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光学デバイス、光学分析チップ、およびその製造方法

国内特許コード P120006448
整理番号 23358
掲載日 2012年1月10日
出願番号 特願2011-057556
公開番号 特開2012-194020
登録番号 特許第5700424号
出願日 平成23年3月16日(2011.3.16)
公開日 平成24年10月11日(2012.10.11)
登録日 平成27年2月27日(2015.2.27)
発明者
  • 杉岡 幸次
  • サボルクス ベケ
  • 緑川 克美
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 光学デバイス、光学分析チップ、およびその製造方法
発明の概要 【課題】 透明媒体中の埋設路を利用する光学的測定を容易にする。
【解決手段】 本発明のある態様においては、少なくとも一部において外部と連通する埋設路110が内部に形成された透明媒体102と、埋設路110を囲む壁面の少なくとも一部に配置された透明被覆体120とを備えた光学デバイス100が提供される。ある典型的な透明被覆体120は、前駆体ゾルからゾルゲル法により形成された透明導電体であり、別の典型的な透明被覆体120は、透明媒体102より高い屈折率を有しているとともに、埋設路の内部に流体用通路130を残すように配置されている。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



中空構造を形成した透明媒体は、例えば太陽電池および有機ELディスプレイなどの各種電子デバイス、ならびにMEMS(micro electro mechanical systems)に適用される可能性を秘めている。そのような媒体のうち近年注目を集めているものにマイクロ流体デバイス(microfluidics devices)と呼ばれる装置を挙げることができる。マイクロ流体デバイスは、ガラスやサファイヤなどの透明媒質または透明媒体の内部に3次元的な微細な中空構造を形成し、その中空構造をマイクロチャネルなどの流路として利用するものである。マイクロ流体デバイスの適用分野として有望視されているものに、バイオテクノロジー等の分野に用いられるLab on a chip、μ-TAS(micro total analysis system) といったマイクロチップを挙げることができる。これらのマイクロチップは、何らかの分析、実験、観察または検査(以下、分析等という)において、対象物が流体である場合や、例えば細胞などの流体とともに存在するものである場合に利用される。マイクロチップの中には、マイクロチャネルの内部の現象を外部から光学的に分析等するものも知られている。そのような分析等の精度を高め作業を容易にする目的で、マイクロチップに複数の機能を集積することが研究開発の対象となっている。マイクロ流体デバイスを用いて光学的な分析等を行なうための装置は、特に光学流体デバイス(optofluidics devices)と呼ばれることもある。





マイクロチャネルなど中空構造を透明媒体中に作製するために光学的手段を活用する手法も知られている。例えば、フェムト秒レーザー光を利用する手法が非特許文献1(K. Sugioka et. al, Applied Physics A81, 1 (2005))に報告されている。この報告による手法においては、可視から赤外の波長域のピコ秒(10-12秒)より短いパルス期間のレーザー(フェムト秒レーザー)が感光性ガラスの内部に集光して照射される。すると、レーザーが照射された部分のうち、集光によってある強度以上にエネルギーが集中した部分においてのみ感光性ガラスの材質が改質される。その後にフッ酸などの酸水溶液によってエッチングを行なうと、改質された部分の材質が、改質されていない他の部分に比して高い選択比でエッチングされ選択的に除去される。この手法を用いると、透明な感光性ガラスの内部に精密なパターンを持つ中空構造、例えば3次元的なマイクロチャネルを形成することが可能となる。





一方、透明媒体の内部に設けられた中空構造を電気的な経路つまり導体配線として利用するための技術も開発されている。例えば、絶縁体の内部に形成された中空構造の表面にメッキにより選択的に金属配線を形成する手法が特許文献1(特開2005-209817号公報)に開示されている(特許文献1、段落[0014])。別の例として、金属配線の形成のために中空構造に対して金属により導電性を付与することも試みられている。例えば、特許文献2(特開2009-176926号公報)には、例えばAu80wt%-Sn20wt%の金錫合金を中空構造の中に充填する溶融金属充填法が開示されている(特許文献2、段落[0027]、[0028])。

産業上の利用分野



本発明は、光学デバイス、光学分析チップ、およびその製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、透明被覆体が壁面に配置されている埋設路を有する光学デバイス、光学分析チップ、およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
天面を有する感光性ガラスの透明媒体ブロックであって、該天面に平行に延びる部分を持ち少なくとも一のポートにおいて該透明媒体ブロックの外部と連通している埋設路が、該透明媒体ブロックの材質を除去したトンネル状の中空構造として内部に形成された透明媒体ブロックと、
該埋設路の前記部分を囲む前記透明媒体の内壁面の少なくとも一部に配置された透明被覆体と
を備え、
該透明被覆体が、前記ポートを通じて前記埋設路の内側に配置された該透明被覆体の前駆体ゾルからゾルゲル法により形成された透明導電体である
光学デバイス。

【請求項2】
前記透明被覆体が、前記透明媒体より高い屈折率を有しているとともに、前記埋設路の内側、前記透明媒体ブロックの外部と前記ポートを通じ連通している流体用通路を残すように配置されている
請求項1に記載の光学デバイス。

【請求項3】
前記透明被覆体がスズドープインジウム酸化物(ITO)である
請求項1または請求項2に記載の光学デバイス。

【請求項4】
前記透明被覆体が、インジウムアルコキシド溶液とスズアルコキシド溶液とを混合したITOゾルからゾルゲル法により形成されたITOである
請求項3に記載の光学デバイス。

【請求項5】
前記埋設路が、感光性ガラスである前記透明体ブロックの内部にフェムト秒レーザーを集光照射して形成されたものである
請求項1または請求項2に記載の光学デバイス。

【請求項6】
前記透明媒体ブロック外部から内部にフェムト秒レーザーを集光照射した位置から該透明媒体の材質を除去したトンネル状の中空構造として形成され前記透明媒体ブロックの外部と連通している前記埋設路とは別の流体用通路をさらに含む
請求項に記載の光学デバイス。

【請求項7】
前記透明媒体ブロックにおけるトンネル状の中空構造が、前記透明媒体ブロックの厚み方向にみて互いに連通することなく複数重なっている部分を有する
請求項1に記載の光学デバイス。

【請求項8】
前記埋設路に被検査流体が通るようになっている請求項1または請求項2に記載の光学デバイスを備えており、
前記透明媒体ブロックの内部にトンネル状の中空構造に形成された前記埋設路を利用す
光学分析チップ。

【請求項9】
前記透明媒体ブロックの内部に形成されており、前記埋設路の長手方向に向けて前記透明被覆体へとプローブ光を導く入射光導波路と、
前記透明媒体ブロックの内部に形成されており、前記被検査流体と相互作用した該プローブ光を前記透明被覆体から導く出射光導波路と
をさらに備える
請求項8に記載の光学分析チップ。

【請求項10】
前記埋設路が両端で前記透明媒体ブロックの外部に対して連通しており、透明導電体である前記透明被覆体が該埋設路の一端から他端に電気的につながり該一端と該他端とに接続された電流源からの電流を流すようになっており、前記流体用通路が検査流体を通すようになっている請求項6に記載の光学デバイス
を備え、
前記流体用通路が前記埋設路の近傍に形成されている
前記透明媒体ブロックの内部にトンネル状の中空構造に形成された前記埋設路を利用する光学分析チップ。

【請求項11】
前記光学デバイスに形成されており、前記被検査流体が通っている前記流体用通路の少なくとも一部に対して照射されるプローブ光を導く入射光導波路と、
前記光学デバイスに形成されており、該プローブ光が前記被検査流体を透過した透過光を導き、前記埋設路の前記近傍において、前記流体用通路を挟んで前記照射導波路に光を結合させるようになっている出射光導波路と
をさらに備える
請求項10に記載の光学分析チップ。

【請求項12】
前記埋設路が、被検査流体を収容するようになっている薄層形状に形成され、該被検査流体を供給または排出するためのポートにおいて前記透明媒体ブロックの外部と連通しており、
前記透明被覆体が、該埋設路の前記内壁面に該薄層形状の広がりに沿って形成され、該埋設路の該薄層形状の範囲に収容されている被検査流体の少なくとも一部に対して作用電極として機能する、前記透明媒体ブロックの外部に電気的に接続されている透明導電体である、請求項1または請求項2に記載の光学デバイス
を備え
前記透明媒体ブロックの内部にトンネル状の中空構造に形成された前記埋設路を利用する光学分析チップ。

【請求項13】
天面を有する感光性ガラスの透明媒体ブロックの内部に、該天面に平行に延びる部分を持ち少なくとも一のポートにおいて該透明媒体ブロックの外部と連通する埋設路を形成する工程と、
該埋設路の内側に、透明導電体である透明被覆体の前駆体ゾルを前記ポートを通じ配置する工程と、
前記埋設路の前記部分を囲む前記透明媒体の内壁面の少なくとも一部に、ゾルゲル法により前記透明被覆体を前記前駆体ゾルから形成する工程と
を含み、
前記埋設路を形成する工程が、前記透明媒体ブロックの外部から内部の前記埋設路を形成する位置にフェムト秒レーザーを集光照射することにより、トンネル状の中空構造をなすように前記透明媒体の内部の材質を除去する工程を含むものである
光学デバイスの製造方法。

【請求項14】
前記埋設路を形成する工程が、前記埋設路の内側前記透明媒体ブロックの外部と前記ポートを通じ連通している流体用通路を残して、前記埋設路を囲む前記透明媒体の内壁面の少なくとも一部に前記透明媒体より高い屈折率を有している透明被覆体を配置する工程である、
請求項13に記載の光学デバイスの製造方法。

【請求項15】
前記透明被覆体がスズドープインジウム酸化物(ITO)である、
請求項13または請求項14に記載の光学デバイスの製造方法。

【請求項16】
前記前駆体ゾルが、インジウムアルコキシド溶液と、スズアルコキシド溶液との混合溶液であるITOゾルであり、
前記透明被覆体が、該ITOゾルからゾルゲル法により形成されたITOである
請求項15に記載の光学デバイスの製造方法。

【請求項17】
前記透明媒体ブロックの外部と連通する前記埋設路とは別の流体用通路を、前記透明媒体ブロックの外部から内部にフェムト秒レーザーを集光照射した位置から該透明媒体の材質を除去したトンネル状の中空構造として形成する工程
をさらに含む
請求項13または請求項14に記載の光学デバイスの製造方法。

【請求項18】
入射光導波路および出射光導波路のうちの少なくともいずれかを前記透明媒体ブロックの内部に形成する工程
をさらに含む
請求項13または請求項14に記載の光学デバイスの製造方法。

【請求項19】
前記壁面の前記透明被覆体を、前記透明媒体ブロックの外部から照射したレーザーにより少なくとも部分的に除去する工程
をさらに含む
請求項13または請求項14に記載の光学デバイスの製造方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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