TOP > 国内特許検索 > トロリ線の歪推定システムおよび歪推定プログラム

トロリ線の歪推定システムおよび歪推定プログラム コモンズ

国内特許コード P110006290
掲載日 2011年12月20日
出願番号 特願2006-087752
公開番号 特開2007-261370
登録番号 特許第4394656号
出願日 平成18年3月28日(2006.3.28)
公開日 平成19年10月11日(2007.10.11)
登録日 平成21年10月23日(2009.10.23)
発明者
  • 臼田 隆之
出願人
  • 財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 トロリ線の歪推定システムおよび歪推定プログラム コモンズ
発明の概要


【課題】 正確な架線の情報を要することなく、パンタグラフの接触力に基づきトロリ線の歪を推定する。
【解決手段】 パンタグラフのすり板の通過に伴うトロリ線の歪の推定システム10は、記憶装置108に、学習用のパンタグラフの舟体とトロリ線との間の接触力に関するデータ、学習用のトロリ線の歪に関するデータ、推定用のパンタグラフの舟体とトロリ線との間の接触力に関するデータ、並びに、ニューラルネットワークのモデルについての各ニューロン間の結合に関連付けられた重みおよび各ニューロンの閾値を含むニューラルネットワークモデルデータを記憶する。学習処理部110は、学習用の接触力に関するデータおよび学習用の歪に関するデータにより、ニューラルネットワークモデルデータの重みや閾値を調整する。推定値算出処理部112は、推定用の接触力に関するデータおよび調整された重みおよび閾値に基づいて、歪に関するデータを算出する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


パンタグラフのトロリ線に対する接触力は、集電性能を評価する重要な指標の一つである。近年の動向として、検測車などで接触力を測定し、保守などに活用しようという流れがある。従来、パンタグラフの舟体に加速度計や歪ゲージを取り付けて、トロリ線に接触した状態で、車両を走行させることにより、接触力を実測している。



その一方、パンタグラフの舟体が接触するトロリ線は、パンタグラフが接触しつつ移動することにより応力をうける。繰り返し応力を受けることにより、トロリ線が破断する可能性もあるため、トロリ線の疲労を把握することは非常に重要となっている。従来、トロリ線の応力は、トロリ線上の幾つかの測定点に歪ゲージを取り付けて、列車の通過(パンタグラフの通過)に伴う歪の時間的変化を実測していた。しかしながら、従来の手法では、歪ゲージが取り付けられた場所だけしか、歪が測定できないという問題点、つまり、歪は離散点でしか測定できないという問題点があった。



非特許文献1に示すように、架線、パンタグラフ系をモデルに置き換え、その運動方程式をコンピュータにより解いて、架線やパンタグラフの運動を定量的に表したデータを取得するシミュレーションも行われている。たとえば、シミュレーションにおいては、架線を多数の質点で表して、各質点について運動方程式をたてる。また、パンタグラフについても、同様に、パンタグラフのモデルを幾つかの質点、ばねおよび押上げ力で表して、各質点について運動方程式をたてる。さらに、トロリ線に対するパンタグラフの接触力を移動しつつ加えることにより、架線の振動を計算することができ、架線の振動からその応力(歪)を求めることも可能である。

【非特許文献1】「電車線とパンタグラフの特性」、研友社、平成5年10月10日発行、pp64-69、217-220

産業上の利用分野


本発明はパンタグラフのすり板の通過に伴うトロリ線の歪を推定するシステムおよびプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
パンタグラフの舟体に取り付けられたすり板の通過に伴うトロリ線の歪の推定システムであって、
学習用の、第1の所定区間におけるパンタグラフの舟体とトロリ線との間の接触力に関するデータと、当該第1の所定区間における前記パンタグラフの通過に伴うトロリ線の歪に関するデータと、推定用の、第2の所定区間におけるパンタグラフの舟体とトロリ線との間の接触力に関するデータと、ニューラルネットワークのモデルについて、当該ニューラルネットワークを構成する各ニューロン間の結合に関連付けられた重み、および、各ニューロンの閾値を含むニューラルネットワークモデルデータと、を記憶した記憶装置と、
ニューラルネットワークモデルデータに含まれる重みおよび閾値を適切な値にする学習手段であって、
前記記憶装置に記憶された、初期的なニューラルネットワークモデルデータを読み出して、前記ニューラルネットワークモデルの入力層に、前記学習用の接触力に関するデータを与え、入力層から中間層を経て出力層に向けて、順次、前記ニューラルネットワークモデルデータにおけるニューロンの結合にしたがって、入力層により近い側のニューロンからの信号と当該結合に関連付けられた重みとの乗算結果の総和から閾値を減じた値に基づく出力関数により、出力値を算出し、当該出力値を出力層の側に結合されたニューロンに出力することを繰り返す演算手段と、
前記ニューラルネットワークモデルの出力層に、前記学習用のトロリ線の歪に関するデータを与え、出力層から中間層を経て入力層に向けて、誤差信号を伝搬させて、少なくとも、前記ニューラルネットワークデータにおける前記結合に関連付けられた重みおよび前記ニューロンに関する閾値を修正し、前記修正された結合に関連付けられた重みおよび前記ニューロンに関する閾値を、修正されたニューラルネットワークデータとして記憶する誤差逆伝搬手段と、を有する学習手段と、
前記記憶装置に記憶された、前記学習手段による学習により修正されたニューラルネットワークモデルデータを読み出して、前記ニューラルネットワークモデルの入力層に、前記推定用の接触力に関するデータを与え、入力層から中間層を経て出力層に向けて、順次、前記ニューラルネットワークモデルデータにおけるニューロンの結合にしたがって、入力層により近い側のニューロンからの信号と当該結合に関連付けられた重みとの乗算結果の総和から閾値を減じた値に基づく出力関数により、出力値を算出し、当該出力値を出力層の側に結合されたニューロンに出力することを繰り返し、前記出力層からの値を、推定されたトロリ線の歪に関するデータとして、前記記憶装置に記憶する推定手段と、
を備えたことを特徴とする推定システム。

【請求項2】
前記接触力に関するデータが、時刻t(k=1~m)における接触力f(t)について、短時間フーリエ変換を施した接触力の時間・周波数領域データF(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)であり、前記トロリ線の歪に関するデータが、時刻t(k=1~m)における歪h(t)について、短時間フーリエ変換を施した歪の時間・周波数領域データH(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)であり、
前記推定手段により得られたトロリ線の歪に関する時刻t(k=1~m)における推定された歪の時間・周波数領域データH’(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)に、逆短時間フーリエ変換を施して、前記時刻t(k=1~m)における歪データh’(t)(k=1~m)を算出して、歪の推定値データとして、前記記憶装置に記憶する逆短時間フーリエ変換手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【請求項3】
前記記憶装置に記憶された、時刻tにおける接触力データf(t)(k=1~m)について、短時間フーリエ変換を施して、接触力の時間・周波数領域データF(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)を生成して、記憶装置に記憶するとともに、時刻t(k=1~m)における歪データh(t)について、短時間フーリエ変換を施して、歪の時間・周波数領域データH(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)を生成して、記憶装置に記憶する短時間フーリエ変換手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のシステム。

【請求項4】
前記接触力に関するデータが、時刻tの前後aの範囲(tk-a~tk+a)の接触力データf(tk―a)~f(tk+a)(k=1~m)であり、前記トロリ線の歪に関するデータが、歪データh(t)(k=1~m)であり、
前記推定手段が、時刻t(k=1~m)における歪の推定値データh’(t)(k=1~m)を算出するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【請求項5】
学習用の、第1の所定区間におけるパンタグラフの舟体とトロリ線との間の接触力に関するデータと、当該第1の所定区間における前記パンタグラフの通過に伴うトロリ線の歪に関するデータと、推定用の、第2の所定区間におけるパンタグラフの舟体とトロリ線との間の接触力に関するデータと、ニューラルネットワークのモデルについて、当該ニューラルネットワークを構成する各ニューロン間の結合に関連付けられた重み、および、各ニューロンの閾値を含むニューラルネットワークモデルデータと、を記憶した記憶装置を備えたコンピュータに、パンタグラフの舟体に取り付けられたすり板の通過に伴うトロリ線の歪を推定させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
ニューラルネットワークモデルデータに含まれる重みおよび閾値を適切な値にする学習ステップであって、
前記記憶装置に記憶された、初期的なニューラルネットワークモデルデータを読み出して、前記ニューラルネットワークモデルの入力層に、前記学習用の接触力に関するデータを与え、入力層から中間層を経て出力層に向けて、順次、前記ニューラルネットワークモデルデータにおけるニューロンの結合にしたがって、入力層により近い側のニューロンからの信号と当該結合に関連付けられた重みとの乗算結果の総和から閾値を減じた値に基づく出力関数により、出力値を算出し、当該出力値を出力層の側に結合されたニューロンに出力することを繰り返す演算ステップ、並びに、
前記ニューラルネットワークモデルの出力層に、前記学習用のトロリ線の歪に関するデータを与え、出力層から中間層を経て入力層に向けて、誤差信号を伝搬させて、少なくとも、前記ニューラルネットワークデータにおける前記結合に関連付けられた重みおよび前記ニューロンに関する閾値を修正し、前記修正された結合に関連付けられた重みおよび前記ニューロンに関する閾値を、修正されたニューラルネットワークデータとして記憶する誤差逆伝搬ステップを有する、学習ステップと、
前記記憶装置に記憶された、前記学習手段による学習により修正されたニューラルネットワークモデルデータを読み出して、前記ニューラルネットワークモデルの入力層に、前記推定用の接触力に関するデータを与え、入力層から中間層を経て出力層に向けて、順次、前記ニューラルネットワークモデルデータにおけるニューロンの結合にしたがって、入力層により近い側のニューロンからの信号と当該結合に関連付けられた重みとの乗算結果の総和から閾値を減じた値に基づく出力関数により、出力値を算出し、当該出力値を出力層の側に結合されたニューロンに出力することを繰り返し、前記出力層からの値を、推定されたトロリ線の歪に関するデータとして、前記記憶装置に記憶する推定ステップと、を実行させることを特徴とする推定プログラム。

【請求項6】
前記接触力に関するデータが、時刻t(k=1~m)における接触力f(t)について、短時間フーリエ変換を施した接触力の時間・周波数領域データF(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)であり、前記トロリ線の歪に関するデータが、時刻t(k=1~m)における歪h(t)について、短時間フーリエ変換を施した歪の時間・周波数領域データH(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)であり、
前記コンピュータに、
前記推定ステップにより得られたトロリ線の歪に関する時刻t(k=1~m)における推定された歪の時間・周波数領域データH’(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)に、逆短時間フーリエ変換を施して、前記時刻t(k=1~m)における歪データh’(t)(k=1~m)を算出して、歪の推定値データとして、前記記憶装置に記憶する逆短時間フーリエ変換ステップを実行させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。

【請求項7】
前記コンピュータに、
前記記憶装置に記憶された、時刻tにおける接触力データf(t)(k=1~m)について、短時間フーリエ変換を施して、接触力の時間・周波数領域データF(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)を生成して、記憶装置に記憶するとともに、時刻t(k=1~m)における歪データh(t)について、短時間フーリエ変換を施して、歪の時間・周波数領域データH(t,f)(fは周波数、k=1~m、i=1~n)を生成して、記憶装置に記憶する短時間フーリエ変換ステップを実行させることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。

【請求項8】
前記接触力に関するデータが、時刻tの前後aの範囲(tk-a~tk+a)の接触力データf(tk―a)~f(tk+a)(k=1~m)であり、前記トロリ線の歪に関するデータが、歪データh(t)(k=1~m)であり、
前記推定ステップにおいて、前記コンピュータに、
時刻t(k=1~m)における歪の推定値データh’(t)(k=1~m)を算出するステップを実行させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
産業区分
  • 電力応用
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006087752thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close