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家畜飼料の製造方法及び家畜飼料 新技術説明会

国内特許コード P120006774
整理番号 SHINGI20111206
掲載日 2012年3月2日
出願番号 特願2010-256061
公開番号 特開2012-105570
登録番号 特許第5757558号
出願日 平成22年11月16日(2010.11.16)
公開日 平成24年6月7日(2012.6.7)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
発明者
  • 上松 仁
  • 小林 淳一
  • ▲高▼橋 武彦
  • 伊藤 新
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
  • 公立大学法人秋田県立大学
発明の名称 家畜飼料の製造方法及び家畜飼料 新技術説明会
発明の概要 【課題】安価で、栄養価が高く安全性の高い反芻動物用の家畜飼料を提供する。
【解決手段】杉間伐材の含水率100%以下の木材チップを衝撃式粉砕機で含水率を20%以下に調整し、500μm程度の粒径にする。この木質原料を、乾式で高衝撃力が付加できる高衝撃粉砕装置によりリグニン構造を粉砕して微粒子化する。この微粒子の平均粒径は、10μm~50μmにする。この微粒子化された微粉末を、反芻動物の飼料として用いる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


近年、我が国では牛の畜産において生産効率を上げるために濃厚飼料依存型の飼育方式が主流になっている。
しかしながら、この濃厚飼料依存型の飼育方式は、牛等の反芻動物の生理を無視することになる。このため、濃厚飼料依存型の飼育方式は、ルーメン(第一胃)機能異常にともなうルーメンアシドーシス等の消化器病を中心とした代謝性疾病発生の原因になっている。
ルーメン機能異常の主な原因は、ルーメン液のpHが中性域に維持できず5.5以下まで低下し、ルーメン内に生育する微生物の恒常性が破壊されることにある。この現象は、濃厚飼料の主要なエネルギー源であるデンプン等の易分解性炭水化物が消化され、揮発性脂肪酸や乳酸が短時間に生成されることにより起こる。
特に、ルーメン機能の安定化に重要な役割を果たしているプロトゾア(原生動物)はpH6.0以下の状態が長く続くとルーメンから消失する。このpHの低下を抑制するためには、牧草などの粗飼料の給与を増やすことが求められている。
しかしながら、粗飼料の生産には広大な農地と労働力を要するため、北海道を除いては慢性的な不足を来たしている。
このため、我が国においては、粗飼料を牧草や稲わらの輸入に頼る傾向がある。我が国においても稲わらは水稲により生産されるが、ほとんどが収穫時に田に鋤き込まれ、粗飼料としては流通していないためである。



さらに、我が国においては、穀物からなる濃厚飼料は、100%輸入されている。また、上述のように粗飼料も輸入されている。
したがって、我が国の畜産経営は輸入飼料穀物価格、輸送費の原油価格に影響される状況にあるため、畜産業の基盤は、きわめて不安定になっている。
また、濃厚飼料や粗飼料の輸入により、口蹄疫等の家畜に感染するウイルスや微生物の持ち込みが懸念されている。
さらに、畜産・酪農の分野においても、国産飼料の増産による我が国の食糧自給率の向上への寄与が求められている。



ここで、牧草と主要な成分が同じである木材は反芻動物の粗飼料として注目されてきた。
従来の木材を用いた反芻動物の粗飼料として、特許文献1を参照すると、飼料成分として鋸屑(オガコ)等の木材チップと、微生物培養液で処理され黒酵母菌を含有する発酵生成物とを配合または混合させたことを特徴とする牛用飼育餌が記載されている(以下、従来技術1とする。)。
従来技術1の牛用飼育餌は、発酵生成物として黒酵母菌を含むことから、木材チップの消化分解を著しく促進させるとの効果の記載がある。
しかしながら、木材では、構成成分であるリグニンが、飼料になる栄養成分であるセルロースやヘミセルロースのような糖質を覆い、消化を阻んでいる。リグニンは、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール性の生体高分子化合物であり、高度に重合して、巨大な三次元網目構造(以下、リグニン構造と呼ぶ。)を形成している。また、リグニンは、反応性が乏しい難分解性の化合物であり、反芻動物のルーメン内の通常の微生物では消化できず、通常の酵母でも分解できない。
このため、従来技術1の牛用飼育餌中の木質成分は、実際には、ほとんど消化されない。よって、当該木材チップの給与は、主にルーメンを刺激する効果が期待できるのみであった。



そこで、従来の木材を用いた反芻動物の粗飼料として、特許文献2を参照すると、木材より得られるチップ原料を加圧条件下で蒸煮し、次いで得られた蒸煮物を擂り潰し、繊維状とすることを特徴とする家畜粗飼料の製造方法が記載されている(以下、従来技術2とする。)。
従来技術2の家畜粗飼料は、木材チップを高圧・高温下で蒸煮し、さらに牛が食べやすいように解繊機ですり潰して繊維状にすることで、消化酵素による分解を受けやすくすることができる。



この従来技術2の家畜粗飼料のように、一般に木材を高温・高圧の水蒸気で蒸煮するとヘミセルロースに含まれるアセチル基が遊離して酢酸が生成し、酸性状態になる。この酸性下でヘミセルロースの一部が加水分解し、低分子化して水に可溶になる。また、リグニンも可塑化して、有機溶媒やアルカリで抽出が可能になるとされている。
この状態の家畜粗飼料は、ヘミセルロースが水に溶けて流出し、更に木材の細胞壁構造が破壊されているので、消化酵素が侵入しやすくなる。よって、セルロースやヘミセルロースが、栄養として消化されるようになる。
実際に、蒸煮法で製造された木質飼料は、牛を対象にした野外実証試験で、通常飼料を与えた牛と成長状態に差がないことが実証されている。

産業上の利用分野


本発明は家畜飼料の製造方法、及び家畜飼料に係り、特に牛等の反芻動物の給餌に好適な家畜飼料の製造方法、及び家畜飼料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
粉砕媒体質量が17.9G以上の加速度で木質原料に高衝撃力を付加する乾式の粉砕装置により、木材から得られる含水率20%以下の木質原料のリグニン構造を粉砕して微粒子化し、
前記微粒子化された微粉末を反芻動物の飼料として用いる
ことを特徴とする家畜飼料の製造方法。

【請求項2】
前記微粒子化は、前記微粉末の平均粒径が10μm~50μmになるように微粒子化する
ことを特徴とする請求項1に記載の家畜飼料の製造方法。

【請求項3】
更に、前記微粉末を、圧縮成型機で成型加工する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の家畜飼料の製造方法。

【請求項4】
前記木質原料は、間伐材をチップ化することで得られる含水率100%以下の木材チップを衝撃式粉砕機で含水率を20%以下に調整し、500μm程度の粒径にして用いる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の家畜飼料の製造方法。

【請求項5】
前記木質原料は、杉間伐材を皮つきのままチップ化して用いる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の家畜飼料の製造方法。

【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の家畜飼料の製造方法により製造された
ことを特徴とする家畜飼料。

【請求項7】
更に、食品副産物又は食品廃棄物を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の家畜飼料。

【請求項8】
前記食品副産物又は食品廃棄物は、ふすま、米糠、醤油粕、おから、ビール粕、焼酎粕、酒粕、廃糖蜜のいずれかである
ことを特徴とする請求項7に記載の家畜飼料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010256061thum.jpg
出願権利状態 登録


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