TOP > 国内特許検索 > 圧縮繊維構造材の製造方法

圧縮繊維構造材の製造方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P120006883
整理番号 N11109
掲載日 2012年3月16日
出願番号 特願2012-044751
公開番号 特開2013-078556
登録番号 特許第5947564号
出願日 平成24年2月29日(2012.2.29)
公開日 平成25年5月2日(2013.5.2)
登録日 平成28年6月10日(2016.6.10)
優先権データ
  • 特願2011-204955 (2011.9.20) JP
発明者
  • 中山 昇
  • 堀田 将臣
  • 井澤 直樹
  • 玉井 寛人
  • 齋藤 直人
  • 薄井 雄企
  • 荻原 伸英
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 圧縮繊維構造材の製造方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要 【課題】治療対象となる部位で強度に差がある場合であっても、生体骨に近い機械的特性と骨芽細胞を増加させ易い特性を持つ薄板状の圧縮繊維構造材を容易に製造できる方法を提供することにある。
【解決手段】平均径が5~50μmでアスペクト比が20~500の生体親和性繊維14を準備する工程と、その生体親和性繊維14を常温圧縮せん断加工して、水銀圧入法での測定により得られた平均空孔径が60μm以上100μm以下で空隙率が25%以上50%以下の範囲となる圧縮繊維構造材1を成形する工程とを有する圧縮繊維構造材1の製造方法により、上記課題を解決する。さらに、常温圧縮せん断加工は、200~2000MPaの範囲の圧縮圧力と、0.2~5mmの範囲のせん断ストローク長と、0.5~5mm/分の範囲のせん断速度とを制御して行うことが好ましい。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


人工関節やデンタルインプラント等の生体材料は、生体骨と同程度の強度、及び生体骨との優れた結合性が求められる。また、頭蓋骨欠損を補填するための生体材料や、骨移植部分の形態を整えるための生体材料は、頭蓋骨の形状や移植部分の骨形状に適合させる必要があるため、柔軟さや曲げ易さも求められる(非特許文献1)。



生体材料と生体骨との結合性には、骨芽細胞が関与する。骨芽細胞は、表面粗さが大きく、三次元的でかつ等方的な凹凸を持つ面での初期付着率が高いことが知られている(非特許文献2)。また、骨芽細胞は、直径数十μm以上の連続孔を有する材料で優れた内部成長が起こることも知られている(非特許文献3)。したがって、骨芽細胞が付着し易く、成長し易いほど、生体材料と生体骨との結合性が優れたものとなる。



骨欠損部に補填される生体材料の例として、ハイドロキシアパタイト等のセラミックスが知られている。こうしたセラミックスは、粉末冶金法で作製される多孔体であるので、生体骨との結合力が優れるという利点がある。しかし、柔軟性に劣ると共に曲げ強度が低いため、高荷重が負荷される部位には用いられていない。また、同じセラミックスで強度の高いアルミナ(酸化アルミニウム)は、生体骨との結合性を向上させたり曲げ弾性率を低下させたりするために多孔質化を行う必要があるが、多孔質化したアルミナは、柔軟性に劣り、強度が不足してしまうという難点がある。



一方、チタン材料は、優れた生体親和性、強度及び耐食性を持つことから、人工関節やデンタルインプラント等の生体材料として注目されている。しかし、チタン材料としてチタン板を用いた場合、そのチタン板は表面が平滑なために生体骨との結合性が悪いという問題がある。こうした問題に対し、チタン板をパンチング加工したパンチングメタルが用いられている。チタンは比強度が高いので、生体骨との結合性向上や低弾性率化のためにチタン板にパンチング加工して多孔質化を行っても、強度が不足しないという利点がある。



また、チタン材料としてチタン繊維を用い、そのチタン繊維で作製した不織布を用いた医療材料が提案されている(特許文献1)。このチタン不織布は、直径100μm未満、アスペクト比20以上(短軸:長軸比=1:20以上)のチタン繊維を絡合して層状に形成し、その表面層から内部に至るまで生体硬組織着床空間を形成してなるものであり、生体硬組織誘導性及び定着性に優れた生体硬組織誘導性スカフォールド材料として提案されている。そして、そのチタン不織布は、人工歯根インプラントや人工関節インプラント等の整形外科用インプラントと共に使用できると提案されている。



ところで、金属の粉末や繊維を多孔体に固化成形する方法として、ホットプレス法、放電プラズマ焼結法等の粉末冶金法が挙げられる。しかし、これらの方法による固化成形には、加熱や発熱が伴う。その加熱や発熱は、成形体を酸化させて脆化し、柔軟性に劣るものとなる。一方、常温圧縮せん断加工法は、常温及び大気雰囲気中で金属粉末や金属繊維に圧縮荷重とせん断荷重を負荷して固化成形する方法である(非特許文献4、特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、生体材料として用いられる圧縮繊維構造材及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、生体骨に近い機械的特性を持ち、骨芽細胞を増加させ易い生体材料として用いられる薄板状の圧縮繊維構造材及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
平均径が5~50μmでアスペクト比が20~500の生体親和性繊維としてのチタン繊維を準備する工程と、マグネシウム繊維又はマグネシウム粉末を準備する工程と、前記チタン繊維と前記マグネシウム繊維、又は前記チタン繊維と前記マグネシウム粉末に対して常温圧縮せん断加工することによって前記チタン繊維と前記マグネシウム繊維、又は前記チタン繊維と前記マグネシウム粉末を複合し、水銀圧入法での測定により得られた平均空孔径が60μm以上100μm以下で空隙率が25%以上50%以下の範囲となる圧縮繊維構造材を成形する工程と、を有ることを特徴とする圧縮繊維構造材の製造方法。

【請求項2】
前記常温圧縮せん断加工を、200~2000MPaの範囲の圧縮圧力と、0.2~5mmの範囲のせん断ストローク長と、0.5~5mm/分の範囲のせん断速度とを制御して行う、請求項1に記載の圧縮繊維構造材の製造方法。

【請求項3】
嵩密度が3~5g/cmの範囲である、請求項1又は2記載の圧縮繊維構造材の製造方法。

【請求項4】
前記圧縮繊維構造材を成形する工程では、前記チタン繊維に前記マグネシウム繊維又は前記マグネシウム粉末を混合した後に前記常温圧縮せん断加工を行う、請求項1~3のいずれかに記載の圧縮繊維構造材の製造方法。

【請求項5】
前記圧縮繊維構造材を成形する工程では、前記チタン繊維だけに対し前記常温圧縮せん断加工することによって、一次圧縮成形体を成形する工程と、前記一次圧縮成形体を前記マグネシウム繊維、又は前記マグネシウム粉末で挟み込んで前記常温圧縮せん断加工することによって、前記チタン繊維と前記マグネシウム繊維、又は前記チタン繊維と前記マグネシウム粉末を複合する工程とを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の圧縮繊維構造材の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2012044751thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close