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二酸化窒素光分解コンバータおよび二酸化窒素光分解コンバータを備えた窒素酸化物濃度測定装置 新技術説明会

国内特許コード P120006772
掲載日 2012年3月1日
出願番号 特願2009-295289
公開番号 特開2010-237192
登録番号 特許第4543186号
出願日 平成21年12月25日(2009.12.25)
公開日 平成22年10月21日(2010.10.21)
登録日 平成22年7月9日(2010.7.9)
優先権データ
  • 特願2009-060672 (2009.3.13) JP
発明者
  • 北 和之
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 二酸化窒素光分解コンバータおよび二酸化窒素光分解コンバータを備えた窒素酸化物濃度測定装置 新技術説明会
発明の概要


【課題】二酸化窒素(NO)を一酸化窒素(NO)に変換する変換効率が高く安定しており、かつ他の窒素化合物の分解による干渉が少ない二酸化窒素光分解コンバータおよび二酸化窒素光分解コンバータを備えた化学発光法窒素酸化物濃度測定装置を提供する。
【解決手段】測定する試料ガスを導入する二酸化窒素コンバータ本体と、前記二酸化窒素コンバータ本体に設けられた紫外光源からなり、前記紫外光源から紫外光を照射し、前記試料ガス中に含まれる二酸化窒素を光分解して一酸化窒素に変換して、前記試料ガス中の二酸化窒素濃度を測定する二酸化窒素測定装置で用いられる二酸化窒素光分解コンバータであって、前記紫外光源は、複数の間欠点灯する紫外発光ダイオードから構成され、前記複数の紫外発光ダイオードのそれぞれのピーク波長は355nmから410nmであることを特徴とする。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


大気中の窒素酸化物(NO)は直接人体に有害であるばかりでなく、大気中の光化学反応により対流圏でオゾン(O)を生成する。対流圏のオゾンは、光化学スモッグの主成分として人体や植物に悪影響を及ぼすだけでなく、強力な温室効果気体として気候変動に影響をもたらすと考えられている。また、NOは酸性雨原因物質である硝酸(HNO)の原料となっている。近年この対流圏オゾンの増加傾向が示されており、降水中の硝酸増加も懸念されている。NO(一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO))がこのオゾンや硝酸の生成に決定的な役割を果たしているため、大気環境保全上その測定は重要である。



窒素酸化物(NO)は、主に自動車や工場などの排気中の一酸化窒素(NO)の形で大気中に放出されるが、大気中での化学反応で二酸化窒素(NO)に変換され、通常NOがNOの主成分である。しかし、NOとNOは日中の光化学反応において、数分程度の時定数ですばやく相互に変換しており、NOの測定ではその両方を同時に測定することが重要である。



大気汚染監視、大気環境測定のため大気中の窒素酸化物(NO)の濃度および自動車の排気ガス中等の窒素酸化物(NO)濃度を測定する方法として化学発光法が広く用いられている。この化学発光法は、大気または排気ガス等から採取した試料ガスとオゾン(O)を窒素酸化物濃度測定装置の測定部である反応槽の内部で接触させ、試料ガス中の一酸化窒素(NO)とOとが化学反応を起こす際に発生する化学発光の強度を光電検出器(光センサ)で検出することにより、試料ガス中のNOの濃度を測定する方法である。



環境大気中および自動車の排気ガス中等に含まれる窒素酸化物(NO)は、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO)で構成されるが、NOとオゾン(O)の間では化学発光反応がないので、NOは直接化学発光法では測定できない。そこで化学発光法による窒素酸化物濃度測定装置では、NOの濃度を測定できるように、大気または排気ガス等から採取した試料ガスを測定部の反応槽の内に導入する試料ガス導入流路を分岐させ、その一方は二酸化窒素コンバータを通過するようにしている。そして、試料ガスが二酸化窒素コンバータを通過する間に、試料ガス中のNOをNOに還元変換することで、NOも化学発光法で測定している。



上記の窒素酸化物濃度測定装置では、二酸化窒素コンバータを通過する流路と通過しない流路を交互に切り替えて測定を行なう。二酸化窒素コンバータを通過したときに得られた測定値は、二酸化窒素(NO)と一酸化窒素(NO)を合わせた窒素酸化物(NO)の濃度であり、二酸化窒素コンバータを通過しないときにはNOの濃度が得られる。NOの濃度からNOの濃度を差し引くことで、NOの濃度を求める。このように、化学発光法による窒素酸化物濃度測定装置では、NOの濃度を測定するためにNOをNOに変換する二酸化窒素コンバータを用いている。(特許文献1)



従来の化学発光法による窒素酸化物濃度測定装置のほとんどでは、二酸化窒素(NO)を一酸化窒素(NO)に変換する二酸化窒素コンバータとして、モリブデン(Mo)触媒あるいはカーボンを使用している。この二酸化窒素コンバータでは、加熱させたMo触媒あるいはカーボン表面の化学反応によってNOをNOに変換している。



上述のモリブデン(Mo)触媒等を内蔵した二酸化窒素コンバータを備えた窒素酸化物濃度測定装置では、二酸化窒素(NO)を一酸化窒素(NO)に変換する変換効率は95%以上と高い。しかしこの窒素酸化物濃度測定装置では、Mo触媒等によって、大気中の他の窒素化合物、例えば三酸化窒素(NO)および五酸化二窒素(N)、亜硝酸(HONO)、硝酸(HNO)、有機硝酸等もNOに変換するため、窒素酸化物(NO)および二酸化窒素(NO)濃度の測定値が過大となる誤差(干渉)が生じるため、正確なNOおよびNO濃度の測定が困難であった。



一方、化学発光法による窒素酸化物濃度測定装置に使用する二酸化窒素コンバータとして、紫外線(UV)で二酸化窒素(NO)を一酸化窒素(NO)に変換する二酸化窒素光分解コンバータが近年開発されている。この二酸化窒素光分解コンバータでは、大気または排気ガス等から採取した試料ガスが導入されるガラス製であるセルの一方の側面にUV光源を取り付け、試料ガスにUVを照射することでその中のNOをNOに光分解している。
NO2+hν→NO+O (式1)



この二酸化窒素光分解コンバータで多くの場合光源として使用される紫外線(UV)ランプは波長選択性を有しておらず、光出力の大部分が、二酸化窒素(NO)の光分解に適した波長以外のUVや可視光である。そのため効率が悪く、光出力の大きいUVランプを使用する必要があるが、それでもNOの光分解に適した波長のUV強度は不十分で、NOを一酸化窒素(NO)に変換する変換効率を高くすることは困難であった。



この紫外線(UV)ランプを光源として使用する二酸化窒素光分解コンバータでは、UVランプの発熱により二酸化窒素光分解コンバータ内部の温度が上昇する。二酸化窒素光分解コンバータ内部の温度が40℃以上に上昇すると、試料ガス中に含まれる有機硝酸等の他の窒素化合物も二酸化窒素(NO)に熱分解されるため、窒素酸化物(NO)および二酸化窒素(NO)濃度の測定値が過大となる誤差(干渉)が生じてしまう。温度上昇を低く抑えるためには強力な冷却が必要であるので、このようなUVランプを使用した二酸化窒素光分解コンバータは実用的でなく、研究以外では使用されていなかった。



また、この紫外線(UV)ランプを使用する二酸化窒素光分解コンバータでは、UVランプが波長選択性を有していないため、UVランプからの光を直接試料ガスに照射すると、試料ガス中の三酸化窒素(NO)、五酸化二窒素(N)、亜硝酸(HONO)および硝酸(HNO)といった他の窒素化合物が光分解し一酸化窒素(NO)に変換され干渉が生じる。それを防ぐため、UVランプと試料ガスが導入されるガラスセルの間に、必要な波長の光以外を通さない光学フィルターを設ける必要がある。しかしながら、光学フィルターによるUV減衰のため二酸化窒素(NO)を一酸化窒素(NO)に変換する変換効率が低下してしまう。また光学フィルターに強いUV光が直接照射されるため、その劣化が早く長期間性能を保つことができない。これらのことからも、UVランプを使用した二酸化窒素光分解コンバータは実用的でなかった。



近年では、紫外(UV)発光ダイオードを光源とした二酸化窒素光分解コンバータが開発されているが、以下の理由から、UV発光ダイオードを光源として使用した二酸化窒素光分解コンバータは実用的ではない。
(1)通常のUV発光ダイオードは光出力が小さいため、多数のUV発光ダイオードを集積して光源として使用したとしても、十分なUV強度を得ることが困難である。
(2)UV発光ダイオードの発光波長域には他の窒素化合物をも光分解する波長域が含まれているため光学フィルターを設ける必要があり、その光学フィルターによるUV減衰のために、二酸化窒素(NO)を一酸化窒素(NO)に変換する変換効率は低い。
(3)多数のUV発光ダイオードを集積し点灯することで、UV発光ダイオード素子の温度が上昇しその劣化が早く、また光学フィルターに強いUV光が直接照射されるためその劣化も早い。

産業上の利用分野


本発明は、二酸化窒素光分解コンバータおよび二酸化窒素光分解コンバータを備えた窒素酸化物濃度測定装置に関し、特に大気汚染監視、大気環境測定のため大気中の窒素酸化物(NO)の濃度および自動車の排気ガス中等のNO濃度、特にNOの主成分である二酸化窒素(NO)を化学発光強度で検出する化学発光法によって測定するに適した二酸化窒素光分解コンバータおよび二酸化窒素光分解コンバータを備えた二酸化窒素(NO)濃度等の窒素酸化物濃度測定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定する試料ガスを導入する二酸化窒素コンバータ本体と、前記二酸化窒素コンバータ本体に設けられた紫外光源からなり、前記紫外光源から紫外光を照射し、前記試料ガス中に含まれる二酸化窒素を光分解して一酸化窒素に変換して、前記試料ガス中の二酸化窒素濃度を測定する二酸化窒素測定装置で用いられる二酸化窒素光分解コンバータであって、
前記紫外光源は、複数の紫外発光ダイオードから構成され、前記複数の紫外発光ダイオードのそれぞれは、ピーク波長355nmから410nmで、発光する光のエネルギーの80%以上が波長355nmから420nmの範囲内となる波長選択性を有し、紫外線発光強度が50mW以上であり、かつ前記複数の紫外発光ダイオードは、前記二酸化窒素コンバータ本体の一方の側面及びそれと反対側の側面にそれぞれ第一及び第二の光源部として対向して設けられると共に、前記第一及び第二の光源部を構成する複数の発光ダイオードは、前記の第一及び第二の光源部からの異なる二方向から互い違いに紫外線が一様に照射されるように、若しくは、前記の第一及び第二の光源部のそれぞれの側で交互に点灯・消灯するように、それぞれ複数の群に分けられ、それぞれの群ごとに間欠的に点灯すること
を特徴とする二酸化窒素光分解コンバータ。

【請求項2】
請求項1に記載の二酸化窒素光コンバータにおいて、前記第一及び第二の光源部を構成する複数の発光ダイオードは、前記の第一及び第二の光源部からの異なる二方向から互い違いに紫外線が一様に照射されるように、それぞれ複数の群に分けられ、それぞれの群ごとに間欠的に点灯することを特徴とする二酸化窒素光分解コンバータ。

【請求項3】
請求項1または2に記載の二酸化窒素光分解コンバータにおいて、前記複数の紫外発光ダイオードは、前記対向する紫外発光ダイオードの群のいずれかの群が常に点灯していることを特徴とする二酸化窒素光分解コンバータ。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の二酸化窒素光分解コンバータにおいて、試料ガス導入口と試料ガス導出口を有する円筒状ガラスセルの外周に反射部を設けることを特徴とする二酸化窒素光分解コンバータ。

【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の二酸化窒素光分解コンバータを備えたことを特徴とする窒素酸化物濃度測定装置
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009295289thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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