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PET装置およびそのイメージング方法

国内特許コード P120006445
整理番号 23412
掲載日 2012年1月10日
出願番号 特願2011-169839
公開番号 特開2013-033001
登録番号 特許第5526435号
出願日 平成23年8月3日(2011.8.3)
公開日 平成25年2月14日(2013.2.14)
登録日 平成26年4月25日(2014.4.25)
発明者
  • 福地 知則
  • 榎本 秀一
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 PET装置およびそのイメージング方法
発明の概要 【課題】 PET装置において複数分子同時イメージングを行う。
【解決手段】 ベータ崩壊後にガンマ崩壊によって固有ガンマ線を放出する核種含む第1プローブ第2プローブとの双方が撮像対象に投与され複数プローブのPET装置100により撮像される。複数プローブのPET装置100は、PET用ガンマ線検出器10の群とエネルギー分解型ガンマ線検出器20とを備え、イメージング処理部30が、PET用ガンマ線検出器10の群からの対消滅検出信号から画像の再構成処理を行なう際に、固有ガンマ線のエネルギーによって画像を別々に再構成する。固有ガンマ線を放出しない核種と固有ガンマ線を放出する核種を用いたイメージングも行なわれる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



近年の医療技術の進歩の一つに、断層撮像を用い生体中のトレーサー分子の分布を非侵襲的にイメージングする手法の発達を挙げることができる。例えば核医学における診断装置の一つとして陽電子放出断層撮像(positron emission tomography:PET)装置が実用化されている。PET装置で検出するのは、ベータ崩壊(β崩壊、陽電子崩壊)により放出された陽電子(ポジトロン)が物質中の電子と対消滅した際に放出される2本のガンマ線(以下、「対消滅ガンマ線」という)である。この対消滅ガンマ線は、互いにほぼ180度逆向きに放出され、それぞれが511keVのエネルギーを持つ一対のガンマ線である。PET装置では、対消滅ガンマ線を検出した対をなす検出器を結ぶ直線を多数同定することにより、ベータ崩壊を起こす放射性同位元素の原子核(以下「陽電子放出核」という)の分布が推定できる。例えば、がん細胞に集積する薬剤分子を陽電子放出核により標識し、その薬剤を投与した生体(被験者)を撮像対象としてPET装置によりイメージングすれば、生体内でのがん細胞の3次元的な分布画像を得ることが可能である。PET装置と同様に生体の機能画像を得るための核医学的画像診断装置である単一光子放射断層撮影(single photon emission computed tomography:SPECT)装置等と比較して、PET装置はガンマ線コリメータが不要であることから、一般的に感度、定量性の面で優れている。





一方、ライフサイエンスや医学の進展に伴い、複数の分子動態が複雑にからみ合うことによって生体の機能が発現したり病巣が形成されたりしていることが解明されつつある。そのため、異なる放射性核種によって標識した複数の薬剤を投与し、薬剤それぞれの分布を一度にイメージングする手法(以下「複数分子同時イメージング法」という)の研究が進められている。複数分子同時イメージング法を実現するために、例えば、単一光子放射断層撮影法(SPECT)やコンプトンカメラを利用することが試みられている。





その一方、陽電子崩壊の後にガンマ崩壊が起こり、その際に放出される核種に固有なエネルギーのガンマ線(以下、「固有ガンマ線」)を対消滅ガンマ線とともに検出する手法が開示されている。例えば、非特許文献1(James D. Kurfess et al, IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record, 2001 vol.2 p.1166-1170)や特許文献1(米国特許第4833327号明細書)には、単一の核種の固有ガンマ線を用いて、PET画像の解像度を高める手法が開示されている。

産業上の利用分野



本発明はPET装置およびそのイメージング方法に関する。さらに詳細には、本発明は、撮像対象の各部において集積している複数のプローブを同時にイメージングするためのPET装置およびそのイメージング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ベータ崩壊によって娘核の励起状態となり、当該ベータ崩壊による陽電子放出に続けて娘核の基底状態に遷移する際に第1エネルギーの固有ガンマ線を放出する核種を含む第1プローブと、ベータ崩壊によって娘核の励起状態となり、当該ベータ崩壊による陽電子放出に続けて娘核の基底状態に遷移する際に第2エネルギーの固有ガンマ線を放出する核種を含む第2プローブとの双方が投与されている撮像対象から、陽電子と電子の対消滅により発生する一対の対消滅ガンマ線を受けるようになっているPET用ガンマ線検出器の群と、
いずれかの前記固有ガンマ線を検出するようになっており、前記第1エネルギーと前記第2エネルギーとを分解するエネルギー分解型ガンマ線検出器と、
該PET用ガンマ線検出器の群に属する一対のPET用ガンマ線検出器による同時計測により得られる対消滅検出信号と、前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの信号との双方を受信し、前記対消滅ガンマ線の検出から所定の時間内に検出された固有ガンマ線のエネルギーが前記第1のエネルギーであるか前記第2のエネルギーであるかに応じ、前記対消滅検出信号から画像の再構成処理を区別して実行するイメージング処理部と
を備える
複数プローブをイメージングするためのPET装置。

【請求項2】
ベータ崩壊によって娘核の励起状態となり、当該ベータ崩壊による陽電子放出に続けて娘核の基底状態に遷移する際に固有ガンマ線を放出する核種を含む第1プローブと、ベータ崩壊によって主に娘核の基底状態となる陽電子放出核を含むPET用プローブとの双方が投与されている撮像対象から、陽電子と電子の対消滅により発生する一対の対消滅ガンマ線を受けるようになっているPET用ガンマ線検出器の群と、
前記第1プローブから放出される前記固有ガンマ線を受けるようになっているエネルギー分解型ガンマ線検出器と、
該PET用ガンマ線検出器の群に属する一対のPET用ガンマ線検出器による同時計測により得られる対消滅検出信号と、前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの信号との双方を受信し、前記対消滅ガンマ線の検出と固有ガンマ線の検出とが所定の時間内に生じたかどうかに応じ、前記対消滅検出信号から画像の再構成処理を区別して実行するイメージング処理部と
を備える
複数プローブをイメージングするためのPET装置。

【請求項3】
前記イメージング処理部が、
受信した前記対消滅検出信号と前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの前記信号とに含まれているガンマ線のエネルギー値にさらに応じて前記対消滅検出信号から画像の再構成処理を区別して実行するものである
請求項2に記載のPET装置。

【請求項4】
前記イメージング処理部が、
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの前記所定の時間内の対消滅検出信号のうち前記固有ガンマ線の検出を伴っていない事象に基づいて前記第1プローブと前記PET用プローブとのうちのいずれかであることを示す一の分布像を再構成処理し、
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの前記所定の時間内の対消滅検出信号のうち前記固有ガンマ線の検出を伴っている事象に基づいて前記第1プローブの他の分布像を再構成処理する
ものである
請求項2または請求項3に記載のPET装置。

【請求項5】
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器として機能するガンマ線検出器が、対消滅ガンマ線を受けるようになっている前記PET用ガンマ線検出器の群とは別に設けられたガンマ線検出器である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項6】
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器として機能するガンマ線検出器が、対消滅ガンマ線を受けるようになっている前記PET用ガンマ線検出器の群をなす少なくとも一のガンマ線検出器である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項7】
前記PET用ガンマ線検出器の群がシンチレーション検出器の群である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項8】
前記PET用ガンマ線検出器の群が半導体ガンマ線検出器の群である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項9】
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器がシンチレーション検出器である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項10】
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器が半導体ガンマ線検出器である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項11】
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器が、前記PET検出器の群によるフィールド・オブ・ビューの外部からのガンマ線を遮るシールドを備えている
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項12】
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器の配置は、各エネルギー分解型ガンマ線検出器と各PET検出器とを結ぶ直線が、前記PET検出器の群によるフィールド・オブ・ビューを通過しないような配置である
請求項1または請求項2に記載のPET装置。

【請求項13】
ベータ崩壊によって娘核の励起状態となり、当該ベータ崩壊による陽電子放出に続けて娘核の基底状態に遷移する際に第1エネルギーの固有ガンマ線を放出する核種を含む第1プローブと、ベータ崩壊によって娘核の励起状態となり、当該ベータ崩壊による陽電子放出に続けて娘核の基底状態に遷移する際に第2エネルギーの固有ガンマ線を放出する核種を含む第2プローブとの双方が投与されている撮像対象から、陽電子と電子の対消滅により発生する一対の対消滅ガンマ線をPET用ガンマ線検出器の群により同時計測するステップと、
いずれかの前記固有ガンマ線を検出するようになっており、前記第1エネルギーと前記第2エネルギーとを分解するエネルギー分解型ガンマ線検出器により計測するステップと、
前記PET用ガンマ線検出器の群に属する一対のPET用ガンマ線検出器による同時計測により得られる対消滅検出信号と、前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの信号との双方を受信し、前記対消滅ガンマ線の検出から所定の時間内に検出された固有ガンマ線のエネルギーが前記第1のエネルギーであるか前記第2のエネルギーであるかに応じ、前記対消滅検出信号から画像の再構成処理を区別して実行するイメージング処理ステップと
を含む
PET装置における複数プローブのイメージング方法。

【請求項14】
ベータ崩壊によって娘核の励起状態となり、当該ベータ崩壊による陽電子放出に続けて娘核の基底状態に遷移する際に固有ガンマ線を放出する核種を含む第1プローブと、ベータ崩壊によって主に娘核の基底状態となる陽電子放出核を含むPET用プローブとの双方が投与されている撮像対象から、陽電子と電子の対消滅により発生する一対の対消滅ガンマ線をPET用ガンマ線検出器の群により同時計測するステップと、
前記第1プローブから放出される前記固有ガンマ線をエネルギー分解型ガンマ線検出器により計測するステップと、
前記PET用ガンマ線検出器の群に属する一対のPET用ガンマ線検出器による同時計測により得られる対消滅検出信号と、前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの信号との双方を受信し、前記対消滅ガンマ線の検出と固有ガンマ線の検出とが所定の時間内に生じたかどうかに応じ、前記対消滅検出信号から画像の再構成処理を区別して実行するイメージング処理ステップと
を含む
PET装置における複数プローブのイメージング方法。

【請求項15】
前記イメージング処理ステップが、受信した前記対消滅検出信号と前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの前記信号とに含まれているガンマ線のエネルギー値にさらに応じて前記対消滅検出信号から画像の再構成処理を区別して実行するものである
請求項14に記載の複数プローブのイメージング方法。

【請求項16】
前記イメージング処理ステップが、
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの前記所定の時間内の対消滅検出信号のうち前記固有ガンマ線の検出を伴っていない事象に基づいて、前記第1プローブと前記PET用プローブとのうちの少なくともいずれかの分布像を再構成処理するステップと、
前記エネルギー分解型ガンマ線検出器からの前記所定の時間内の対消滅検出信号のうち前記固有ガンマ線の検出を伴っている事象に基づいて、前記第1プローブの分布像を再構成処理するステップと
を含むものである
請求項14または請求項15に記載のイメージング方法。

【請求項17】
前記第1プローブの前記核種と、前記第2プローブの前記核種とが、それぞれ、14O、38K、44Sc、48V、52mMn、60Cu、76Br、82Rb、94mTc、124I、および22Naからなる核種の群から選択される一の核種と他の核種とである
請求項13に記載のイメージング方法。

【請求項18】
前記第1プローブの前記核種が、14O、38K、44Sc、48V、52mMn、60Cu、76Br、82Rb、94mTc、124I、および22Naからなる核種の群から選択される一の核種である
請求項14に記載のイメージング方法。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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