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スペクトル拡散通信システムの受信方法および受信装置 新技術説明会

国内特許コード P120006775
整理番号 SHINGI20111206
掲載日 2012年3月2日
出願番号 特願2011-048247
公開番号 特開2012-186650
登録番号 特許第5745293号
出願日 平成23年3月4日(2011.3.4)
公開日 平成24年9月27日(2012.9.27)
登録日 平成27年5月15日(2015.5.15)
発明者
  • 土居 信数
  • 滝澤 尚也
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 スペクトル拡散通信システムの受信方法および受信装置 新技術説明会
発明の概要 【課題】キャリア周波数ずれを補償することで信号の狭帯域化の制限を無くし、無線長距離通信が可能なスペクトル拡散通信システムの受信方法および受信装置を提供する。
【解決手段】本発明の受信装置2は、キャリア周波数生成手段32と、前記キャリア周波数によって周波数変換された受信信号を逆拡散する逆拡散手段であるマッチドフィルタ34と、受信信号の拡散系列を分割して部分系列毎に逆拡散ベクトルを算出し、前記逆拡散ベクトルの位相を正負に一定角度回転させ、2本の枝に分岐し、前記拡散系列の最後まで分岐を続ける2分木生成手段35と、前記2分木の最初から最後までの複数のパスについて、各部分系列毎に算出された前記逆拡散ベクトルを合成した合成逆拡散ベクトルのノルムをそれぞれ算出し、前記複数のパスのうち、前記合成逆拡散ベクトルのノルムが最大となるパスを逆拡散データとして検出する最大値検出手段36と、復調手段38と、を備えて構成される。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要


ユビキタス情報化社会の到来とともに実用化の期待されているセンサネットワークでは、通信速度は、遅くても良いが通信距離は長くしたいとの要求がある。例えば、無線通信を応用した倉庫の在庫管理や農場管理および鳥獣監視などがある。



一方、センサに搭載する通信装置として有望視されている現在のRFID(Radio Frequency IDentification)の通信距離は、数十mしかない。



したがって、RFIDのメリットを生かしたまま通信距離を拡大させることができれば、ユビキタス情報化社会の実現は一層促進されると思われる。



シャノンの定理では、通信容量Cの理論限界は次式で規定される。



【数1】




ここで、Wは通信路の帯域幅,Sは信号電力,Nは雑音電力である。いま、受信電力(信号電力S)が通信距離Dのα乗に比例して減衰すると仮定すれば、次式を導出できる。



【数2】




ここで、aは定数である。したがって、通信距離Dは、通信容量Cを小さく(通信速度を低く)することで拡大できることが分かる。



しかし、実際の通信では、周波数ずれと時間ずれによる性能劣化によって通信距離が制限される。以下、周波数ずれと時間ずれの性能劣化について説明する。



(1)周波数ずれによる性能劣化
図1は、一般的なスペクトル拡散通信のシステム構成図である。スペクトル拡散通信システムは、送信装置1と受信装置2を備えて構成される。



送信装置1は、送信信号3を拡散符号4によりスペクトル拡散する拡散手段5と、キャリア周波数生成手段6と、前記キャリア周波数生成手段6で生成される信号と前記拡散手段5の出力信号を乗算して、前記出力信号を周波数変換するための乗算器7と、乗算器7の出力信号を伝送信号として無線で送信する送信用アンテナ8と、によって構成される。



受信装置2は、送信装置1からの伝送信号を受信する受信用アンテナ9と、キャリア周波数生成手段10と、前記キャリア周波数生成手段10で生成される信号と前記受信用アンテナ9の出力信号を乗算して、前記出力信号を周波数変換するための乗算器11と、当該乗算器11の出力信号を拡散符号12によりスペクトル逆拡散する逆拡散手段13と、によって構成される。そして、その逆拡散手段13の出力が受信信号14となる。



数2に示すシャノンの変形定理を帯域幅Wのスペクトル拡散通信に当てはめると、狭帯域化、すなわち拡散系列長を長くする(通信速度を低速にする)ことで、通信距離Dを拡大できることが分かる。



しかし、実際の通信システムでは、送信装置1と受信装置2との間には僅かなキャリア周波数のずれがあり、これが原因で逆拡散期間に受信信号の位相が回転する。その結果、正しい処理利得が得られなくなり、通信距離Dが制限される。



スペクトル拡散の正規化処理利得Gpは、逆拡散期間に発生する位相回転をθとするとき次式で与えられる。



【数3】




図2にキャリア周波数を40kHz,チップ速度を1kc/s,送信装置1及び受信装置2の周波数安定度をそれぞれ10ppmとした場合において、拡散系列長Lと正規化処理利得Gpの関係を示す。この図では、拡散系列長Lが大きくなると、正規化処理利得Gpが1から急激に落ち込んでいることがわかる。また図3に、拡散系列長Lと処理利得Gp(正規化してない)の関係を示す。この図では、拡散系列長Lが大きくなると、処理利得Gpが頭打ちになり、拡散比が制限されることがわかる。図中の横軸から垂直に伸びた点線は、拡散比の制限が始まる位置を示している。これらの図から、拡散系列長Lを大きくすると十分な処理利得Gpが得られないことがわかる。



(2)時間ずれによる性能劣化
キャリア周波数以外にも、送信装置1と受信装置2との間には僅かなデータクロック周波数のずれが生じる。その結果、逆拡散期間に拡散系列のチップずれが起こり、同様に正しい処理利得が得られなくなり、通信距離Dが制限される。



図4にキャリア周波数を40kHz,チップ速度を1kc/s,送信装置1及び受信装置2のキャリア周波数の周波数安定度をそれぞれ10ppmとした場合において、送信装置1と受信装置2との間において、逆拡散期間に生ずるチップずれの影響による拡散系列長Lと処理利得の関係を示す。この図でも、拡散系列長Lが大きくなると、正規化処理利得Gpが1から急激に落ち込んでいることがわかる。



実際の通信では、周波数ずれと時間ずれの両方の影響を同時に受け、通信距離Dは、周波数ずれや時間ずれの性能劣化により制限を受ける。



このような問題に対し、従来技術では、受信側で、予め保持している期待信号と、受信信号搬送波との相関演算によって、受信信号搬送波の中に存在するトグル点の候補を検出し、その検出結果に基づいてシフトさせた拡散符号を受信信号に乗算することにより、受信信号を復調する方法が開示されている(特許文献1)。



また、遅延検波によって周波数ずれを伴う信号を復調する方法(特許文献2)や、搬送波周波数オフセット補正方法(特許文献3)などが開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、スペクトル拡散通信システムの受信方法および受信装置に関し、特に長距離無線通信に好適なスペクトル拡散通信システムの受信方法および受信装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
受信信号をキャリア周波数の信号で周波数変換し、
前記周波数変換した前記受信信号について、長さLの拡散系列を長さΔLの部分系列に分割し、
各部分系列毎に逆拡散ベクトルを算出し、
各部分系列毎に算出された前記逆拡散ベクトルの位相をそれぞれ正負に一定角度回転させて、2本の枝に分岐し、
前記拡散系列の最後まで前記2本の枝に分岐を続けて2分木を生成し、
前記2分木の最初から最後までの複数のパスについて、各部分系列毎に算出された前記逆拡散ベクトルを合成した合成逆拡散ベクトルのノルムをそれぞれ算出し、
前記複数のパスのうち、前記合成逆拡散ベクトルのノルムが最大となるパスを復調すべき逆拡散データとして検出し、
前記キャリア周波数をF[Hz]とし、送信側での周波数安定度をAt[ppm]とし、受信側での周波数安定度をAr[ppm]とし、チップ速度をRC[cps]とし、前記拡散系列の長さをL[chip]とし、前記逆拡散ベクトルの算出過程で許容される位相回転をα[rad]としたときに、
前記拡散系列を等間隔に分割する周波数ピッチΔfが次式であらわされ、
【数1】



これにより前記受信信号の長さLの拡散系列が、次式でn分割され、
【数2】



前記部分系列の長さΔLが、次式に示す値以下になることを特徴とするスペクトル拡散通信システムの受信方法。
【数3】



【請求項2】
記各部分系列毎に前記逆拡散ベクトルの位相をそれぞれ正負に一定角度回転させるのに伴い、前記逆拡散ベクトルの位相回転の累積による時間軸変化が、逆拡散ベクトルの算出に際し最小スライド間隔に達したときに、
次式で定義される時間ずれΔtを考慮して、逆拡散する前に入力する前記部分系列をずらすことを特徴とする請求項記載のスペクトル拡散通信システムの受信方法。
【数4】



【請求項3】
キャリア周波数を生成するキャリア周波数生成手段と、
前記キャリア周波数によって周波数変換された受信信号について、長さLの拡散系列を長さΔLの部分系列に分割する拡散系列分割手段と、
前記拡散系列分割手段が分割した各部分系列毎に、前記受信信号を逆拡散して逆拡散ベクトルを算出する逆拡散手段であるマッチドフィルタと、
記逆拡散ベクトルの位相を正負に一定角度回転させて、2本の枝に分岐し、前記拡散系列の最後まで前記2本の枝に分岐を続ける2分木生成手段と、
前記2分木の最初から最後までの複数のパスについて、各部分系列毎に算出された前記逆拡散ベクトルを合成した合成逆拡散ベクトルのノルムをそれぞれ算出し、前記複数のパスのうち、前記合成逆拡散ベクトルのノルムが最大となるパスを復調すべき逆拡散データとして検出する最大値検出手段と、
前記最大値検出手段の逆拡散データに基づいて、受信信号を復調する復調手段と、を備え
キャリア周波数をF[Hz]とし、送信装置の周波数安定度をAt[ppm]とし、受信装置の周波数安定度をAr[ppm]とし、チップ速度をRC[cps]とし、前記拡散系列の長さをL[chip]とし、前記逆拡散ベクトルの算出過程で許容される位相回転α[rad]としたときに、
前記拡散系列を等間隔に分割する周波数ピッチΔfが次式であらわされ、
【数5】



これにより前記受信信号の長さLの拡散系列が、次式でn分割され、
【数6】



前記部分系列の長さΔLが、次式に示す値以下になるように前記拡散系列分割手段を構成したことを特徴とするスペクトル拡散通信システムの受信装置。
【数7】



【請求項4】
記各部分系列毎に前記逆拡散ベクトルの位相をそれぞれ正負に一定角度回転させるのに伴い、前記逆拡散ベクトルの位相回転の累積による時間軸変化が、前記マッチドフィルタの最小スライド間隔に達したときに、次式で定義される時間ずれΔtを考慮して、前記マッチドフィルタに入力する前記部分系列をずらす時間ずれ補償手段を備えたことを特徴とする請求項記載のスペクトル拡散通信システムの受信装置。
【数8】


産業区分
  • 伝送方式
  • ラジオ放送
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011048247thum.jpg
出願権利状態 登録


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