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視軸・視野の測定方法およびその測定装置

国内特許コード P120006834
整理番号 T100802
掲載日 2012年3月15日
出願番号 特願2010-213880
公開番号 特開2012-065888
登録番号 特許第5582503号
出願日 平成22年9月24日(2010.9.24)
公開日 平成24年4月5日(2012.4.5)
登録日 平成26年7月25日(2014.7.25)
発明者
  • 印牧 信行
出願人
  • 学校法人麻布獣医学園
発明の名称 視軸・視野の測定方法およびその測定装置
発明の概要 【課題】本発明は、ヒト以外の被検動物において、視軸・視野を測定する方法、ならびにその測定のための装置を開発することを課題とする。また、そのような方法および装置を使用して、ヒト以外の被検動物における緑内障の初期診断を行うことを課題とする。
【解決手段】本発明の発明者は、左右の視軸(眼球正中線)が体軸正中線との交点(体軸視野中心)を新たに定義し、体軸正中線と「体軸視野中心」-「外側臨界点」の線分または「体軸視野中心」-「内側臨界点」の線分とがなす角度(体軸角、∠B)、および視野正中線と「外側臨界点」-「眼球」の線分または「内側臨界点」-「眼球」の線分とがなす角度(仰角、∠C)とを測定することにより、簡便に「外側臨界点」-「眼球」-「内側臨界点」の3点により形成される「視野角」を測定することができることを明らかにした。また、本発明の発明者は、そのような角度を測定するための装置もまた、明らかにした。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



緑内障は、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である。緑内障の視神経障害および視野障害は、基本的には進行性であり、非可逆的であり、視神経が一度障害されてしまったら、障害された視神経を回復させる方法はなく、病気の進行をくい止めることが目標となってしまう。また、緑内障では、患者の自覚なしに障害が徐々に進行する。したがって、多くの場合に自覚症状がない緑内障に対して、最も重要なことは早期発見・早期治療による障害の進行の阻止あるいは抑制が特に重要な課題となっている。





近年、ヒトにおいては、緑内障に対する治療の進歩は目覚しく、新たな治療手段が多数臨床導入され、その治療は多様化している。例えば、薬物療法により房水の産生量を減らしたり、房水の流れをよくする治療法、レーザーを虹彩にあてて穴を開けたり、線維柱帯にあてて房水の流出を促進することによるレーザー治療、水の流れを妨げている部分を切開し流路をつくって房水を流れやすくする方法や、毛様体での房水の産生を押さえる方法などの手術が一般的である。





しかしながら、個々の症例に適した治療手段を選択し、早期治療を行い、さらにquality of life(QOL)あるいはquality of visionを考慮した疾患の管理を長期にわたって行うことは、必ずしも容易ではない。





緑内障の診断は、ヒトの場合にはまず、詳細な問診を行って、眼の外傷、炎症、手術、感染症などの既往歴のほか、霧視、虹視症、眼痛、頭痛、充血などの自覚症状の問診を行うことが重要であると考えられている(非特許文献1)。その上で、これらの症状が存在する場合に、緑内障が疑われ、眼圧検査、眼底検査、視野検査等が行われる。





眼圧検査は、直接目の表面に測定器具をあてて測定する方法または目の表面に空気をあてて測定する方法である。眼底検査は、視神経の状態をみるために、視神経乳頭部を観察する方法である。視神経が障害されている場合、陥凹(へこみ)の形が正常に比べて変形し大きくなる。また、視野検査は、視野の欠損の存在の有無や大きさから緑内障の進行の具合を判定する。





そして、これらの詳細な検査を経て、緑内障の治療方針を立てるために、眼圧上昇機序によって、大きくは、緑内障が原因で眼圧上昇を生じる原発緑内障、他の眼疾患などが原因となって眼圧上昇が生じる続発緑内障、胎生期の隅角発育異常により眼圧上昇をきたす発達緑内障の3病型に分類することが有用である。





そして、さらに、視野欠損や視野狭窄、失明などの視野障害が存在する場合には、視野計を用いて動的視野検査(ゴールドマン視野計など)や静的視野検査(ハンフリー視野計)を行い、具体的に視野障害の位置や状況などを確定し、治療の方向性を定めている。





近年、ヒト以外の動物でも、緑内障に罹患する症例の実態が明らかになりつつある。例えば、イヌの場合、本発明者らの過去の診断によれば、眼圧上昇による眼疼痛、視覚障害および眼球拡張を示す緑内障の個体が、眼疾患症例中11%(2591症例中325症例)を占めることが明らかになり、特に柴犬では41.0%(244症例中100症例)を占めることが明らかになった。





しかしながら、コンパニオン動物をはじめ、ヒト以外の動物では、当然ながら自覚症状の問診をすることができないため、初期診断の妨げになっている。結果的にヒト以外の動物の場合には、外観上の異常や行動上の問題などが生じてから、初めて緑内障であることが疑われることとなり、緑内障の初期診断を行うことは非常に難しいとされている。その結果、緑内障の診断が行われた時には、既に多くの治療方法の選択肢が失われてしまっているというのが現状である。





また、ヒト以外の動物では、仮に緑内障の初期診断ができた場合であっても、視野障害の位置や状況などを調べることが基本的に不可能であった。というのも、ヒトにおいて使用されている視野計を用いたとしても、光が見えたことを知らせる術を持たないため、視野計を使用した検査を行うことができないためである。





そのため、ヒト以外の動物では、外部から緑内障の初期診断を行うことができる方法およびその方法を実現するための装置を開発することが求められている。

産業上の利用分野



本発明は、ヒト以外の被検動物、特にイヌにおける、視軸・視野を測定する方法、ならびにその測定のための装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
(i)左右の視軸(眼球正中線)と体軸正中線との交点(体軸視野中心)を求める工程;
(ii)視野角を求める眼に対して、体軸視野中心を中心とした所定半径の円周上の点のうち、体軸正中線から最も離れた視野の臨界点(外側臨界点)、および外側臨界点から見て反対側の円周上に存在する視野の臨界点(内側臨界点)を求める工程;
(iii)体軸視野中心-外側臨界点の線分と体軸正中線とがなす角(体軸角、∠BE)、および外側臨界点-体軸視野中心の線分と外側臨界点-眼球の線分とがなす角(仰角、∠CE)を求め、視野正中線と外側臨界点-眼球の線分とがなす外側臨界視野角(∠DE)を算出する工程;
(iv)体軸視野中心-内側臨界点の線分と体軸正中線とがなす角(体軸角、∠BI)、および内側臨界点-体軸視野中心の線分と内側臨界点-眼球の線分とがなす角(仰角、∠CI)を求め、視野正中線と内側臨界点-眼球の線分とがなす内側臨界視野角(∠DI)を算出する工程;
(v)外側臨界視野角(∠DE)と内側臨界視野角(∠DI)とから、視野角(∠D)を求める工程;
を含む、ヒト以外の被検動物における単眼視野角を決定する方法。

【請求項2】
光学的シグナルを眼球に当てた際、その光学的シグナルに対する固視が消失した点またはその光学的シグナルに向けた眼球運動が消失した点を、臨界点と定める、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
臨界点が体軸視野中心を中心とする所定半径の円周上のゾーンのうち、体軸正中線に対して、検査対象となる眼とは反対側にあるゾーンにある場合、外側臨界視野角(∠DE)または内側臨界視野角(∠DI)を、体軸角(∠B)+仰角(∠C)で表し、
臨界点が体軸視野中心を中心とする所定半径の円周上のゾーンのうち、体軸正中線に対して、検査対象となる眼と同一側にあり、かつその円周と体軸正中線との交点ならびにその円周と視野正中線との交点で挟まれるゾーンにある場合、外側臨界視野角(∠DE)または内側臨界視野角(∠DI)を、仰角(∠C)-体軸角(∠B)で表し、
臨界点が体軸視野中心を中心とする所定半径の円周上のゾーンのうち、体軸正中線に対して、検査対象となる眼と同一側にあり、かつその円周と視野正中線との交点ならびにその円周と視軸(眼球正中線)との交点で挟まれるゾーンにある場合、外側臨界視野角(∠DE)または内側臨界視野角(∠DI)を、体軸角(∠B)-仰角(∠C)で表し、
臨界点が体軸視野中心を中心とする所定半径の円周上のゾーンのうち、体軸正中線に対して、検査対象となる眼と同一側にあり、かつその円周と視軸(眼球正中線)との交点よりも外側のゾーンにある場合、外側臨界視野角(∠DE)または内側臨界視野角(∠DI)を、体軸角(∠B)+仰角(∠C)で表す、
請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
被検動物がイヌである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
光学的シグナルとして、明室下において高輝度のちらつき光源を眼球に当てる、請求項2に記載の方法。

【請求項6】
一方の眼に対して請求項1~4のいずれか1項に記載の単眼視野角を決定する方法を実施して視野を決定する工程、
次いでもう一方の眼に対して請求項1~4のいずれか1項に記載の単眼視野角を決定する方法を実施して視野を決定する工程、そして
両方の眼の視野を合成して当該被検動物における全視野角を決定する工程、
を含む、ヒト以外の被検動物において全視野角を決定する方法。

【請求項7】
(a)左右の視軸(眼球正中線)と体軸正中線との交点(体軸視野中心)にその基準点を配置する第一の角度測定手段;
(b)体軸視野中心から所定の距離に配置される第二の角度測定手段;
(c)眼球に対して光を当てるための、第二の角度測定手段と結合された光源;
を含む、ヒト以外の被検動物における単眼視野角の測定装置。

【請求項8】
第一の角度測定手段および/または第二の角度測定手段が分度器である、請求項7に記載の装置。

【請求項9】
体軸視野中心と第二の測定手段との間の距離が、約45~55 cmである、請求項7または8に記載の装置。

【請求項10】
光源から放射される光が、リニアな光である、請求項7~9のいずれか1項に記載の装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 4C316AA18
  • 4C316AA21
  • 4C316FA01
  • 4C316FY08
画像

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出願権利状態 登録
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