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酸化防止膜被覆金属の製造方法

国内特許コード P120006436
整理番号 23596
掲載日 2012年1月10日
出願番号 特願2011-168725
公開番号 特開2012-046822
登録番号 特許第5888721号
出願日 平成23年8月1日(2011.8.1)
公開日 平成24年3月8日(2012.3.8)
登録日 平成28年2月26日(2016.2.26)
優先権データ
  • 特願2010-172083 (2010.7.30) JP
発明者
  • 山田 太郎
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 酸化防止膜被覆金属の製造方法
発明の概要 【課題】大気圧近傍の酸化性ガス中における金属表面の酸化を抑える。
【解決手段】本発明に係る酸化防止膜被覆金属の製造方法は、アルミニウム、鉄、銀および銅ならびにこれらを主成分とする合金の群から選択される金属の表面にチオール基含有炭化水素化合物を吸着させて、該チオール基含有炭化水素化合物の薄膜を該金属の表面に形成する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



アルミニウム金属およびアルミニウム基合金金属は一般に酸化されやすく、切削加工等により切り出された清浄な表面も大気中では即座に酸化され、表面が酸化アルミニウムの薄膜で覆われてしまうことがよく知られている。例えば、大気中では、数分間で厚さ10nm前後の酸化膜が表面に形成される。逆に言えば、表面に安定な酸化アルミニウムの薄膜が形成されることによって、これらの金属が保護され、安定した実用にかなうものとなっている。アルマイト膜の作製およびパーカライジング等の技術が幅広く用いられているのもこの点にある。





しかしながらこれらの酸化膜は空気中では薄くても10nm以下とはなり難い。したがって、アルミニウム素材を空気中で扱う限り、ナノメートルの桁の寸法での加工は不可能である。アルミニウムと酸素との結合性があまりにも高いため、このレベルでの酸化防止技術は想像だにされていないのが実情である。一方、近来発展の著しいナノテクノロジーの分野においては、数多くの種類の素材をナノメートルの寸法に加工する技術が各種開発されてきている。実際、ケイ素ウエハベースでの超高集積度半導体回路作成技術において、100nm以下のルーラーではアルミニウム配線の使用が一部困難となり、銅の配線に切り替えられるに及んでいる。





しかしナノテクノロジーではアルミニウムの特性を生かさなければならない局面も多々存在する。技術として厚さ10nmの酸化膜の形成を防止して意味をもたせるには、厚さ1nm前後の酸素を含まない素材で表面を覆って、酸化防止ができることが必要となる。厚さ1nmというと、表面上の単分子吸着層程度の厚さである。これまでに、金属の表面に有機化合物の層を形成させて酸化耐性を付与する試みがなされてきている。





例えばHamzaらは、清浄アルミニウム表面にC60(フラーレン化合物)分子の単分子吸着層を作製し、超高真空環境下で水分子に対する酸化耐性を見出している(非特許文献1)。またBellittoらは、清浄アルミニウム単結晶表面にフルオロカーボンカルボン酸を吸着させて単分子層を形成し、低圧力の酸素分子に対する耐性を見出している(特許文献1)。またJouetらは、水素化アルミニウム系の材料を同様の長鎖フルオロカーボンカルボン酸と共存させ、金属アルミニウム微粒子(直径10nm以上)が析出すると同時に単分子層で覆われて不動態化させることを試みて、酸化しにくい微粒子混合物を作製している(特許文献2、非特許文献2)。

産業上の利用分野



本発明は、酸化防止膜被覆金属の製造方法および酸化防止膜被覆金属に関し、詳細には、金属表面に酸化防止膜を形成させる酸化防止膜被覆金属の製造方法および当該製造方法により好適に得られる酸化防止膜被覆金属に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金である金属の表面にチオール基含有炭化水素化合物を吸着させて、該チオール基含有炭化水素化合物の薄膜を該金属の表面に形成する酸化防止膜形成工程を含み、
上記酸化防止膜形成工程に先立って、上記金属の表面を超高真空中で清浄し、
上記チオール基含有炭化水素化合物の吸着は、上記金属の表面を、ガス化した上記チオール基含有炭化水素化合物に露出させることによって行うことを特徴とする酸化防止膜被覆金属の製造方法。

【請求項2】
上記酸化防止膜形成工程の後に、上記薄膜を形成している上記チオール基含有炭化水素化合物同士を結合させる処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
上記処理が上記薄膜に対するエネルギー線の照射であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。

【請求項4】
上記金属の表面に上記チオール基含有炭化水素化合物を吸着させた後に、エネルギー線を照射することを特徴とする請求項に記載の製造方法。

【請求項5】
上記エネルギー線が、電子線、イオンビーム、紫外線、エキシマレーザ光またはVUV軌道放射光であることを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。

【請求項6】
残留ガス圧が10-6Pa以下の状態で、上記エネルギー線を照射することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。

【請求項7】
上記薄膜がチオール基含有炭化水素化合物の単分子層であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項8】
上記薄膜がチオール基含有炭化水素化合物の多分子層であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項9】
上記酸化防止膜形成工程の後に、上記薄膜を、上記金属の融点未満の温度で加熱することを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項10】
上記チオール基含有炭化水素化合物は、炭素原子数が6以上であることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項11】
上記チオール基含有炭化水素化合物は、炭素原子数が12以上であることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項12】
上記チオール基含有炭化水素化合物がアルカンチオールであることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項13】
上記チオール基含有炭化水素化合物が、1-オクタンチオール、1-ドデカンチオール、1-オクタデカンチオールまたは4-ビフェニルチオールであることを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載の製造方法。

【請求項14】
上記チオール基含有炭化水素化合物は、炭素原子に結合している水素原子の1つ以上がフッ素原子に置換されている化合物であることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011168725thum.jpg
出願権利状態 登録
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