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熱電変換素子及びその製造方法

国内特許コード P120006793
整理番号 QP100004
掲載日 2012年3月6日
出願番号 特願2010-115636
公開番号 特開2011-243809
登録番号 特許第5578665号
出願日 平成22年5月19日(2010.5.19)
公開日 平成23年12月1日(2011.12.1)
登録日 平成26年7月18日(2014.7.18)
発明者
  • 隅野 真央
  • 原田 健太郎
  • 安達 千波矢
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 熱電変換素子及びその製造方法
発明の概要 【課題】高いパワーファクターを実現することが可能な熱電変換素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】その表面にHMDS被膜6が形成されたガラス基板2の上層に、真空蒸着法によって膜厚が6nmのペンタセン薄膜3を成膜し、ペンタセン薄膜3の更に上層に真空蒸着法によって膜厚が2nmのF-TCNQ薄膜4を成膜する。更に、F-TCNQ薄膜4の上層には取り出し電極として膜厚が50nmのAu電極5を形成する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



所望の起電力の取り出しに必要な温度勾配を保持するためには、熱電変換素子の熱伝導率(単位:W/mK)は低い方が好ましい。そして、一般に、有機物は無機物に比べて熱伝導率が低く、低コストで製作できるために、熱電変換素子への応用という点では非常に有利である。





しかし、有機半導体は無機半導体に比べて電気伝導率(単位:S/cm)が小さいため、換言すると電気抵抗値が高いため、無機半導体から構成される熱電変換素子と比較すると、有機半導体から構成される熱電変換素子から大きな起電力を取り出すことは困難であった。





そのため、有機半導体を熱電変換素子に応用するにあたっては、いかにして有機材料の電気伝導率を増大するかという点が、技術的に極めて重要となってくる。

なお、電気伝導率を増大するためには、(1)移動度(単位:cm/Vs)の高い材料を用いること、(2)材料中のキャリア濃度(単位:1/cm)を高めてやることが必要となる。





ところで、高効率な熱電変換素子に重要なファクターは上述した熱伝導率と電気伝導率だけではなく、最終的な材料の熱電変換素子としての特性評価を示す指標として、(式1)で示す熱電性能指数Zが用いられている。なお、σは電気伝導率、Sはゼーベック係数、κは熱伝導率である。

Z=σS/κ (式1)





式1中のゼーベック係数(単位:μV/K)は、いかに大きな起電力を得られるかを示す指標である。なお、ゼーベック係数はキャリア濃度によって変化する量であり、一般に半導体においては、キャリア濃度の増加によってゼーベック係数は低下することとなる。





また、σSはパワーファクター(単位:μW/mK)と呼ばれており、熱電材料特性の良し悪しの議論に頻繁に用いられるものである。





ここで、半導体中のキャリア濃度の増加は、上述した電気伝導率の増大とゼーベック係数の減少といった、熱電特性にとっては相反する効果をもたらすこととなる。そのため、熱電変換素子の熱電特性を向上させるためには、単にキャリア濃度を高めさえすれば良いということではなく、最適なパワーファクターを得るためには、慎重な考察が必要となる。





ところで、有機半導体の電気伝導率を向上させる手段として、導電性高分子等にドーピングを施す技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。なお、ドーピングにより材料中のキャリア濃度が高くなるために、電気伝導率が向上することとなる。

産業上の利用分野



本発明は熱電変換素子及びその製造方法に関する。詳しくは、素子の両端に温度差を与え、その温度勾配に起因する起電力を取り出すことができる熱電変換素子に係るものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
真性有機半導体材料から構成されたキャリア輸送層と、
該キャリア輸送層に隣接して設けられると共に、前記キャリア輸送層に所定のキャリアを供給可能なキャリア発生層とを備える
熱電変換素子。

【請求項2】
前記キャリア輸送層及び前記キャリア発生層は、低分子材料によって構成された
請求項1に記載の熱電変換素子。

【請求項3】
前記キャリア輸送層は、その材料のキャリア移動度が0.1cm/Vs以上であると共に、前記キャリア発生層からキャリアが供給された際の電気伝導率が0.1S/cm以上である
請求項1または請求項2に記載の熱電変換素子。

【請求項4】
前記キャリア発生層は、
その材料と前記キャリア輸送層材料との電荷移動量が0.5以上であると共に、ドナー型有機材料の場合はHOMO準位が-4eV以上であり、アクセプター型有機材料の場合はLUMO準位が-5eV以下である
若しくは、
その材料と前記キャリア輸送層材料との電荷移動量が0.5以上であると共に、ドナー型無機材料の場合はフェルミ準位が-4eV以上であり、アクセプター型無機材料の場合はフェルミ準位が-5eV以下である
請求項1、請求項2または請求項3に記載の熱電変換素子。

【請求項5】
前記キャリア輸送層材料は、アントラセン若しくはその誘導体、テトラセン若しくはその誘導体、ペンタセン若しくはその誘導体、ルブレン若しくはその誘導体、フラーレン若しくはその誘導体、グラフェン若しくはその誘導体、ピセン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリアセチレン若しくはその誘導体、ポリジアセチレン若しくはその誘導体のいずれかである
請求項1、請求項3または請求項4に記載の熱電変換素子。

【請求項6】
前記キャリア発生層は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、ジクロロジシアノベンゾキノン、三酸化モリブデン、三酸化タングステン、ジベンゾテトラチアフルバレン、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン、ビスシクロペンタジエニルの金属錯体若しくはその誘導体、アクリジンオレンジベース、炭酸セシウム、フッ化リチウムのいずれかである
請求項1、請求項3、請求項4または請求項5に記載の熱電変換素子。

【請求項7】
真性有機半導体材料によりキャリア輸送層を形成すると共に、該キャリア輸送層に隣接して同キャリア輸送層に所定のキャリアを供給可能なキャリア発生層を形成する工程を備える
熱電変換素子の製造方法。

【請求項8】
前記キャリア輸送層及び前記キャリア発生層は、低分子材料を真空蒸着することにより形成する
請求項7に記載の熱電変換素子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2010115636thum.jpg
出願権利状態 登録
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