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生物忌避性複合体およびそれの製造方法

国内特許コード P120006604
整理番号 S2009-0418
掲載日 2012年2月6日
出願番号 特願2010-100995
公開番号 特開2010-280655
登録番号 特許第5688727号
出願日 平成22年4月26日(2010.4.26)
公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
登録日 平成27年2月6日(2015.2.6)
優先権データ
  • 特願2009-113064 (2009.5.7) JP
発明者
  • 坪川 紀夫
  • 皆川 真人
  • 小川 久朗
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
  • 株式会社双葉マテリアル
  • 株式会社 ナフタック
発明の名称 生物忌避性複合体およびそれの製造方法
発明の概要 【課題】 徐放性および安定性に優れ、樹脂や溶媒等に均一に分散でき、分散された材料の機械的強度等を低下させない、生物忌避性複合体およびそれの製造方法を提供する。
【解決手段】 生物忌避剤を陰イオン化し、次いで、陰イオン化された生物忌避剤を含む溶液と層状複水酸化物を構成する金属イオンを含む溶液とを混合することによって、層状複水酸化物と該層状複水酸化物にインターカレートしてなる生物忌避剤とを含んでなる生物忌避性複合体を得る。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


有害生物の付着を防ぐ忌避剤が様々なところで使用されている。例えば、フジツボや牡蠣などの有害生物の付着を防ぐ忌避剤を含む塗料が船体に使用されている。また、海中標識、魚網など;原子力発電所などの取水管、防波堤、堰などにも有害生物の付着を防ぐ忌避剤が使用されている。また、容器、衣類、家具、建物などに、アリ、ノミ、ダニ、シロアリなどの害虫の付着を防止するためにも忌避剤が使用されている。さらに、電灯ケーブル、電話ケーブル、LANケーブルなどの電線をネズミ等がかじって漏電、配線切断などの被害が生じないようにするためにも忌避剤が使用されている。



このような忌避剤は、樹脂や溶剤(塗料)等に分散させて使用される場合が多い。ところが、該忌避剤は樹脂や塗料への分散性に乏しいものが多い。忌避剤を樹脂や塗料に分散させると、樹脂材料や塗膜の機械的強度を低下させてしまうことがある。そのため、樹脂や溶媒等に均一に分散でき、分散された樹脂等の機械的強度を低下させない忌避製剤が求められる。さらに、忌避製剤は、有害生物の忌避効果が長く持続するような、適度な徐放性が求められる。また忌避剤原末は人体に対して強い刺激を与えるので樹脂や塗料等に添加する際の作業性の向上した忌避製剤が求められている。



このような要望に応えるために忌避製剤として様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、害虫忌避剤を無水珪酸多孔質微粒子に担持させ、それを合成樹脂微粒子と一緒に溶媒に添加して均一に混合して成る忌避剤組成物が開示されている。該忌避剤組成物では害虫忌避剤が無水珪酸多孔質微粒子の細孔内に充填される。



特許文献2および特許文献3には、層間支柱を有するイオン交換性層状無機物質の層間隙間に、抗菌性有機化合物をゲスト化合物として含む層状無機物質複合体が記載されている。該層間支柱には有機第四アンモニウムイオンなどの陽イオンが使用されている。イオン交換性層状無機物質としては、陽イオン交換能を有する層状粘土、例えば、モンモリロナイト、スクメタイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、タルク、パイロフィライト、ハイデライト、雲母などが開示されている。ところが、特許文献3は、陰イオン交換能を有する層状物質、例えば、ハイドロタルサイト様層状物質は前記の複合体に用いることができないことを教示している。



ところで、抗菌性有機化合物としてカプサイシンが知られている。特許文献4には、生物忌避剤の一つであるカプサイシンが、フジツボ等の貝類の付着防止剤として効果を示すことが記載されている。特許文献4の実施例にはカプサイシンとして中国産天鷹唐辛子粉末又はメキシコ産ハバネロ粉末を用い、船舶用防具塗料に対してそれぞれ30重量%又は15重量%混合したものをFRP板に塗布した試供品によってフジツボの忌避効果が評価されている。



特許文献5には、テトラメチルアンモニウムを層間支柱としたモンモリロナイト(TMA-Mnt)の細孔に抗菌性有機化合物としてカプサイシンを吸着させた例(実施例3)が記述されている。この例によると吸着量の大きさを示す比表面積の変化は非常に小さく、TMA-Mntに吸着しているカプサイシンは僅かであると推察され、もっと多量のカプサイシンの吸着・貯蔵が望まれる。



特許文献6には、マイクロカプセル化したカプサイシン類を含有してなる水中防汚材の記載がある。特許文献6のマイクロカプセル皮膜剤はメラミン樹脂などのアミノ系樹脂である。特許文献6の実施例5には、防汚成分としてカプサイシンと亜酸化銅の混合成分をマイクロカプセル化し、このマイクロカプセルを含有する防汚塗料を用いた場合のフジツボの防汚効果が記載されている。特許文献6の比較例3には亜酸化銅単独でもフジツボの防汚効果があることが示されており、マイクロカプセル化されたカプサイシンの効果は不明である。

産業上の利用分野


本発明は、生物忌避性複合体およびそれの製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、徐放性および安定性に優れ、樹脂や溶媒等に均一に分散でき、分散された樹脂等の機械的強度を低下させない、生物忌避性複合体およびそれの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
層状複水酸化物と、
該層状複水酸化物にインターカレートしてなる、陰イオン化されたカプサイシン
を含み、界面活性剤を含まない、生物忌避性複合体。

【請求項2】
層状複水酸化物が、
[M2+1-x3+x(OH)2][An-x/n・yH2O] ・・ 式(I)
(式(I)中、M2+は、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、およびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを表し、M3+はAl、Cr、Fe、Co、およびInからなる群から選ばれる少なくとも1種の3価金属イオンを表し、An-は、NO3-、Cl-、およびCO32-からなる群から選ばれる少なくとも1種のn価陰イオンを表す。xは0超過1未満の数を表し、nは陰イオンの価数を表し、yは水和水の数を表す。)で表される不定比化合物である、請求項1に記載の生物忌避性複合体。

【請求項3】
X線回折スペクトルにおいて、前記層状複水酸化物の各層の間隔に対応するピークトップが、前記層状複水酸化物のみからなり前記陰イオン化されたカプサイシンがインターカレートされていない層状複水酸化物のピークトップの位置に対し、その位置に存在しない、もしくはその位置より低2θ側に存在する、請求項1または2に記載の生物忌避性複合体。

【請求項4】
陰イオン化されたカプサイシンが、アルカリ性水溶液によって陰イオン化されたカプサイシンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の生物忌避性複合体。

【請求項5】
カプサイシンを陰イオン化し、
次いで、陰イオン化されたカプサイシンを含む溶液と層状複水酸化物を構成する金属イオンを含む溶液とを混合することを含む、請求項1に記載の生物忌避性複合体の製造方法。

【請求項6】
層状複水酸化物を構成する金属イオンを含む溶液と、前記金属イオンと反応し沈殿物を生成させることができる陰イオンを含む溶液とを混合して、層状複水酸化物を得、
次いで、該層状複水酸化物と陰イオン化されたカプサイシンとを液中にて接触させることを含む、請求項1に記載の生物忌避性複合体の製造方法。

【請求項7】
層状複水酸化物を構成する金属イオンが、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、およびZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンと、Al、Cr、Fe、Co、およびInからなる群から選ばれる少なくとも1種の3価金属イオンとの組み合わせからなる、請求項5または6に記載の生物忌避性複合体の製造方法。

【請求項8】
陰イオン化されたカプサイシンが、アルカリ性水溶液によって陰イオン化されたカプサイシンである、請求項5~7のいずれか1項に記載の生物忌避性複合体の製造方法

【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の生物忌避性複合体を含有する塗料。

【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項に記載の生物忌避性複合体を含有する樹脂材。

【請求項11】
請求項1~4のいずれか1項に記載の生物忌避性複合体を含有する貝類または甲殻類の付着防止剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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