TOP > 国内特許検索 > 生体組織に範をとったエネルギー・情報生成膜システム

生体組織に範をとったエネルギー・情報生成膜システム コモンズ

国内特許コード P120006757
整理番号 FU458
掲載日 2012年3月1日
出願番号 特願2011-245986
公開番号 特開2013-100252
出願日 平成23年11月9日(2011.11.9)
公開日 平成25年5月23日(2013.5.23)
発明者
  • 老木 成稔
  • 岩本 真幸
出願人
  • 国立大学法人福井大学
発明の名称 生体組織に範をとったエネルギー・情報生成膜システム コモンズ
発明の概要

【課題】生体組織に範をとったリン脂質を用いた相界面膜からなる新規膜構造物、および該膜構造物を利用した、新規エネルギー生成デバイスの提供。
【解決手段】以下の工程を含む膜構造物の作成方法(1)小孔を有する基材の小孔内に、機能性分子(A)を含有する水相(A)を加える工程、(2)該水相(A)より比重が小さく、リン脂質を含有する油相を積層する工程、(3)該油相中に該油相と等比重の電解質溶液を注入することによって単分子層被覆水滴を形成させる工程、(4)該油相より比重が小さく、機能性分子(B)を含有する水相(B)を積層する工程、(5)該単分子層被覆水滴を該水相(A)の界面および該水相(B)の界面と接触させる工程。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


現在の世界的なエネルギー危機に対して様々な解決のための試みが行われている中で、生物原理を基礎としたアプローチが長年提案されてきた。それは生物の効率的なエネルギー戦略に学び、そこで使われているタンパク質などを利用・実装するというアイデアである。たとえばプロトンポンプと呼ばれる膜タンパク質はきわめて高いエネルギー効率を示すことが示されており、またイオンチャネルには小分子の立体異性体などを厳密に区別し応答し、しかもアルカリ金属イオンという極めてサイズの近いイオン種を厳密に選択して高速に透過できる。これらは人類が未だ合成に成功していない分子である。
その一分野として一枚の膜上に膜タンパク質などのセンサー素子を実装することによりセンサーデバイスとして用いるという発想は30年以上にわたって検討されてきたが、未だに実用化には至っていない。その最大の理由は、一枚膜の機械的脆弱性に起因する。また、実用化に向けてのデバイスの集積化・効率化を目指すための原理がそもそも想定されてこなかったことも実用化していないことの一因である。センサーデバイスでも未だ実用化されていない状況で、エネルギーデバイスの実現など夢のまた夢であった。



脂質平面膜法と呼ばれている技術は、生体膜の代わりに、人工的に形成した脂質二重膜にチャネルを埋め込みその機能を電気生理学的に測定するための方法である。脂質平面膜法はすでに40年前に開発されたものであり、生化学的に抽出したチャネルタンパク質や合成ペプチドチャネルの機能解析のために使われてきた。現在では、脂質平面膜の形成技術は確立されており(特許文献1、2、非特許文献1)、また、精製した膜タンパク質を脂質二重膜に組み込む技術も確立している。さらに、発明者らは最近、油中水滴法により水相-油相(液滴含む)の層構造を形成させ、膜タンパク質を相界面膜中に組み込むことに成功している(非特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、リン脂質を用いた相界面膜に膜タンパク質などが組み込まれた新規膜構造物(上皮様相界面膜)の作成方法、該作成方法によって得られる膜構造物および該膜構造物を用いたエネルギー生成デバイス・情報処理デバイスなどに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程を含むことを特徴とする、膜構造物の作成方法
(1)小孔を有する基材の小孔内に、機能性分子(A)を含有する水相(A)を加える工程、
(2)該水相(A)より比重が小さく、リン脂質を含有する油相を積層する工程、
(3)該油相中に該油相と等比重の電解質溶液を注入することによって単分子層被覆水滴を形成させる工程、
(4)該油相より比重が小さく、機能性分子(B)を含有する水相(B)を積層する工程、
(5)該単分子層被覆水滴を該水相(A)の界面および該水相(B)の界面と接触させる工程。

【請求項2】
機能性分子(A)がバクテリオロドプシンであり、かつ、機能性分子(B)がプロトンチャネルまたはチャネルロドプシンの組み合わせ、または、機能性分子(A)がプロトンチャネルまたはチャネルロドプシンであり、かつ、機能性分子(B)がバクテリオロドプシンの組み合わせである請求項1記載の膜構造物の作成方法。

【請求項3】
以下の工程を含むことを特徴とする、膜構造物の作成方法
(1)小孔を有する基材の小孔内に、機能性分子(A’)およびリン脂質(A’)を含有する水相(A’)を加える工程、
(2)該水相(A’)より比重が小さい油相を積層する工程、
(3)該油相中に該油相と等比重であって、リン脂質(B’)を含有する電解質溶液を注入することによって単分子層被覆水滴を形成させる工程、
(4)該油相より比重が小さく、機能性分子(B’)およびリン脂質(C’)を含有する水相(B’)を積層する工程、
(5)該単分子層被覆水滴を水相(A’)の界面および水相(B’)の界面と接触させる工程。

【請求項4】
機能性分子(A’)がバクテリオロドプシンであり、かつ、機能性分子(B’)がプロトンチャネルまたはチャネルロドプシンの組み合わせ、または、機能性分子(A’)がプロトンチャネルまたはチャネルロドプシンであり、かつ、機能性分子(B’)がバクテリオロドプシンの組み合わせである請求項3記載の膜構造物の作成方法。

【請求項5】
以下の工程を含むことを特徴とする、膜構造物の作成方法
(1)小孔を有する基材の小孔内に、リン脂質(A’’)を含有する水相(A’’)を加える工程、
(2)該水相(A’’)より比重が小さい油相を積層する工程、
(3)該油相中に該油相と等比重であって、機能性分子およびリン脂質(B’’)を含有する電解質溶液を注入することによって単分子層被覆水滴を形成させる工程、
(4)該油相より比重が小さく、リン脂質(C’’)を含有する水相(B’’)を積層する工程、
(5)該単分子層被覆水滴を水相(A’’)の界面および水相(B’’)の界面と接触させる工程。

【請求項6】
機能性分子(A’’)がバクテリオロドプシンであり、かつ、機能性分子(B’’)がプロトンチャネルまたはチャネルロドプシンの組み合わせ、または、機能性分子(A’’)がプロトンチャネルまたはチャネルロドプシンであり、かつ、機能性分子(B’’)がバクテリオロドプシンの組み合わせである請求項5記載の膜構造物の作成方法。

【請求項7】
請求項1-6のいずれか1項に記載の膜構造物の作成方法によって作成される、膜構造物。

【請求項8】
請求項1-6のいずれか1項に記載の膜構造物の作成方法によって作成される、膜構造物を用いた電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2011245986thum.jpg
出願権利状態 審査請求前
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close