TOP > 国内特許検索 > 記録表示材料及びその製造方法

記録表示材料及びその製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120006564
整理番号 09060AA
掲載日 2012年1月30日
出願番号 特願2010-094837
公開番号 特開2011-227181
登録番号 特許第5589217号
出願日 平成22年4月16日(2010.4.16)
公開日 平成23年11月10日(2011.11.10)
登録日 平成26年8月8日(2014.8.8)
発明者
  • 栗原 清二
  • 緒方 智成
  • 森次 正樹
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 記録表示材料及びその製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】熱的安定性が高い記録表示材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板5上にPMAz8McやPMAz8Aのシクロヘキサノン溶液(4wt%)をスピンコート法(3000rpm、20sec)で塗布し、PMAz8McやPMAz8Ac上にポリビニルアルコール水溶液(2wt%)をスピンコート法(3000rpm、20sec)で塗布する。こうした成膜作業を繰り返してPMAz8McやPMAz8AcとPVAの交互多層膜を成膜する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



屈折率の異なる2種の素材を光の波長程度の膜厚で交互に積層すると、一次元フォトニック結晶(1DPCs:1dimensional photonic crystals)となり、特定の波長の光を反射してフォトニックバンドギャップ(PBG:photonic band gap)を示すことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。





図6は従来の記録表示材料を説明するための模式図であり、ここで示す記録表示材料101は、化学構造式4で示す光応答性高分子液晶層(以下、「PMAz6Ac」と称する)102と、ポリビニルアルコール層(PVA)103といった2種類の高分子材料が光の波長程度の膜厚で交互に積層されている。





[化学構造式4]








PMAz6Acは、常温より高い所定の温度でスメクチック状態を示し、極性界面に対しては垂直に配向する。なお、「スメクチック状態」とは、分子の方向が長軸方向に揃い、かつ隣どうしの相互の配位も規則的である状態を意味する。





また、PMAz6Acが有するアゾベンゼンは、その扁平な分子構造に基づき異方的な分子屈折率を有しており、長軸方向はn、短軸方向はnで表され、分子配列がランダムな状態では、平均の屈折率navが観察されることとなる(図7参照)。





ここで、従来の記録表示材料では、上述した様に特定の波長の光を反射して構造色が生じることとなるのであるが(図8参照)、この構造色は、Braggの反射式(式1参照)に表される様に、PMAz6AcとPVAの膜厚(周期長)とそれぞれの平均屈折率、観察角度(反射角度)で決定されることとなる。





なお、図8中符号(i)は積層数が2層の場合、符号(ii)は積層数が4層の場合、符号(iii)は積層数が6層の場合、符号(iv)は積層数が8層の場合、符号(v)は積層数が10層の場合、符号(vi)は積層数が15層の場合、符号(vii)は積層数が20層の場合を示している。





[式1]








上記の式1中の「m」は整数、「a」は積層される2層の膜厚合計(周期長)、「n」はA層の屈折率、「n」はB層の屈折率、「nav」はA層の平均屈折率、「f」は体積分率(体積分率:混合物や複合体で注目する物質の占める体積の割合を示したものであり、0~1の値をとる)を意味している。





また、従来の記録表示材料の反射光強度(反射率)は式2で表される様に、PMAz6AcとPVAの屈折率の比に強く依存し、その差が大きいほど強い反射光強度を示すこととなり、その差が小さいほど弱い反射強度を示すこととなる。





[式2]








なお、式2中の「R」は反射率、「nH」は高い屈折率、「nL」は低い屈折率、「nS」は基板の屈折率、「q」は層数を示している。





ところで、上記の様に構成された従来の記録表示材料では、構造色を示している状態(図9(a)で示す状態)からPMAz6Acが液晶相を示す温度(60℃~80℃以上)に加熱処理を行うと、スメクチック状態を示し(図9(b)参照)構造色が消失する。

即ち、加熱処理を行うことによって、図9(a)の状態から図9(b)の状態に変化して構造色が消失することとなる。





図10に加熱処理前後における波長と反射光強度との関係を示しているが、加熱処理によりPMAz6Acの屈折率に変化が生じ、PMAz6Acの屈折率とPVAの屈折率の差が小さくなり、そのことによって反射光強度が低下していることが分かる。なお、図10中符号Aは熱処理前を示し、図10中符号Bは熱処理後を示している。





また、加熱処理後でスメクチック状態の記録表示材料にアゾベンゼンが光異性化する光(紫外線など)を照射すると、液晶分子の配列に変化が生じ(図9(c)参照)構造色が再現することとなる(図11参照)。なお、図11中符号Cは光の照射前を示し、図11中符号Dは光の照射後を示している。

即ち、光を照射することによって、図9(b)の状態から図9(c)の状態に変化して構造色が再現することとなる。





なお、光の照射後には時間の経過に伴って更に液晶分子の配列に変化が生じ(図9(d)参照)屈折率が増大してPVAとの屈折率の差が大きくなり、反射光波長が長波長側にシフトしながら反射光強度が増加し、加熱処理を行う前の反射スペクトルに戻ることとなる(図11参照)。なお、図11中符号Eは光の照射から1日経過後を示している。

即ち、光を照射した後の時間の経過に伴って、図9(c)の状態から図9(d)の状態に変化して構造色がより鮮明に視認できるようになる。





更に、光の照射後の記録表示材料をもう一度加熱処理を行うと、再びスメクチック状態を示し構造色が消失する。

即ち、加熱処理を行うことによって、図9(d)の状態から図9(b)の状態に変化して構造色が消失することとなる。





この様に、従来の記録表示材料では、加熱処理と光の照射を繰り返すことで反射のオンとオフとを制御することが可能であった。

産業上の利用分野



本発明は記録表示材料及びその製造方法に関する。詳しくは、2種の素材を光の波長程度の膜厚で交互に積層し特定の波長の光を反射する記録表示材料及びその製造方法に係るものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
化学構造式1若しくは化学構造式2で表される高分子液晶層と、
該高分子液晶層と交互に積層されると共に、前記高分子液晶層中の液晶材料を所定の向きに配向せしめる配向材料層とを備える
記録表示材料。
化学構造式1:


化学構造式2:



【請求項2】
前記高分子液晶層は、加熱処理により同高分子液晶層の屈折率が前記配向材料層の屈折率と略同一となる様に液晶材料が配向し、光の照射により同高分子液晶層の屈折率が前記配向材料層の屈折率と差が生じる様に液晶材料が配向すべく構成された
請求項1に記載の記録表示材料。

【請求項3】
前記高分子液晶層は、光の照射後の時間の経過により配向状態が変化して同高分子液晶層の屈折率と前記配向材料層の屈折率に更に差が生じる様に構成された
請求項2に記載の記録表示材料。

【請求項4】
前記高分子液晶層は、紫外線の照射と加熱処理で液晶材料の配向状態を可逆的に制御可能である
請求項1、請求項2または請求項3に記載の記録表示材料。

【請求項5】
前記配向材料層は、ポリビニルアルコール層である
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の記録表示材料。

【請求項6】
化学構造式1若しくは化学構造式2で表される高分子液晶層と、
該高分子液晶層中の液晶材料を所定の向きに配向せしめる配向材料層とを交互に積層する工程を備える
記録表示材料の製造方法。
化学構造式1:


化学構造式2:



【請求項7】
前記高分子液晶層と、前記配向材料層とをスピンコート法で交互に積層する
請求項6に記載の記録表示材料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2010094837thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接ご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close