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新規ピシウム菌 新技術説明会

国内特許コード P120006503
整理番号 S2010-0663-N0
掲載日 2012年1月16日
出願番号 特願2010-144990
公開番号 特開2012-005426
登録番号 特許第5717121号
出願日 平成22年6月25日(2010.6.25)
公開日 平成24年1月12日(2012.1.12)
登録日 平成27年3月27日(2015.3.27)
発明者
  • 東條 元昭
  • 小林 咲麗
  • 柿嶌 眞
  • 埋橋 志穂美
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 新規ピシウム菌 新技術説明会
発明の概要 【課題】ピシウム・ウルティマムのような病原性を有するピシウム属菌に対して拮抗性を有する新規なピシウム・ナンの提供。
【解決手段】rDNAの5.8Sを含むITS領域に特定の塩基配列を有する、ピシウム・ナン。ピシウム・ウルティマムのような病原性を有するピシウム属菌に対して拮抗性を有する、ピシウム・ナン。該菌をピシウム・ウルティマムなどの病原性菌が生息する土壌に散布して、立枯病などの植物病害を防除する。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


ピシウム属菌は世界各地の土壌や水域環境に広く分布し、これまで世界で150種以上、日本では約50種が報告されている。ピシウム属菌の多くの種は、野菜をはじめ多くの作物の苗立枯れや根腐れを引き起こす重要な植物病原菌として知られている。このような植物病原菌として、ピシウム・ウルティマム(Pythium ultimum)やピシウム・アファニデルマータム(Pythium aphanidermatum)が挙げられる。



上記植物病原性のピシウム属菌に対して拮抗性を示す細菌又は放線菌を利用して植物病の発生を抑制しようとすることが試みられている。例えば、特許文献1には、ストレプトミセス・ヘイミ(Streptomyces heimi)やストレプトミセス・フラベオラス(Streptomyces flaveolus)がピシウム・アファニデルマータムに対して拮抗性を示し、芝草病原菌の防除に有効であることが示されている。また、特許文献2(特開平8-322556号公報)には、シュードモナス・フルオレッセンス(Psedomonas fluorescens)がピシウム・アファニデルマータムやリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)などに対し拮抗性を示し、これらの湿菌体を芝草に直接散布するか、あるいは菌体をバーミキュライトやゼオライトなどに吸着させた吸着剤や堆肥原料に混ぜて得られた堆肥などを芝草に施し、植物病害防除材として使用できる旨が記載されている。



上記の病原性ピシウム属菌に対して拮抗性を有するピシウム属菌の存在も知られている。例えば、非特許文献1には、ピシウム・オリガンドラム(Pythium oligandrum)がトマト根茎の腐敗病菌に対して拮抗性を示すことが記載されている。また、特許文献3には、ピシウム・オリガンドラムの細胞壁由来のタンパク質が多くの作物の根圏に定着して、作物に耐病性を誘導する能力を発揮することが記載されている。また、非特許文献2には、ピシウム・ナン(Pythium nunn)がピシウム・ウルティマムによる病害を抑制することが、非特許文献3には、ピシウム・ナンがフィトフトラ属菌(Phytophthora spp.)による病害を、非特許文献4には同菌がリゾクトニア属菌(Rhizoctonia solani)による病害をそれぞれ抑制することが記載されている。



ところで、ピシウム属菌をはじめとする真菌類は、細胞の形態で分類されることが多い。例えば、ピシウム属菌が属する卵菌類においては、蔵卵器、卵胞子、造精器、遊走子嚢等の有無やそれらの形態によって分類されていた。しかしながら、こうした形態による分類には豊富な知識と熟練した技術が必要で、菌種の分類・同定に必要な特徴的な形質が現れない場合には分類・同定ができないし、培養に日数がかかるために分類・同定に長期間要することなどの理由により、近年では遺伝子解析により分類・同定することが試みられている。例えば、非特許文献5にはDNA塩基配列の解析により病原性真菌の分類・同定ができることが記載されている。これによると、rDNA(リボソーマルDNA)のITS領域(Internal Transcribed Spacer領域)の塩基配列は、同一種内では99%以上の同一性があり、それ未満であれば別種であるとされるので、ピシウム属菌の種の分類・同定においてはITS領域及びrDNAのLSU(Large Subunit、26~28S)にあるD1/D2領域の塩基配列の解析で十分であると結論づけられている。また、非特許文献6には、ピシウム属菌について、rDNAのITS領域とミトコンドリアのクロームオキシダーゼII遺伝子の多型性に基づく分類・同定と上記細胞の形態に基づく分類が比較され、分類・同定には形態学的特徴だけでなく、遺伝子レベルの多型性分析が必要であると結論づけられている。さらに、非特許文献7では、ピシウム属菌について、rDNA(リボソーマルDNA)のITS領域とD1/D2領域の塩基配列から分子系統解析を行い、形態学的分類との対比が試みられ結果、新たな系統群が見いだされている。

産業上の利用分野


本発明は新規ピシウム菌に関する。より具体的には苗立枯病を引き起こす植物病原菌(Pythium ultimum)に対して拮抗性を示す新規ピシウム菌に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
rDNAのITS領域に配列番号1に示された塩基配列と同一の塩基配列を有するピシウム・ナン。

【請求項2】
ピシウム・ウルティマムに対して拮抗性を有する請求項1に記載のピシウム・ナン。

【請求項3】
財団法人産業技術創業研究所特許生物寄託センター受領番号FERM AP-21976又は受領番号FERM AP-21977で寄託されたピシウム・ナン。

【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載のピシウム・ナンの菌体を含有する植物病害防除剤。

【請求項5】
苗立枯病に対する請求項4に記載の植物病害防除剤。

【請求項6】
請求項1~3の何れか1項に記載のピシウム・ナンを増殖させた栽培用土壌。

【請求項7】
請求項4又は請求項5に記載の植物病害防除剤を添加した栽培用土壌。

【請求項8】
請求項1~3の何れか1項に記載のピシウム・ナンを土壌中で増殖させる土壌改良方法。

【請求項9】
併せて新鮮有機物を施肥する請求項8に記載の土壌改良方法。

【請求項10】
前記新鮮有機物は緑肥である請求項9に記載の土壌改良方法。

【請求項11】
請求項1~3の何れか1項に記載のピシウム・ナンの菌体を含むコーティング剤でコーティングされた植物種子。

【請求項12】
請求項1~3の何れか1項に記載のピシウム・ナンを含む土壌で発芽又は生育させた植物苗。

【請求項13】
請求項4又は5に記載の植物病害防除剤を含む土壌で発芽又は生育させた植物苗。

【請求項14】
請求項6又は7に記載の土壌と植物苗とで構成されるポット苗。

【請求項15】
前記植物苗がキュウリ苗、トマト苗、クローバ苗、エンバク苗の何れかである請求項12又は13に記載の植物苗若しくは請求項14に記載のポット苗。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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