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アンジュレータ磁石列およびアンジュレータ

国内特許コード P120006451
整理番号 23310
掲載日 2012年1月10日
出願番号 特願2011-021205
公開番号 特開2012-160408
登録番号 特許第5649058号
出願日 平成23年2月2日(2011.2.2)
公開日 平成24年8月23日(2012.8.23)
登録日 平成26年11月21日(2014.11.21)
発明者
  • 田中 隆次
  • 北村 英男
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 アンジュレータ磁石列およびアンジュレータ
発明の概要 【課題】 発生する放射光の波長を大きく変えることが可能なアンジュレータを提供する。
【解決手段】 対向する2つのアンジュレータ磁石列は、磁石の配列方向における相対位置が可変であり、着磁周期の前半および後半それぞれによって、着磁周期の1/2の周期の磁場を形成し、着磁周期の全体によって、着磁周期と同じ周期の磁場を形成するように着磁されて、両者の合成磁場を形成する。磁石の配列方向における2つのアンジュレータ磁石列の相対位置のずれ量によって、磁場合成の割合が調整される。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



放射光施設で電子ビームから放射光を取り出すために使用されるアンジュレータは、周期的な磁場を形成する装置であり、互いに対向するように平行に配置された1対の磁石列を有し、磁石列の間隙を通る光速に近い速度の電子を蛇行運動させることによって、強力な放射光を発生させる。周期磁場を形成するためには永久磁石および電磁石のどちらも利用可能であるが、特にX線領域の波長の短い放射光を得るためには、磁場の周期を数センチメートル程度あるいはそれよりも短くする必要があるため、電磁石では充分な強度の磁場を形成することができない。このため、殆どのアンジュレータで永久磁石が採用されている。





従来のアンジュレータで使用されている永久磁石の磁石列の例を図11に示す。図11の(a)に示すアンジュレータ磁石列90においては、第1の磁石列90aと第2の磁石列90bがそれぞれ、1周期λに4個の磁石を含み、個々の磁石は、着磁方向(白抜き矢印で表す)が、第1の磁石列90aと第2の磁石列90bを含む面内で、90゜ずつ変化するように着磁されている(非特許文献1)。個々の磁石の着磁方向は、磁石の配列方向に対して、平行または垂直である。このアンジュレータ磁石列90は、発明者の名をとって、Halbach型磁石列などと呼ばれている。なお、着磁方向とは、磁石の両極(S極およびN極)を結ぶ方向であり、本明細書においては、磁石のS極からN極に向かう方向を着磁方向という。





(b)のアンジュレータ磁石列91は、(a)のアンジュレータ磁石列90と同様に、1周期λに4個の磁石を含んでいるが、個々の磁石の着磁方向は、磁石の配列方向に対して45゜の角度を成している(非特許文献2)。また、(c)のアンジュレータ磁石列92は、1周期λに6個の磁石を含み、個々の磁石は、着磁方向が60゜ずつ変化する(非特許文献3)。





第1の磁石列90aと第2の磁石列90bとの間隙を通る光速に近い電子(図11の(a)参照)は、第1の磁石列90aと第2の磁石列90bとによって形成される周期磁場の作用によって蛇行運動をして、式1で与えられる波長λの光を放出する。

λ(λ,B,E)=130λ[1+(93.37λB)/2]/E

…(1)





ここで、λはナノメートルで表した放射光の波長(基本波長と呼ばれる)、λはメートルで表した磁石列の周期長、Bはテスラで表した磁場振幅、Eはギガ電子ボルトで表した電子のエネルギである。

産業上の利用分野



本発明は、放射光施設において電子ビームから放射光を取り出すために使用されるアンジュレータ、およびアンジュレータに用いられる磁石列に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
互いに対向するように間隙をあけて平行に配置された第1の磁石列および第2の磁石列を有し、第1の磁石列に含まれる磁石の着磁方向および第2の磁石列に含まれる磁石の着磁方向が、第1の磁石列および第2の磁石列を含む面内で、磁石の配列に沿って一定の周期で繰り返し変化するアンジュレータ磁石列であって、
第1の磁石列および第2の磁石列は、磁石の配列方向における相対位置が可変であり、
第1の磁石列および第2の磁石列の着磁の1周期の長さをλとするとき、
第1の磁石列および第2の磁石列は、各周期の前半に含まれる磁石および後半に含まれる磁石それぞれによってλ/2の周期を有する磁場を形成し、かつ、各周期の全体に含まれる磁石によってλの周期を有する磁場を形成するように、着磁されていることを特徴とするアンジュレータ磁石列。

【請求項2】
磁石の配列方向における基準位置からの距離をzとし、磁石の配列方向における第1の磁石列と第2の磁石列との相対位置のずれ量をΔzとし、第1の磁石列および第2の磁石列の各周期の前半に含まれる磁石および後半に含まれる磁石それぞれによって形成されるλ/2の周期を有する磁場をB(z)とし、第1の磁石列および第2の磁石列の各周期の全体に含まれる磁石によって形成されるλの周期を有する磁場をB(z)とするとき、
第1の磁石列および第2の磁石列は全体として、
(z)=B(z)cos(2πΔz/λ
+B(z)cos(πΔz/λ
で表される磁場Bc(z)を形成することを特徴とする請求項1に記載のアンジュレータ磁石列。

【請求項3】
第1の磁石列および第2の磁石列の着磁の1周期に含まれる磁石の数をnで表すとき、
第1の磁石列の各周期において、前半のn/2個の磁石の着磁方向は720゜/nずつ順に変化し、(n-k+1)番目の磁石の着磁方向は、k番目の磁石の着磁方向を、第1の磁石列および第2の磁石列を含む面に垂直で磁石の配列に平行な面に関して、反転した方向であり、
第2の磁石列の各周期のk番目の磁石の着磁方向は、第1の磁石列の各周期のk番目の磁石の着磁方向を、第1の磁石列および第2の磁石列を含む面に垂直で磁石の配列に垂直な面に関して、反転した方向であることを特徴とする請求項2に記載のアンジュレータ磁石列。

【請求項4】
第1の磁石列および第2の磁石列それぞれの着磁の1周期に8個の磁石が含まれ、
第1の磁石列および第2の磁石列の磁石の配列の一方向を第1の方向とし、第1の方向に垂直で、第1の磁石列から第2の磁石列に向かう方向を第2の方向とするとき、
第1の磁石列の各周期において、2番目の磁石および6番目の磁石の着磁方向は第2の方向であり、4番目の磁石および8番目の磁石の着磁方向は第2の方向に対して反対の第3の方向であり、1番目の磁石の着磁方向は第1の方向に対して鋭角かつ第2の方向に対して鈍角の第4の方向であり、3番目の磁石の着磁方向は第4の方向に対して反対の第5の方向であり、5番目の磁石の着磁方向は第1の方向に対して鋭角かつ第2の方向に対して鋭角の第6の方向であり、7番目の磁石の着磁方向は第6の方向に対して反対の第7の方向であり、
第2の磁石列の各周期のk番目の磁石の着磁方向は、第1の磁石列の各周期のk番目の磁石の着磁方向を、第1の磁石列および第2の磁石列を含む面に垂直で磁石の配列に垂直な面に関して、反転した方向であることを特徴とする請求項2に記載のアンジュレータ磁石列。

【請求項5】
第1の磁石列および第2の磁石列の磁石のうち、着磁方向が磁石の配列方向に平行でなく垂直でもない磁石は、着磁方向が磁石の配列方向に平行な磁石と、着磁方向が磁石の配列方向に垂直な磁石との組み合せから成ることを特徴とする請求項3または4に記載のアンジュレータ磁石列。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のアンジュレータ磁石列と、
第1の磁石列および第2の磁石列を保持するとともに、第1の磁石列および/または第2の磁石列を磁石の配列方向に移動させて、磁石の配列方向における第1の磁石列と第2の磁石列との相対位置を変化させる保持部と、
使用者から与えられる指示に応じて、第1の磁石列および/または第2の磁石列を磁石の配列方向に移動させるように、保持部を制御する制御部とを備えることを特徴とするアンジュレータ。

【請求項7】
保持部が第1の磁石列と第2の磁石列との相対位置を変化させる距離は、着磁の1周期の1/2までの範囲内で可変であることを特徴とする請求項6に記載のアンジュレータ。

【請求項8】
保持部は、第1の磁石列と第2の磁石列との間隔を変えることが可能であり、
制御部は、使用者から与えられる指示に応じて、第1の磁石列と第2の磁石列との間隔を変えるように、保持部を制御することを特徴とする請求項6または7に記載のアンジュレータ。
産業区分
  • 原子力
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011021205thum.jpg
出願権利状態 登録
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