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アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびその用途 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120006741
整理番号 SHINGI20111216
掲載日 2012年2月28日
出願番号 特願2010-201353
公開番号 特開2012-056879
登録番号 特許第6083085号
出願日 平成22年9月8日(2010.9.8)
公開日 平成24年3月22日(2012.3.22)
登録日 平成29年2月3日(2017.2.3)
発明者
  • 前田 衣織
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびその用途 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】従来公知の有機合成化合物の形態のACE阻害剤(血圧降下剤)(例えば、カプトプリルなど)に代替しうる、副作用が低減されたペプチド性の薬剤を提供する。
【解決手段】水溶性エラスチンまたはそのエラスターゼ加水分解物を有効成分として含有する、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、これを含有する血圧降下剤または飲食品により、上記課題は解決されうる。また、分子量1~3万の水溶性エラスチンを、w/v換算で0.005~0.5倍の濃度のエラスターゼの存在下、20~50℃の温度で3~72時間インキュベートすることにより、当該水溶性エラスチンを加水分解して当該水溶性エラスチンの分解物を得るという手法により、水溶性エラスチン分解物が製造されうる。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


現代社会において、高血圧は動脈硬化へつながる深刻な生活習慣病の一つである。高血圧は特有の自覚症状がほとんどないため軽視する人も多いが、その状態を放置しておくと、動脈硬化が進行して脳や心臓に深刻な合併症をもたらし、最悪の場合は生命の危険にさらされる。



高血圧に関与する因子の一つと考えられているアンジオテンシン変換酵素(ACE)は、生理活性ペプチドであるアンジオテンシンIを強い血管収縮作用を持つアンジオテンシンIIに変換する酵素である。ACEはまた、血圧を下げる活性を有する生理活性ペプチドであるブラジキニンを分解する作用も持つため、このACEを阻害することは効果的に血圧を降下させる作用につながる。また、一般に「ACE阻害剤」は脳や心臓などの臓器を保護する作用を併せ持っていることから、臓器障害の改善や進行を予防する効果も期待できる。血圧降下剤として現在広く用いられているACE阻害剤のほとんどは、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリルなどの有機合成化合物であり、血管浮腫などの副作用を持つことが知られている。一方で、ペプチド性のACE阻害剤(血圧降下剤)はほとんど知られていないのが現状である。



ところで、人体をはじめとする動物組織を構成するタンパク質として、エラスチンが知られている。このエラスチンは、コラーゲンと同様に細胞外において機能する繊維状のタンパク質であり、ゴムのように伸縮する性質(弾性)を有していることから、組織への柔軟性の付与に関与している。このため、伸縮性が必要とされる組織・器官(ヒトでは例えば、皮膚の真皮、靱帯、腱、血管壁など)に広く分布している。



本願の発明者らは従来、動物性生体組織から水溶性エラスチンを単離する手法を開発することに成功し、当該手法に基づく水溶性エラスチンの製造方法を開示している(特許文献1を参照)。また、単離された水溶性エラスチンが動脈硬化の抑制、脂質代謝異常の改善、血栓形成の抑制といった作用を示すことも見出し、開示している(同じく特許文献1を参照)。ただし、単離された水溶性エラスチンがACE阻害作用(血圧降下作用)を示すことは、特許文献1を含めて従来技術においては知られていない。

産業上の利用分野


本発明は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤およびその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水溶性エラスチンのエラスターゼ加水分解物を有効成分として含有し、前記エラスターゼ加水分解物の平均分子量(SDS-PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が2,000~20,000である、アンジオテンシン変換酵素阻害剤。

【請求項2】
前記エラスターゼ加水分解物の平均分子量(SDS-PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が5,000~20,000である、請求項1に記載の阻害剤。

【請求項3】
前記エラスターゼが膵臓エラスターゼ(EC3.4.21.36)である、請求項1または2に記載の阻害剤。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有する、血圧降下剤。

【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有し、高血圧の予防および/または治療に用いられる、医薬組成物。

【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有する、飲食品。

【請求項7】
水溶性エラスチンのエラスターゼ加水分解物を有効量含有する飲食品であって、前記エラスターゼ加水分解物の平均分子量(SDS-PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が2,000~20,000であり、
高血圧症を予防および/または改善する機能を有し、その機能表示が付された、飲食品。

【請求項8】
健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示が付された食品、または病者用食品である、請求項7に記載の飲食品。

【請求項9】
(B1)動物性生体組織を前処理する工程、
(B2)前処理された前記動物性生体組織を、アルカリ性溶液中に浸漬し、動物性生体組織から抽出されるコラーゲンおよびその他の不要タンパク質を含む溶液を除去するアルカリ抽出工程、
(B3)前記(B2)工程を繰り返した後に、動物性生体組織残渣を溶解することにより、遊離した水溶性エラスチンを含む溶液を回収するアルカリ溶解工程、
(B4)前記アルカリ溶解工程で回収された水溶性エラスチンを含有する溶液を相分離操作によって分離し、水溶性エラスチンを回収する工程、
を順次実施して、分子量1~3万の水溶性エラスチンを得た後、
得られた分子量1~3万の水溶性エラスチンを、w/v換算で0.001~0.5倍の濃度のエラスターゼの存在下、20~50℃の温度で3~72時間インキュベートすることにより、前記水溶性エラスチンをエラスターゼにより加水分解して前記水溶性エラスチンの分解物を得る工程を含み、
オクタデシル(ODS)-シリカゲルカラムを用いたカラムクロマトグラフィ法を用いて前記分解物を精製する工程をさらに含み、
得られる水溶性エラスチン分解物の平均分子量(SDS-PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が2,000~20,000である、水溶性エラスチン分解物の製造方法。

【請求項10】
得られる水溶性エラスチン分解物の平均分子量(SDS-PAGEの泳動結果における中央値として定義される)が5,000~20,000である、請求項に記載の製造方法。

【請求項11】
前記エラスターゼが膵臓エラスターゼ(EC3.4.21.36)である、請求項9または10に記載の製造方法。

【請求項12】
前記(B4)工程は、前記水溶性エラスチンを含有する溶液を30~50℃に加熱することで、コアセルベーションによる相分離を生じさせ、2層に分離した上層画分の平衡液相から前記分子量1~3万の水溶性エラスチンを回収することを含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項13】
A液(0.1%トリフルオロ酢酸 in 5%アセトニトリル)とB液(0.1%トリフルオロ酢酸 in 95%アセトニトリル)との混合比が80/20~50/50(A液/B液(v/v))である溶離液によって溶出される画分から前記分解物が精製される、請求項9~12のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項14】
溶出された画分であって前記分解物を含むものを凍結乾燥することにより、前記分解物を粉末の形態で得る工程をさらに含む、請求項9~13のいずれか1項に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010201353thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 2011年12月16日(金) 九州工業大学 新技術説明会
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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