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光通信システム,光送信機,光受信機および方法ならびにこれらで用いる光相関器 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P110006382
整理番号 P08-018R
掲載日 2011年12月27日
出願番号 特願2010-519129
登録番号 特許第4977899号
出願日 平成21年7月3日(2009.7.3)
登録日 平成24年4月27日(2012.4.27)
国際出願番号 JP2009062567
国際公開番号 WO2010002041
国際出願日 平成21年7月3日(2009.7.3)
国際公開日 平成22年1月7日(2010.1.7)
優先権データ
  • 特願2008-174235 (2008.7.3) JP
発明者
  • 塙 雅典
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 光通信システム,光送信機,光受信機および方法ならびにこれらで用いる光相関器 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要

この発明における複素直交符号は,第m行第n列の要素がexp(2πj(m-1)(n-1)/N)(jは虚数単位)であるN行N列の正方行列の各行を符号語とする複素直交符号である。光符号分割多重通信/光符号分割多元接続(OCDM/OCDMA)用光直交符号は,上記符号要素の偏角(位相)と対応したN個の光パルスの列で実現される。光送信機または光受信機は,光導波路内に一定間隔で直列に配置された複数のブラッグ・グレーティングを有する標本化ブラッグ・グレーティングを備えた光相関器を含み,この光相関器に上記符号語のいずれかが割当てられている。光送信機において,送信すべき光信号は上記光相関器でエンコードされる。光受信機において,受信光信号は上記光相関器でデコードされ,受信光信号をエンコードした符号語と当該光受信機に割当てられた符号語とが一致した場合にのみ高い自己相関出力が得られる。

従来技術、競合技術の概要


符号分割多重通信/符号分割多元接続では,符号の直交性を利用して多重通信/多元接続を実現する。これらの方式では直交符号が一種の鍵として機能し,直交符号によって符号化された信号は同じ直交符号によって復号された場合に得られる自己相関信号によってのみ受信可能で,異なる直交符号で復号された場合に得られる相互相関信号では受信不可能となる。この技術は電気通信においては携帯電話や無線LAN用の多元接続方式として広く実用されている。
一方,光ファイバ通信システムに上記の符号分割多重通信/符号分割多元接続技術を適用した光符号分割多重(OCDM)/光符号分割多元接続(OCDMA)技術の研究開発が近年盛んに行われている。OCDM/OCDMAでは光学的符号化/復号化技術が用いられることが多く,光学的処理に適した直交符号が求められる。OCDM/OCDMAでも,電気通信で一般に用いられている搬送波の二つの位相状態(例:0,π)で符号を表現するゴールド符号や二値アダマール符号が使用されている。しかし,ゴールド符号で相互相関信号(すなわち多重/多元接続時の他チャネルからの干渉)を低減するには符号長を長くとる必要がある。また二値アダマール符号では相互相関信号のサイドローブが低減できない符号組合せが存在し,すべての多重/多元チャネルを同期させた同期式OCDM/OCDMAにしか使用できない。これらの問題の解決を目指し,搬送波の四つの位相状態(例:0,π/2,π,3π/2)で符号を表現する四値符号の利用が検討されている。たとえば次の文献を参照。
1.P.C.Teh,M.Ibsen,H.Lee,P.Petropoulos,D.J.Richardson,“Demonstration of a Four-Channel WDM/OCDM System Using 255-Chip 320-Gchip/s Quartern ary Phase Coding Gratings”,IEEE PHOTONICS TECNOLOGY LETTERS,vol.14,no.2,2002.
2.H.Sotobayashi,W.Chujo,K.Kitayama,“1.6b/s/Hz 6.4-Tb/s PSK-OCDM/WDM(4OCDM×40WDM×40Gb/s)Transmission,“Experiment Using Optical Heard Thresholding”,IEEE PHOTONICS TECNOLOGY LETTERS,vol.14,no.2,2002.
3.S.Boztas,R.Hammons,and P.V.Kumar,“4-phase sequences with nearoptimum correlation properties,”IEEE Trans.Inform.Theory,vol.38,pp.1101-1113,May 1992.
4.L.C.Tran,J.Seberry,B.J.Wysocki,T.A.Wysocki,T.Xia,and Ying Zhao,″Complex Orthogonal Sequences from Amicable Hadamard Matrices,″IEEE 59th Vehicular Technology Conference,Vol.3,pp.1490-1493,May 2004
文献1では,文献2で提案されたA系列群(family A sequence)と呼ばれる四値符号(A系列群符号)をOCDMに適用し,符号長255のA系列群への符号化/復号化を超格子構造ファイバ型回折格子(SSFBG)によって行うOCDMシステムについて報告している。しかし,SSFBGは作成時にそのデバイス構造が固定されてしまうため,A系列群符号を用いる場合にはA系列一つに対してSSFBGを一つ作成する必要がある。またA系列群符号で符号系列数を多くとるためには(すなわち多重/多元チャネル数を増加させるためには)長い符号長が必要となり,SSFBG型符号器/復号器を小型化することが困難となる。事実,文献1で利用されているSSFBG型符号器/復号器は全長が80mmある。
文献3でも符号長3の四値符号がOCDM用直交符号として利用されているが,符号体系は示されていない。また文献4では,二値アダマール符号を変換して多値アダマール符号を得るための計算機探索が報告されているが,体系的に符号を得ることができないため,ある符号長において取得可能な最大符号系列数や,最大相互相関値など,実用上大切な情報を得ることが困難である。また変換行列は発見的探索アルゴリズムで求める必要があり,符号長が長くなるにつれて多項式時間内に探索を終えることが困難になる。
このように,光処理による符号化/復号化に適し,相互相関値が低く抑えられる,OCDM/OCDMA用多値直交符号体系は現存していない。

産業上の利用分野


この発明は,光通信システムに関し,特に光符号分割多重通信(Optical Code Division Multiplexing)(OCDM)方式または光符号分割多元接続(Optical Code Division Multiple Access)(OCDMA)方式を用いた光通信システム,そのための光送信機および光受信機,光通信方法,光送信方法および光受信方法,ならびにそれらで用いる光相関器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】光送信機と光受信機を含み,
光送信機は,m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれかの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,この符号語によって送信すべき光信号を光学的にエンコードする光相関器を含み,
光受信機は,m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,受信する光信号をその符号語によって光学的にデコードする光相関器を含み,
上記光送信機または上記光受信機の上記光相関器が,
光導波路内に一定間隔で直列に配置された複数のブラッグ・グレーティングを有し,これらのブラッグ・グレーティングの反射率が上記の割当てられた符号語の振幅にあわせて調節され,かつ隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差が上記の割当てられた符号語の隣接要素間位相差にあわせてすべてのブラッグ・グレーティング間において等しくなるように調整された標本化ブラッグ・グレーティングと,
入力光信号を上記標本化ブラッグ・グレーティングに導き,上記標本化ブラッグ・グレーティングから出力される反射光波を取り出す光サーキュレータとを備えている,
光通信システム。
【請求項2】最大N個の光送信機を含み,各光送信機の光相関器にはそれぞれ異なる符号語が割当てられ,
最大N個の光受信機を含み,各光受信機の光相関器にはそれぞれ異なる符号語が割当てられている,
請求の範囲第1項に記載の光通信システム。
【請求項3】m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれかの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,この符号語によって送信すべき光信号を光学的にエンコードする光相関器を含み,
上記光相関器が,
光導波路内に一定間隔で直列に配置された複数のブラッグ・グレーティングを有し,これらのブラッグ・グレーティングの反射率が上記の割当てられた符号語の振幅にあわせて調節され,かつ隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差が上記の割当てられた符号語の隣接要素間位相差にあわせてすべてのブラッグ・グレーティング間において等しくなるように調整された標本化ブラッグ・グレーティングと,
入力光信号を上記標本化ブラッグ・グレーティングに導き,上記標本化ブラッグ・グレーティングから出力される反射光波を取り出す光サーキュレータとを備えている,
光送信機。
【請求項4】m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれかの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,受信する光信号をその符号語によって光学的にデコードする光相関器を含み,
上記光相関器が,
光導波路内に一定間隔で直列に配置された複数のブラッグ・グレーティングを有し,これらのブラッグ・グレーティングの反射率が上記の割当てられた符号語の振幅にあわせて調節され,かつ隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差が上記の割当てられた符号語の隣接要素間位相差にあわせてすべてのブラッグ・グレーティング間において等しくなるように調整された標本化ブラッグ・グレーティングと,
入力光信号を上記標本化ブラッグ・グレーティングに導き,上記標本化ブラッグ・グレーティングから出力される反射光波を取り出す光サーキュレータとを備えている,
光受信機。
【請求項5】上記光相関器から出力される光相関信号を光電変換して電気信号を出力する光電変換回路と,この光電変換回路の出力電気信号から,上記光相関器に割当てられた符号語以外の複素直交符号の符号語によって符号化されて生じた多重干渉信号の通過を低減する低域通過フィルタとをさらに備えた請求の範囲第4項に記載の光受信機。
【請求項7】m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれかの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,光導波路内に一定間隔で直列に配置された複数のブラッグ・グレーティングを有し,これらのブラッグ・グレーティングの反射率が上記の割当てられた符号語の振幅にあわせて調節され,かつ隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差が上記の割当てられた符号語の隣接要素間位相差にあわせてすべてのブラッグ・グレーティング間において等しくなるように調整された標本化ブラッグ・グレーティングと,
入力光信号を上記標本化ブラッグ・グレーティングに導き,上記標本化ブラッグ・グレーティングから出力される反射光波を取り出す光サーキュレータと,
を備えた光相関器。
【請求項8】上記標本化ブラッグ・グレーティングが標本化光ファイバ・ブラッグ・グレーティングである,請求の範囲第7項に記載の光相関器。
【請求項9】上記標本化ブラッグ・グレーティングの光導波路の全体に物理量を加えることにより,隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差またはブラッグ反射波長を等しく変化させ,かつこれらを相互に等しい所望の値に保つ物理量印加手段をさらに備えた,請求項7または8に記載の光相関器。
【請求項10】光送信側において,m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれかの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,送信すべき光信号を表わす光波からN個の光波を生成し,これらのN個の光波の時間軸上で隣接するものの間に,割当てられた符号語によって規定される等しい位相差を生じさせるように,送信すべき光信号を光学的にエンコードして送出し,
受信側において,m行n列の要素がexp[2πj(m-1)(n-1)/N](jは虚数単位)であるN×Nの正方行列のいずれの行によって表わされる符号長Nの複素直交符号の符号語が割当てられ,この符号語が,受信光信号をエンコードした符号語と同一の場合には強い自己相関を表わす光信号を出力し,異なる場合には自己相関出力と比べて弱い相互相関を表わす光信号を出力する光相関器を用いて,受信光信号を割当てられた符号語によって光学的にデコードし,
上記光相関器から出力される光相関信号を光電変換して電気信号を得,この電気信号から,低減通過フィルタによって,上記光相関器に割当てられた符号語以外の複素直交符号の符号語によって符号化されて生じた多重干渉信号を低減する,
光通信方法。
【請求項14】光導波路内に一定間隔で直列に配置された複数のブラッグ・グレーティングを有し,これらのブラッグ・グレーティングの反射率が,m行n列の要素がexp(2πj(m-1)(n-1)/N)(jは虚数単位)であるN×Nの正方行列の各行を符号語とする符号長Nの複素直交符号の符号語の一つの振幅にあわせて調整され,かつ隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差が上記複素直交符号の符号語の一つの隣接要素間位相差にあわせてすべてのブラッグ・グレーティング間において等しくなるように調整された標本化ブラッグ・グレーティングと,入力光信号を光サーキュレータによって上記標本化ブラッグ・グレーティングに導き,上記標本化ブラッグ・グレーティングから出力される反射光波を上記光サーキュレータによって取り出す機構とを備えた光相関器について,物理量印加手段を用いて上記標本化ブラッグ・グレーティングの光導波路の全体に物理量を加えることにより,隣接するブラッグ・グレーティングによって反射される光波の位相差またはブラッグ反射波長を等しく変化させ,かつこれらを相互に等しい所望の値に保つことにより,上記光相関器において上記複素直交符号の一符号語を,同じ正方行列の異なる行から得られる他の符号語に切り替える符号切り替え方法。
産業区分
  • 伝送方式
  • 光学装置
  • ラジオ放送
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010519129thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) WO2010/002041
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