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プラズマエッチング方法、プラズマエッチング装置及びフォトニック結晶製造方法

国内特許コード P120006574
整理番号 AF08P009
掲載日 2012年1月30日
出願番号 特願2010-526556
登録番号 特許第5100840号
出願日 平成21年8月27日(2009.8.27)
登録日 平成24年10月5日(2012.10.5)
国際出願番号 JP2009004178
国際公開番号 WO2010023925
国際出願日 平成21年8月27日(2009.8.27)
国際公開日 平成22年3月4日(2010.3.4)
優先権データ
  • 特願2008-224035 (2008.9.1) JP
発明者
  • 野田 進
  • 高橋 重樹
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 プラズマエッチング方法、プラズマエッチング装置及びフォトニック結晶製造方法
発明の概要 本発明は、高アスペクト比で均一性の高い斜めエッチングを行うことができるプラズマエッチング方法を提供することを目的としている。本発明に係るプラズマエッチング方法は、基体Sの表面に、該基体表面の法線に対して傾斜した方向に貫通したイオン導入孔12を有する電界制御体11を配置し、該電界制御体11を配置した基体Sの表面にプラズマPを生成し、該プラズマ中のイオンを前記基体S側に引き寄せるように該プラズマと該基体の間に電位差を形成することにより高アスペクト比で基体Sをエッチングすることを特徴としている。
従来技術、競合技術の概要


近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶とは周期屈折率分布をもった光機能材料であり、この周期屈折率分布の構造が光や電磁波のエネルギーに対してバンド構造を形成する。特に、光や電磁波の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ、略称:PBG)が形成されることが特徴である。また、この屈折率分布の中に乱れ(欠陥)を導入することにより、PBG中にこの欠陥によるエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、欠陥準位に対応する波長の光のみが、この欠陥位置において存在可能になる。これにより、点状の欠陥から成る光共振器や線状の欠陥から成る光導波路等をフォトニック結晶内に設けることができる。また、光導波路の近傍に、その光導波路を伝播する光の波長帯に含まれる大きさの共振波長を持つ光共振器を配置することにより、そのフォトニック結晶は光導波路を伝播する光のうちこの共振波長と同じ波長の光を光共振器に取り出すこと(分波)ができると共に、その波長の光を光共振器から光導波路に合流させること(合波)ができる光合分波器となる。



フォトニック結晶には主に2次元フォトニック結晶(例えば特許文献1参照)と3次元フォトニック結晶(例えば非特許文献1、特許文献2)がある。特許文献1に記載の2次元フォトニック結晶は、板状の誘電体から成る本体に空孔を周期的に形成したものである。非特許文献1に記載の3次元フォトニック結晶は「ヤブロノバイト」と呼ばれ、誘電体から成るブロックの表面の法線に対して35°の角度で、互いに120°ずつ異なる3方向に延びる孔を多数形成したものである。特許文献2に記載の3次元フォトニック結晶は「ウッドパイル型」と呼ばれ、誘電体から成るロッドが平行に周期的に配列されたストライプ層を、最隣接のストライプ層のロッド同士が直交し次隣接のストライプ層のロッド同士が平行且つ半周期ずれるように積層したものである。3次元フォトニック結晶は欠陥位置に存在する光が外部に漏出し難く、光共振器や光導波路の損失を極めて低く抑えることができるという利点を有する。



従来、ウッドパイル型の3次元フォトニック結晶は、ストライプ層同士の位置を正確に合わせなければならないという点で製造が難しいとされていた。それに対して、最近、特許文献3において、誘電体から成る基体の表面に対して傾斜した第1の方向を指向する第1のエッチングを行ってこの第1方向に延びる孔を形成した後に、第1方向と所定の角度で交差する第2の方向を指向する第2のエッチングを行ってこの第2方向に延びる孔を形成することにより3次元フォトニック結晶を製造することが提案された。この方法では、4n番目(nは整数)のストライプ層及びそれに次隣接の(4n+2)番目のストライプ層は第1のエッチングにより、(4n+1)番目及び(4n+3)のストライプ層は第2のエッチングにより、それぞれ製造される。この方法によれば、ストライプ層同士の位置合わせを行う必要がないため、製造が容易である。



一方、2次元フォトニック結晶は3次元フォトニック結晶よりも製造が容易であるという利点を有する。最近、TE偏波及びTM偏波の双方に共通のPBG(完全PBG)を、従来よりも広いエネルギー領域に亘って形成することができる2次元フォトニック結晶が提案された。特許文献4には、板状の基体の表面における三角格子の各格子点から、互いに異なる方向に延びる3個の空孔(3方向傾斜孔)が形成された2次元フォトニック結晶が記載されている。それら3個の空孔は、本体に平行な方向には互いに120°ずつ異なり、本体に垂直な方向にはいずれも本体の法線に対して約36°傾斜した方向に形成されている。従来の2次元フォトニック結晶では完全PBGの幅は最大でも数%(完全PBGの中心値に対する幅の大きさで定義)であったのに対して、この2次元フォトニック結晶では約15%(基体にSiを用いた場合)の幅を持つ完全PBGを形成することができる。



特許文献3に記載の3次元フォトニック結晶、及び特許文献4に記載の3方向傾斜孔を有する2次元フォトニック結晶はいずれも、基体に対して所定の角度だけ傾斜した方向に基体をエッチング(斜方向エッチング)することにより製造される。このような斜方向エッチングはフォトニック結晶の製造の場合に限られず、半導体デバイスの微細加工や微小電気機械システム(microelectromechanical system、略称:MEMS)の製造等にも用いることができる。



特許文献5には、基体の表面に対して傾斜した縁を持つ電界制御板を基体表面に配置し、プラズマ中のイオンにバイアス電圧を印加してイオンを基体表面に入射させることにより基体表面をエッチングすることが記載されている。この方法によれば、傾斜した縁に沿って等電位面が変形し、その等電位面に対して垂直に近い角度で基体表面に対して斜め方向にイオンが入射するため、斜めエッチングを行うことができる。

産業上の利用分野


本発明は、半導体デバイス等の微細加工に適したプラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置、並びにその方法を用いたフォトニック結晶の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基体を高アスペクト比でエッチングするためのプラズマエッチング方法であって、
該基体の表面の法線に対して傾斜した方向に貫通する孔であって、かつ、プラズマ中のイオンが形成するイオンシースの厚みよりも大きい径のイオン導入孔を有する電界制御体を、該基体の表面に配置し、
該電界制御体を配置した基体表面に該プラズマを生成し、
該プラズマ中のイオンを前記基体側に引き寄せるように該プラズマと該基体の間に電位差を形成し、
該イオンを前記電位差により前記イオン導入孔を通して該基体表面に入射させる
ことにより該基体を高アスペクト比でエッチングすることを特徴とするプラズマエッチング方法。

【請求項2】
前記イオン導入孔が前記電界制御体の表面に対して垂直に延びていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング方法。

【請求項3】
前記イオン導入孔の断面が前記電界制御体の表面においてよりも内部においての方が小さいことを特徴とする1又は2に記載のプラズマエッチング方法。

【請求項4】
前記イオン導入孔が、基体側に設けられた1個の開口から異なる方向に複数本延びていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。

【請求項5】
前記電位差の形成中に前記電界制御体を前記基体表面に沿って移動させることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。

【請求項6】
前記電界制御体が前記イオン導入孔を複数備えることを特徴とする請求項5に記載のプラズマエッチング方法。

【請求項7】
前記基体表面と前記電界制御体の間に隙間を設けることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。

【請求項8】
前記イオン導入孔の前記基体側の開口に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを配置することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。

【請求項9】
前記電界制御体における前記傾斜方向が可変であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。

【請求項10】
前記電界制御体における前記イオン導入孔の開口面積が可変であることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のプラズマエッチング方法。

【請求項11】
基体を高アスペクト比でエッチングするためのプラズマエッチング装置であって、
該基体の表面の法線に対して傾斜した方向に貫通する孔であって、かつ、プラズマ中のイオンが形成するイオンシースの厚みよりも大きい径のイオン導入孔を有し、前記基体の表面に配置された電界制御体と、
該電界制御体を配置した基体表面に該プラズマを生成するプラズマ生成手段と、
該プラズマ中のイオンを前記基体側に引き寄せるように該プラズマと該基体の間に電位差を形成し、該イオンを前記電位差により前記イオン導入孔を通して該基体表面に入射させる電位差形成手段と、
を備えることを特徴とするプラズマエッチング装置。

【請求項12】
基体を高アスペクト比でエッチングするためのプラズマエッチングによるフォトニック結晶製造方法であって、
誘電体から成る該基体の表面の一部である孔形成領域に、所定のパターンで多数の孔を設けたマスクを配置し、
前記基体表面の法線に対して傾斜した方向に貫通する孔であって、かつ、プラズマ中のイオンが形成するイオンシースの厚みよりも大きい径のイオン導入孔を有する電界制御体を、前記基体側の該イオン導入孔の開口を前記孔形成領域の位置に合わせて配置し、
前記電界制御体を配置した基体の表面に該プラズマを生成し、
前記プラズマ中のイオンを前記基体側に引き寄せるように該プラズマと該基体の間に電位差を形成し、
該イオンを前記電位差により前記イオン導入孔を通して該基体表面に入射させる
ことにより該基体を前記所定のパターンで高アスペクト比のエッチングを行う工程を有することを特徴とするフォトニック結晶製造方法。

【請求項13】
前記エッチングを複数回、各回毎に前記電界制御体の向きを変えて行うことを特徴とする請求項12に記載のフォトニック結晶製造方法。

【請求項14】
a)1回目のエッチングにおいて、
a-1) 複数の帯状の領域に分けた帯状領域のうち4n番目(nは整数)の帯状領域に孔が周期a1で形成されると共に、(4n+2)番目の帯状領域に孔が周期a1であって帯の長手方向にa1/2だけずれた位置に形成されたマスクを用い、
a-2) 前記イオン導入孔が前記基体表面の法線に対して帯状領域が延びる方向に第1の角度で傾斜するように前記電界制御体が配置され、
b) 2回目のエッチングにおいて、
b-1) 前記帯状領域のうち(4n+1)番目の帯状領域に孔が周期a1で形成されると共に、(4n+3)番目の帯状領域に孔が周期a1であって帯の長手方向にa1/2だけずれた位置に形成されたマスクを用い、
b-2) 前記イオン導入孔が前記基体表面の法線に対して帯状領域が延びる方向に、前記第1角度とは異なる第2の角度で傾斜するように前記電界制御体が配置される、
ことを特徴とする請求項13に記載のフォトニック結晶製造方法。

【請求項15】
前記イオン導入孔が前記基体表面側に設けられた1個の開口から異なる3方向に延びていることを特徴とする請求項12に記載のフォトニック結晶製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創成に向けた光・光量子科学技術 領域
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