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超音波探傷方法及び装置 コモンズ

国内特許コード P110006307
掲載日 2011年12月20日
出願番号 特願2007-077257
公開番号 特開2008-233048
登録番号 特許第4886564号
出願日 平成19年3月23日(2007.3.23)
公開日 平成20年10月2日(2008.10.2)
登録日 平成23年12月16日(2011.12.16)
発明者
  • 坂本 博
  • 養祖 次郎
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 超音波探傷方法及び装置 コモンズ
発明の概要

【課題】 ノイズエコーの多い積層構造体の検査においても内部欠陥を分かりやすく表示できる超音波探傷方法及び装置を提供する。
【解決手段】 本発明の超音波探傷方法においては、内部ゲート及び底面ゲートのエコーを検出し、内部ゲートのエコーの強度(高さ)から底面ゲートのエコーの強度(高さ)を差し引いて表示する。内部の欠陥部位では、内部ゲートに現れたエコーがそのまま残るが、表面と底面の健全部では、エコーが消える。これにより、積層構造部材に起因するエコーを相殺減少させ、内部欠陥や層間の接着不良をより鮮明に表示することができる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


鉄道車両に使用されている積層構造部材の例を説明する。鉄道車両の駆動台車においては、一般的に、台車側に設置されたモータ軸と、車軸に取り付けられている減速機ギアとの間に、両者の相対変位を許容するために、タワミ板式の軸継ぎ手が設けられている。
図8は、タワミ板の配置状態を説明する側面図である。
モータの軸21と減速機のギアの軸31は同軸上に配置されており、各軸の端部には、継ぎ手本体23、33が装着されている。各継ぎ手本体の外周には、外方向に延びる腕部23a、33aが形成されている。継ぎ手本体23、33は、タワミ板25、35と中間体27、37を介して接続されている。



タワミ板25、35は、中央に開口を有する四角い板を2枚重ねたものである。このタワミ板25、35の対角上の隅部は、継ぎ手本体23、33の腕23a、33aの端部にボルト締結されている。一方、各タワミ板25、35の他の対角上の隅部は、中間体27、37にボルト締結されている。そして、中間体27、37同士がボルトBで結合され、これによりモータ軸21とギア軸31とが連結されている。この軸継ぎ手においては、モータ軸21とギア軸31との間の相対変位を、タワミ板25、35が変形して吸収する。



このようなタワミ板として、近年、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製のものが使用されている。このCFRPとは、カーボン繊維をエポキシなどのマトリックス樹脂で成形・加工したもので、直角に交差するカーボン繊維でできた厚さ数百μmのプリプレグ(繊維一層にエポキシを含浸させたもの)を多層重ねて、高温高圧で成形して作製された積層構造部材である。



この軸継ぎ手のCFRP製のタワミ板については、車両の走行距離が一定に達した検査で新品と交換している場合がある。しかし、点検して外観上の欠陥や内部損傷のないものについては、再度利用することが望ましい。



CFRP製部材の検査は、水浸超音波探傷装置を用いて行うのが一般的である。
図9は、水浸超音波探傷装置の概要を説明する図である。
この水浸超音波探傷装置1においては、水槽2に試験体のCFRP製タワミ板Tを浸漬させ、その表面に、パルサー・レシーバ4で発生した電気信号により探触子3から超音波を垂直に入射する。探触子3は超音波を放射するとともに、試験体Tからの反射波(エコー)を受信し、電気信号に変換する。この電気信号はパルサー・レシーバ4で受信されて増幅された後、制御部5に送られて信号処理され、試験体Tの厚さ方向の情報として取り出される。探触子3は、制御部5からモータドライバ6を介して制御されるXYZ3軸スキャナ7により、試験体T上をジグザグに走査される。これにより、試験体Tの全面のエコー情報が得られる。制御部5には、A/D変換器、演算部、メモリ、モータドライバを制御するコントロールボードなどを備え、モニタ装置8やプリンタ9に接続している。



図10は、水浸超音波探傷法によって得られたエコー波形の一例を示す図である。
図11は、試験体の写真である。
図12は、各ゲートにおけるCスコープ画像を示す図であり、図12(A)は表面ゲートAの画像、図12(B)は内部ゲートBの画像、図12(C)は底面ゲートCの画像である。
図13は、各ゲートにおいて検出される情報を説明する表である。
この例では、図11に示すタワミ板のボルト穴周辺の部分の検査を行った結果を示す。ボルト穴の右上の部分に人工的に内部欠陥を生じさせた。図10に示すグラフは、縦軸にエコー受信信号、横軸に時間をとったもの(Aスコープ画像)である。まず、試験体の表面(ゲートA)からのエコー波形が得られ、その後、内部(ゲートB)、最後に底面(ゲートC)からのエコー波形が得られる。



図12(A)~(C)は、各ゲート内のエコーの高さを白黒の濃淡(白100%~黒0%)で表し、探触子の位置に対応させて平面的に表示したCスコープ画像である。エコー高さが高いほど白く表示される。



それぞれのゲートから取り出される画像情報は、図13に示すとおりである。
ゲートAにおいては、欠陥や損傷がない表面であれば、高いエコーが得られ白く表示され、欠陥があると、エコーが低くなり黒く表示される。ゲートBにおいては、内部に欠陥や損傷があると、そこでエコーが発生し白く表示され、欠陥がなければ、エコーは発生せず黒く表示される。欠陥の面積が大きいほど高いエコーとなる。ゲートCにおいては、表面や内部に欠陥がなければ、超音波は減衰することなく底面に当り、底面で反射するので高いエコーが得られ、白く表示され、表面、内部又は底面に欠陥があると、エコーが低くなり黒く表示される。



図12(A)に示すゲートA画像では、右上の円形の部分が、部分的にグレーに表示されており、同部分に欠陥があることを示している。なお、左下に示す黒の丸の部分は、ボルト穴を示している。同部分では、超音波は穴を通過して反射しないので、エコーは発生せず、黒く表示される。



図12(B)に示すゲートB画像では、右上の円形の部分が、白い小さい円が集合したように表示されており、同部分の欠陥を示している。この部分の大きさは、図12(A)の画像よりも大きくなっており、内部損傷が表面損傷より大きいことを示している。また、全体に、濃いめの濃淡のグレーが格子状に表示されている。



図12(C)に示すゲートC画像では、右上の部分が黒く表示されており、同部分の欠陥を示している。また、全体に薄めの濃淡のグレーが格子状に表示されている。



CFRPは前述のようにカーボン繊維が交差状に編まれているものであるため、繊維の交差部などで超音波が若干反射し、エコー(ノイズ又は擬似信号)が生じる。このエコーは、図12(B)、(C)に示すように、カーボン繊維の配列と同様の、格子状の濃淡となって表示される。このため、実際の検査においては、画像を見たのみでは、欠陥のエコーかCFRPの構造に起因するエコーかの判断が付き難い場合も多く、検査作業の障害となる。

産業上の利用分野


本発明は、超音波を用いて積層構造部材(CFRP製の板など)の内部欠陥の有無を調べる方法及び装置に関する。特には、内部欠陥を強調して表示できるよう改良した超音波探傷方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
探触子から被試験体である積層構造部材に超音波を入射し、被試験体から反射してくる反射波(エコー)を検出して被試験体の探傷を行う超音波探傷方法であって、
前記探触子を試験体の表面上で走査しながら、内部ゲート及び底面ゲートのエコーを検出し、
前記内部ゲートのエコーの強度(高さ)から前記底面ゲートのエコーの強度(高さ)を差し引いて、前記探触子の位置に対応させて平面的に表わした画像として表示することにより積層構造部材に起因するエコーを相殺減少させ、内部欠陥をより鮮明に表示することを特徴とする超音波探傷方法。

【請求項2】
前記内部欠陥は層間接着不良であることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷方法。

【請求項3】
被試験体である積層構造部材に超音波を入射し、被試験体から反射してくる反射波(エコー)を検出して被試験体の探傷を行う超音波探傷装置であって、
超音波を照射するとともに、エコーを受信する探触子と、
該探触子を試験体の表面上で走査する手段と、
前記探触子で検出された内部ゲートのエコー高さデータ及び底面ゲートのエコー高さデータを記録する手段と、
内部ゲートのエコー高さから底面ゲートのエコー高さを差し引く手段と、
差し引かれたデータを前記探触子の位置に対応させて平面的に表わした画像として表示する手段と、
を備えることを特徴とする超音波探傷装置。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2007077257thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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