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腸管免疫賦活剤 コモンズ

国内特許コード P120006530
整理番号 05039JP
掲載日 2012年1月30日
出願番号 特願2007-542750
登録番号 特許第5114713号
出願日 平成18年10月31日(2006.10.31)
登録日 平成24年10月26日(2012.10.26)
国際出願番号 JP2006321720
国際公開番号 WO2007052641
国際出願日 平成18年10月31日(2006.10.31)
国際公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
優先権データ
  • 特願2005-317905 (2005.11.1) JP
発明者
  • 庄司 省三
  • 三隅 将吾
  • 中山 大介
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 腸管免疫賦活剤 コモンズ
発明の概要

本発明の目的は、パイエル板のM細胞を識別することによって腸管免疫を賦活化することができる新規な腸管免疫賦活剤を提供することである。本発明によれば、下記式1で示される化合物からなる腸管免疫賦活剤が提供される。
式1:TGDK-CH2-CH2-NH-R
(式中、TGDK-CH2-CH2-NHは、2-[N-α, N-ε-bis(N-α, N-ε-digalloyllysinyl)lysinyl]aminoethylaminoを示し、Rは、水素原子;ペプチド結合を介して活性エステル基を有する基;ペプチド結合を介してSH基と結合する基;ペプチド結合を介して結合しているペプチド、タンパク質、脂質又は糖:あるいはシッフベースを介して結合しているペプチド、タンパク質、脂質又は糖を示す。)

従来技術、競合技術の概要


腸管免疫系は、からだの中で最も大きな免疫装置である。この腸管免疫系には大きな特徴がある。食品のように安全なものと、病原細菌のように病原性のあるものを識別し、判別し、食品は取込まれ、病原細菌は排除されている。腸管免疫系を構成しているのは、(1)パイエル板、(2)小腸上皮細胞とそこに存在する腸管固有リンパ球、(3)粘膜固有層とそこに存在する粘膜固有リンパ球であり、その数は全免疫系細胞の約60%で、経口的に体内に入る抗原が非常に多いため、それに対応すると考えられる。



腸管腔内に侵入した抗原(病原性細菌)は、パイエル板のM細胞を通って体内に取り込まれ、パイエル板のなかで一般的な免疫応答が起こり、IgAが産生され、病原性細菌は排除される。また、抗原タンパク質等が、消化されず、腸管上皮細胞の間隙を通って、あるいは腸管上皮細胞内に取りこまれる形で体内に入り、このような抗原が腸管免疫系と接し、全身的な免疫応答が誘導され、IgG、IgEが産生されると食物アレルギーが発症することになるが、腸管粘膜を介して取込まれたタンパク質に対してアレルギー反応を起こさせない仕組みが経口免疫寛容である。経口免疫寛容が崩壊・破綻すると容易に食物アレルギーが発症すると考えられる。パイエル板のM細胞が食物中のアレルゲンを取込み、パイエル板のなかで一般的な免疫応答が引き起こされると、IgAが産生され、IgAがアレルゲンと結合し、中和され、排除されると同時にアレルギーの原因であるIgE、IgGの産生がおさえられ、食物アレルギーが抑制されると考えられる。



アレルギーは免疫反応が過敏になったときに起きる疾病であるが、1965年においてこのアレルギーの発症頻度は、学童では約1%と報告されているが、約27年後の1992年の調査ではその罹患率は約40倍に増え、40%を越えている。2000年では、約2人に1人が何らかの形でアレルギーを持ち合わせている。アレルギーの発症には遺伝以外にも食生活の洋風化、都市環境の変化、大気汚染、ストレスの増加など、われわれの身の周りの変化もアレルギー増加の大きな原因といわれているので、これに対する対策が急務である。



スギ花粉症は日本の代表的なアレルギー疾患の一つで、花粉の中のある種のタンパク質がアレルギー反応を引き起こすことが突き止められた。このタンパク質をマウスに食べさせると明らかにアレルギー発症が抑制されることが分かった。おそらく、アレルギー誘因性タンパク質に結合しているレクチン(複合多糖体)を介してパイエル板のM細胞を通って体内に取り込まれ、パイエル板のなかで一般的な免疫応答によるIgAの産生、この免疫反応が全身免疫として拡大され、アレルゲンが取り除かれたと考えられる。



また、経口ワクチンの大成功例として、ポリオの生ワクチンがある。弱毒化されたポリオウイルスを経口投与するとパイエル板のM細胞を通って体内に取り込まれ、粘膜免疫が活性化し、免疫応答が引き起こされ、全身免疫として拡大し、ポリオウイルスの侵入を防いでいる。ここにおいても、M細胞が極めて重要な働きを司っている。



腸管免疫機構が食品のように安全なものと、病原性細菌のように病原性のあるものを識別、判別できる能力を有する細胞はM細胞であり、病原性細菌はM細胞を介して、生体内に取込まれ生体の免疫系が発動して、排除していると考えられる。病原性細菌のM細胞にターゲットする分子は病原性細菌の表面に存在する複合糖タンパク質の表面に結合しているレクチン部分でる。その部分の分子をミミックした分子がD-リジンの4分子の縮合体の4個の1級アミンにgallic acidが酸アミド結合したものであろうと考えられている(Hamashin et al. Bioorg.Med. Chem.,11(2003)4991-4997)。




【非特許文献1】Hamashinet al. Bioorg.Med. Chem.,11(2003)4991-4997

産業上の利用分野


本発明は、腸管免疫賦活剤に関する。より詳細には、本発明は、パイエル板のM細胞を識別することによって腸管免疫を賦活化することができる腸管免疫賦活剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】(a)(4Fmoc-4DK-NH-Resin)をピペリジン中で処理することによって2-[N-α, N-ε-(ジリシニル)リシニル]アミノエチルアミノトリチル樹脂 (4DK-NH-Resin)を製造する工程;
(b)2-[N-α, N-ε-(ジリシニル)リシニル]アミノエチルアミノトリチル樹脂 (4DK-NH-Resin)にトリメトキシベンゾイルクロライドを反応させて、2-[N-α, N-ε-bis(N-α, N-ε-ジ-3,4,5-トリメトキシベンゾイルリシニル)リシニル]- アミノエチルアミノトリチル樹脂(4MTBDK-NH-Resin)を製造する工程;及び
(c)2-[N-α, N-ε-bis(N-α, N-ε-ジ-3,4,5-トリメトキシベンゾイルリシニル)リシニル]- アミノエチルアミノトリチル樹脂(4MTBDK-NH-Resin)に三臭化ホウ素を反応させて、2-[N-α, N-ε-ビス(N-α, N-ε-ジガロイルリシニル)リシニル]アミノエチルアミン(TGDK-CH2-CH2-NH2)を製造する工程を含む、2-[N-α, N-ε-ビス(N-α, N-ε-ジガロイルリシニル)リシニル]アミノエチルアミン(TGDK-CH2-CH2-NH2)を製造する方法。
【請求項2】(a)(4Fmoc-4DK-NH-Resin)をピペリジン中で処理することによって2-[N-α, N-ε-(ジリシニル)リシニル]アミノエチルアミノトリチル樹脂 (4DK-NH-Resin)を製造する工程;
(b)2-[N-α, N-ε-(ジリシニル)リシニル]アミノエチルアミノトリチル樹脂 (4DK-NH-Resin)にトリメトキシベンゾイルクロライドを反応させて、2-[N-α, N-ε-bis(N-α, N-ε-ジ-3,4,5-トリメトキシベンゾイルリシニル)リシニル]- アミノエチルアミノトリチル樹脂(4MTBDK-NH-Resin)を製造する工程;
(c)2-[N-α, N-ε-bis(N-α, N-ε-ジ-3,4,5-トリメトキシベンゾイルリシニル)リシニル]- アミノエチルアミノトリチル樹脂(4MTBDK-NH-Resin)に三臭化ホウ素を反応させて、2-[N-α, N-ε-ビス(N-α, N-ε-ジガロイルリシニル)リシニル]アミノエチルアミン(TGDK-CH2-CH2-NH2)を製造する工程;及び
(d)2-[N-α, N-ε-ビス(N-α, N-ε-ジガロイルリシニル)リシニル]アミノエチルアミン(TGDK-CH2-CH2-NH2)に、ペプチド結合又はシッフベースを介して、ペプチド、タンパク質、脂質又は糖を結合させる工程:
を含む、下記式1で示される化合物からなる腸管免疫賦活剤の製造方法。
式1:TGDK-CH2-CH2-NH-R
(式中、TGDK-CH2-CH2-NH-は、2-[N-α, N-ε-bis(N-α, N-ε-digalloyllysinyl)lysinyl]aminoethylamino基を示し、Rは、ペプチド結合を介して結合しているペプチド、タンパク質、脂質又は糖:あるいはシッフベースを介して結合しているペプチド、タンパク質、脂質又は糖を示す。)
産業区分
  • 薬品
  • 有機化合物
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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