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電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法

国内特許コード P120006642
整理番号 IP23-003
掲載日 2012年2月15日
出願番号 特願2011-160446
公開番号 特開2013-026484
登録番号 特許第5817286号
出願日 平成23年7月22日(2011.7.22)
公開日 平成25年2月4日(2013.2.4)
登録日 平成27年10月9日(2015.10.9)
発明者
  • 白石 壮志
  • 武田 幸三
  • 川口 忍
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法
発明の概要 【課題】炭素細孔体の細孔表面に窒素を導入した電気二重層キャパシタ用炭素材料の安全性が高くかつ量産に適した製造方法を提供する。
【解決手段】カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸アンモニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の試薬を充填した充填筒に不活性ガスに通じ、炭素細孔体を、上記試薬の分解反応により発生させた少なくともアンモニアと二酸化炭素を含む不活性ガス雰囲気下で熱処理することを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


充電して繰り返し使える「二次電池」は、性能向上に伴い多くの分野で活用されている。この二次電池の一種である電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor)は、活性炭などの多孔質炭素電極内の細孔に形成されるイオンの吸着層、即ち電気二重層に電荷を蓄える蓄電器(コンデンサ)である。



図4に示すように、電気二重層キャパシタ10は、電解液11に浸漬した二枚の活性炭電極12,13間に電源14を繋いで電圧を印加することで充電される。充電時は電解質イオンが電極表面に吸着する。具体的には、正極12では正孔(h+)に電解液11中の陰イオン(-)が、負極13では電子(e-)に電解液11中の陽イオン(+)がそれぞれ引きつけられ、正孔(h+)と陰イオン(-)、電子(e-)と陽イオン(+)はおよそ数Åという極小の距離をおいて配向し電気二重層を形成する。この状態は電源が外されても維持され、化学反応を利用することなく電気を電気のまま蓄えている。放電時には吸着していた陽イオン並びに陰イオンがそれぞれの電極から脱着する。具体的には、電子(e-)が正極12に戻り、それにつれて正孔(h+)がなくなっていき、これに伴い、陽イオン、陰イオンが電解液中に再び拡散する。このように、充放電の全過程にわたって、キャパシタ材料には何の変化も伴わないため、化学反応による発熱や劣化がなく、長寿命を保つことができる。



電気二重層キャパシタは、一般的に二次電池に比べて(1)高速での充放電が可能、(2)充放電サイクルの可逆性が高い、(3)サイクル寿命が長い、(4)電極や電解質に重金属を用いていないので環境に優しい、といった特徴を有する。これらの特徴は、電気二重層キャパシタが重金属を用いておらず、またイオンの物理的吸脱着によって作動し、化学種の電子移動反応を伴わないことに由来する。電気二重層キャパシタはこのような特徴を生かして既にメモリーバックアップ用電源などとして実用化されている。最近では、鉄道車両に搭載した電力貯蔵システムやハイブリッド車の補助電源などの新たな用途の開拓を目指した研究開発が進んでおり、注目されている。



しかしながら、現状での電気二重層キャパシタは二次電池等に比べてエネルギー密度が低い問題点があり、また、過酷な環境下での充放電サイクルにおける信頼性が低いといった問題もあった。従って、上記新たな用途を開拓するためには、電気二重層キャパシタのエネルギー密度の改善と信頼性の向上が必要であり、電極材の高容量化並びに過酷環境下での容量安定性が求められている。重量比容量、体積比容量、面積比容量などの二重層容量は活性炭電極の細孔構造、結晶構造、化学組成などのナノ構造に依存するため、キャパシタに適した電極材を設計する必要があった。



上記課題を解決するための研究として、本発明者等は活性炭などの炭素細孔体をヘリウムなどの不活性ガスで数千ppmに希釈した一酸化窒素(NO)含有ガス雰囲気下で熱処理することによって、窒素を導入した炭素材料を簡便に乾式で製造する方法(以下、この方法をNO法という。)を開発した(例えば、特許文献1,2参照。)。



このNO法では、上記雰囲気下での熱処理によって、以下の式(1)に示す反応スキームにより、窒素は炭素細孔体表面上の含窒素官能基としてN/C原子比で約1~2%の割合で導入される。



C + NO → C(N) + CO ……(1)
そして、得られた窒素導入炭素材料を電気二重層キャパシタの電極主材として評価したところ、3V以上の充電電圧で充放電しても容量が低下しない、具体的には、容量維持率が80%から90%に改善することを見出し、高電圧充電での電気二重層キャパシタの劣化を抑制することに成功した。



窒素を導入することによって得られる効果の機構については、現在研究中であるが、含窒素表面官能基が電気化学的に分解し難いこと、窒素導入によって炭素材料の電子構造が変化し初期自然電位が低くなることで高電圧充電時に電極や電解液の電気分解が生じ難くなるためと解釈される。

産業上の利用分野


本発明は、安全性が高くかつ量産に適した電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及び炭酸アンモニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の試薬を充填した、常温から40℃の範囲における一定温度に保持した充填筒に不活性ガスに通じ、
記試薬の分解反応により、3000~12000ppmのアンモニア濃度及び1500~6000ppmの二酸化炭素濃度でアンモニア及び二酸化炭素を発生させ、前記アンモニアと前記二酸化炭素をそれぞれ前記濃度で含む不活性ガス雰囲気下で、炭素細孔体を回転する電気炉内で熱処理して前記炭素細孔体の炭素間結合中に窒素原子を導入することを特徴とする電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法。

【請求項2】
前記熱処理が700~950℃で0.5~4時間保持することにより行われる請求項1記載の電気二重層キャパシタ用炭素材料の製造方法。
産業区分
  • 電子部品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011160446thum.jpg
出願権利状態 登録
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