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二本鎖核酸の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120006519
整理番号 FU415
掲載日 2012年1月25日
出願番号 特願2011-048342
公開番号 特開2012-183024
登録番号 特許第5713286号
出願日 平成23年3月4日(2011.3.4)
公開日 平成24年9月27日(2012.9.27)
登録日 平成27年3月20日(2015.3.20)
発明者
  • 沖 昌也
  • 内田 博之
  • 畑中 彬良
  • 舟越 稔
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 二本鎖核酸の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】染色体上の標的部位又は標的領域に目的とする配列のみが挿入された形質転換体を簡便に作製するための手段を提供すること。
【解決手段】本発明は、相同的組換えによって、染色体上の標的部位又は標的領域に、第一の目的ヌクレオチド配列、選択マーカー及び第二の目的ヌクレオチド配列を挿入する活性を有する二本鎖核酸の製造方法であって、選択マーカー及び目的のヌクレオチド配列を含む1つの環状DNAを鋳型として、2種類のプライマーを用いてセンス鎖及びアンチセンス鎖を別々に合成すること、それらを混合し、二本鎖核酸を増幅することを含む、二本鎖核酸の製造方法、当該方法に用いるキット、並びに当該方法により二本鎖核酸を製造することを含む形質転換体の製造方法を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


現在までに、多くの生物においてそのゲノム配列が既に解読され公開されている。このゲノム情報を利用して、細胞内のゲノム配列中の目的の部位を人為的に改変すること、例えば形質転換体を作製することは、様々な生命現象の解明において重要な手段の一つとなっている。



形質転換体は、宿主細胞内にDNAなどの核酸分子を導入し、ゲノム配列を改変することによって作製される。所望の形質転換体を作製するために、細胞内で起こる相同的組換え現象を利用した多くの方法が開発されている。従来より、クローニングしたDNA配列を改変して形質転換する方法、PCRにより増幅したDNA断片を用いて形質転換する方法、Cre-loxPシステムを用いて形質転換する方法などが知られている(非特許文献1及び2)。更に、目的の部位における相同組換え効率を高めるために、ゲノム配列中の目的の部位に二本鎖切断を生じさせる方法なども知られている(特許文献1及び2)。



特定のアミノ酸配列からなるタグ(エピトープタグ、アフィニティー精製用タグなど)は、遺伝子の発現や機能を解明するために様々な生物における研究に利用されている。所望のタグをコードするヌクレオチド配列を、上記形質転換方法などにより目的の遺伝子にインフレームで挿入することで、タグの付加されたタンパク質を発現する形質転換体を作製することができる。



相同組換えにより目的とする形質転換体を作製しようとする場合、標的遺伝子のプロモーター領域などへの不要なDNA配列の挿入により、遺伝子発現への影響が生じ、当該遺伝子本来の機能を解析することが困難になる場合がある。これを回避するために、目的の配列以外の不要なDNA配列(例えば選択マーカーなど)を染色体から除去しようとすると、あらかじめ複雑な構造の形質転換用DNA断片を作製しておく必要がある。具体的には、このような形質転換用DNA断片は、相同的組換えを起こすために必要な配列及び選択マーカーの他に、互いに相同な2つの配列を選択マーカーの両側に含んでいなければならない。その作製には通常煩雑なクローニング操作が必要となるため、迅速な研究開発の妨げとなっていた。

産業上の利用分野


本発明は、形質転換に用いる二本鎖核酸の製造方法、当該製造方法に用いるキット、及び当該二本鎖核酸を用いた形質転換体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
相同的組換えによって、染色体上の標的部位又は標的領域に、第一の目的ヌクレオチド配列、選択マーカー及び第二の目的ヌクレオチド配列を挿入する活性を有する二本鎖核酸の製造方法であって、
当該二本鎖核酸が、
(A)当該標的部位又は標的領域の5’側に隣接し、相同的組換えを起こすのに十分な長さを有する、染色体上のセンス鎖の部分ヌクレオチド配列、
(B)第一の目的ヌクレオチド配列、
(C)選択マーカー、
(D)第二の目的ヌクレオチド配列、及び
(E)当該標的部位又は標的領域の3’側に隣接し、相同的組換えを起こすのに十分な長さを有する、染色体上のセンス鎖の部分ヌクレオチド配列
を、5’側から、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の順で含み、
(A)のヌクレオチド配列と(B)のヌクレオチド配列は隣接しており、
(D)のヌクレオチド配列と(E)のヌクレオチド配列は隣接しており、
(B)のヌクレオチド配列と(D)のヌクレオチド配列は同一又は実質的に同一である、
センス鎖と、その相補鎖とからなる二本鎖核酸であり、
方法が以下の工程を含む、二本鎖核酸の製造方法:
(i)当該選択マーカー及び当該目的ヌクレオチド配列を含む環状DNAからなる鋳型、及び
15ヌクレオチド長以上である(B)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列、及び(A)のヌクレオチド配列を含む核酸(但し、当該部分配列の5’側に(A)のヌクレオチド配列が隣接している)からなる第一のプライマー
を用いて核酸伸長反応を行い、
(A)のヌクレオチド配列、(B)のヌクレオチド配列及び(C)のヌクレオチド配列を5’側から、(A)、(B)、(C)の順で含み、
(A)のヌクレオチド配列と(B)のヌクレオチド配列が隣接している、
第一の一本鎖核酸を合成すること;
(ii)当該選択マーカー及び当該目的ヌクレオチド配列を含む環状DNAからなる鋳型、及び
15ヌクレオチド長以上である(D)のヌクレオチド配列の相補配列の5’末端部分配列、及び(E)のヌクレオチド配列の相補配列を含む核酸(但し、当該部分配列の5’側に(E)のヌクレオチド配列の相補配列が隣接している)からなる第二のプライマー
を用いて核酸伸長反応を行い、
(E)のヌクレオチド配列の相補配列(E’)、(D)のヌクレオチド配列の相補配列(D’)、及び(C)のヌクレオチド配列の相補配列(C’)を、5’側から、(E’)、(D’)、(C’)の順で含み、
(E’)のヌクレオチド配列と(D’)のヌクレオチド配列が隣接している、
第二の一本鎖核酸を合成すること;
(iii)第一の一本鎖核酸と第二の一本鎖核酸とを混合し、核酸伸長反応を行うことにより、当該二本鎖核酸を得ること;及び
(iv)(iii)で得た二本鎖核酸からなる鋳型、第一のプライマー、及び第二のプライマーを用いてPCR反応を行い、当該二本鎖核酸を増幅すること。

【請求項2】
標的部位又は標的領域が、標的遺伝子のコード領域内に存在する、請求項1記載の二本鎖核酸の製造方法。

【請求項3】
目的ヌクレオチド配列が、ポリペプチド残基をコードしており、(A)のヌクレオチド配列と(B)のヌクレオチド配列がインフレームで連結されており、且つ/又は(D)のヌクレオチド配列と(E)のヌクレオチド配列がインフレームで連結されている、請求項2記載の二本鎖核酸の製造方法。

【請求項4】
当該二本鎖核酸が、
(F)発現制御配列
を、5’側から、(A)、(B)、(C)、(F)、(D)、(E)の順で更に含み、
(F)のヌクレオチド配列は(D)のヌクレオチド配列に作動可能に連結されているセンス鎖と、その相補鎖とからなる二本鎖核酸であり、
工程(i)及び(ii)において用いられる、環状DNAが当該発現制御配列を更に含み、当該発現制御配列は目的ヌクレオチド配列と作動可能に連結されており、
第二の一本鎖核酸が、(F)のヌクレオチド配列の相補配列(F’)を、5’側から、(E’)、(D’)、(F’)、(C’)の順で更に含み、(F)のヌクレオチド配列が(D)のヌクレオチド配列に作動可能に連結される様式で(F’)のヌクレオチド配列と(D’)のヌクレオチド配列とが連結されている、
請求項3に記載の二本鎖核酸の製造方法。

【請求項5】
当該ポリペプチド残基がタグを含む、請求項3又は4記載の二本鎖核酸の製造方法。

【請求項6】
選択マーカーが、肯定的選択及び否定的選択の双方が可能な選択マーカーである、請求項1記載の二本鎖核酸の製造方法。

【請求項7】
選択マーカーがオロチジン-5’-リン酸脱炭酸酵素をコードする遺伝子である、請求項6記載の二本鎖核酸の製造方法。

【請求項8】
以下の工程を含む、染色体上の標的部位又は標的領域に目的ヌクレオチド配列が挿入された形質転換体の製造方法:
(i)請求項1~7のいずれか1項に記載の二本鎖核酸の製造方法により二本鎖核酸を製造すること;
(ii)(i)で得た二本鎖核酸により宿主細胞を形質転換すること;
(iii)(ii)で得た形質転換体から、染色体上の標的部位又は標的領域に、第一の目的ヌクレオチド配列、選択マーカー及び第二の目的ヌクレオチド配列が挿入された形質転換体を選択すること;
(iv)(iii)で得た形質転換体を培養し、第一の目的ヌクレオチド配列と第二の目的ヌクレオチド配列との間で、分子内相同的組換えを引き起こすこと;
(v)(iv)の培養物から、当該分子内相同的組換えを起こした形質転換体を選択し、染色体上の標的部位又は標的領域に目的ヌクレオチド配列が挿入された形質転換体を得ること。

【請求項9】
以下を含む、請求項1記載の二本鎖核酸の製造方法により二本鎖核酸を合成するためのキット:
(i)当該選択マーカー及び当該目的ヌクレオチド配列を含む環状DNA、
(ii)15ヌクレオチド長以上である(B)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列、及び(A)のヌクレオチド配列を含む核酸(但し、当該部分配列の5’側に(A)のヌクレオチド配列が隣接している)、及び
(iii)15ヌクレオチド長以上である(D)のヌクレオチド配列の相補配列(D’)の5’末端部分配列、及び(E)のヌクレオチド配列の相補配列(E’)を含む核酸(但し、当該部分配列の5’側に(E’)が隣接している)。

【請求項10】
以下を含む、請求項4記載の二本鎖核酸の製造方法により二本鎖核酸を合成するためのキット:
(i’)当該選択マーカー、当該目的ヌクレオチド配列及び当該発現制御配列を含み、当該発現制御配列は目的ヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、環状DNA、
(ii’)15ヌクレオチド長以上である(B)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列、及び(A)のヌクレオチド配列を含む核酸(但し、当該部分配列の5’側に(A)のヌクレオチド配列が隣接している)、及び
(iii’)15ヌクレオチド長以上である(D)のヌクレオチド配列の相補配列(D’)の5’末端部分配列、及び(E)のヌクレオチド配列の相補配列(E’)を含む核酸(但し、当該部分配列の5’側に(E’)が隣接している)。

【請求項11】
(ii)又は(ii’)の核酸における(B)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列と、(iii)又は(iii’)の核酸における(D’)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列の相補配列とが、目的ヌクレオチド配列上で離れているか、隣接しているか、又は重複している、請求項9又は10記載のキット。

【請求項12】
(ii)又は(ii’)の核酸における(B)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列と、(iii)又は(iii’)の核酸における(D’)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列の相補配列とが、目的ヌクレオチド配列上で隣接しているか、又は重複している、請求項11記載のキット。

【請求項13】
(ii)又は(ii’)の核酸における(B)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列と、(iii)又は(iii’)の核酸における(D’)のヌクレオチド配列の5’末端部分配列の相補配列とが、目的ヌクレオチド配列上で重複している、請求項12記載のキット。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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