
前記開口枝坑及び閉鎖枝坑は、長さがほぼ同じであるとともに、両者の断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項4記載の低周波音低減方法。

【請求項8】
前記分割管路、分岐管路又は分割枝坑の長さが前記圧力波の波長程度以上の長さであることを特徴とする請求項1~7いずれか1項に記載の低周波音低減方法。

【請求項9】
圧力波が伝搬する管路の口において発生する低周波音を低減する装置であって、
該口からある長さの間において該管路を複数に分割する隔壁と、
分割した一部管路の口を閉鎖する手段と、
を備え、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割管路(開口管路)に導かれて該管路を進み、該管路の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該管路の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割管路(閉鎖管路)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該管路の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該管路の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記管路の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減装置。

【請求項10】
前記開口管路及び閉鎖管路は、長さがほぼ同じであるとともに、断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項9記載の低周波音低減装置。

【請求項11】
前記隔壁の長さが前記圧力波の波長程度以上の長さであることを特徴とする請求項9又は10記載の低周波音低減装置。

【請求項12】
枝坑を有するトンネルに鉄道車両が突入した際に該トンネル中に生じる圧力波が該枝坑の口に伝搬して開口端反射する際に生じる低周波音を低減する装置であって、
該口からある長さの間において該枝坑を複数に分割する隔壁と、
分割した一部枝坑の口を閉鎖する手段と、
を備え、
まず、前記圧力波の一部(A波)が、閉鎖されていない分割枝坑(開口枝坑)に導かれて該開口枝坑を進み、該開口枝坑の口(開口端)に至って該口で開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する一次低周波音が発生するとともに、開口端反射したA波が逆位相の圧力波となって該開口枝坑の奥方向へ戻り、
閉鎖されている分割枝坑(閉鎖枝坑)に導かれた一部の圧力波(B波)は、該閉鎖枝坑の閉鎖されている端(固定端)に至って固定端反射して、同位相のまま該閉鎖枝坑の奥方向へ戻り、
前記A波の逆位相反射波と前記B波の同位相反射波が前記枝坑の分割点で合流してそれぞれ逆位相となって前記口方向へ再び進み、2回逆位相反射したA波が前記開口端に至って開口端反射する際に、分割された圧力波のエネルギーに対応する二次低周波音が発生することを特徴とする低周波音低減装置。

【請求項13】
前記開口枝坑及び閉鎖枝坑は、長さがほぼ同じであるとともに、断面積がほぼ等しいことを特徴とする請求項12記載の低周波音低減装置。

【請求項14】
前記隔壁の長さが前記圧力波の波長程度以上の長さであることを特徴とする請求項12又は13記載の低周波音低減装置。
産業区分
  • その他建築
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007093065thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close