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フェルラ酸結合型糖質の製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120006886
整理番号 N11126
掲載日 2012年3月16日
出願番号 特願2012-030096
公開番号 特開2012-187099
登録番号 特許第5900792号
出願日 平成24年2月15日(2012.2.15)
公開日 平成24年10月4日(2012.10.4)
登録日 平成28年3月18日(2016.3.18)
優先権データ
  • 特願2011-034120 (2011.2.21) JP
発明者
  • 佐藤 伸明
  • 高野 陽平
  • 天野 良彦
  • 槇島 聡
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 フェルラ酸結合型糖質の製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】酵素反応技術や化学薬品処理による方法では、フェルラ酸の離脱やオリゴ糖の分子量低下を招き、工程上の負荷が大きく産業利用が困難であったフェルラ酸結合型糖質を高収率で得ることを可能にする。
【解決手段】植物細胞壁由来のペクチン含有原料を使用し、ペクチン含有原料に、飽和蒸気圧以上の圧力制御下において、加熱温度160~180℃、加熱時間5~15分の処理条件により水熱処理を施す水熱処理工程を利用することにより、フェルラ酸基を持つアラビノオリゴ糖あるいはガラクトオリゴ糖等のフェルラ酸結合型糖質を製造する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


植物細胞壁を構成する多糖類、特にビートパルプやリンゴに豊富に含まれるペクチンの側鎖には、アラビノースをユニットとするアラビノオリゴ糖やガラクトースをユニットとするガラクトオリゴ糖が含まれており、そのそれぞれのオリゴマーの末端にフェルラ酸が付加していることが知られている(非特許文献1)。



アラビノオリゴ糖は1、5-α-Lアラビナンを主鎖としてL-アラビノフラノース残基のO-3位またはO-2位に所々α-L-アラビノフラノース残基が結合した2~10糖からなるオリゴ糖である。



アラビノオリゴ糖は、ビフィズス菌のうち、特に成人の健康維持に重要と考えられているビフィドバクテリウム アドレッセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム ロングム(B.longum)と腸内最優勢菌であるバクテロイデス属のバクテロイデス ブルガータス(B.vulgatus)にのみ資化される。
一方、高タンパク高脂肪の食生活で増加する有害菌であるクロストリジウム パーフリンジェンス(ウェルシュ菌:C.perfringens)などには資化されないという報告がある(非特許文献2)。
これはアラビノオリゴ糖がキシロオリゴ糖やフラクトオリゴ糖よりも高いビフィズス菌選択性を持つことを示し、特に、アラビノースが3個以上結合したアラビノオリゴ糖では、その選択性が極めて高いことも報告されている(非特許文献3)



これらの報告よりアラビノオリゴ糖は、既存の選択的有用菌増殖因子(フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖など)とは異なるタイプのオリゴ糖である可能性がある。



さらにヒト介入研究の分野ではリンゴの摂取により有用菌が増殖し、有害菌が減少するプレバイオティクスとしての効果が確認されているが、その効果はリンゴペクチン側鎖を特徴づけるアラビノオリゴ糖類に起因することが示唆されており、ペクチン由来のフェルラ酸、アラビノオリゴ糖やこれと類似するガラクトオリゴ糖のそれぞれが単独で機能性食品成分として評価される一方で、フェルラ酸基を有するオリゴ糖の生理活性に対する期待も大きい(非特許文献4)。



一般に、フェルラ酸が結合することにより糖鎖の性質は変化する。特に腸内の発酵性および溶解度への影響が大きく、ラットにフェルラ酸を経口投与した場合、フェルラ酸は胃でその多くが吸収されるが、フェルラ酸とオリゴ糖が結合したフェルロイルオリゴ糖では胃での吸収率が低下し、胃腸管から盲腸までゆっくりと吸収が行われるため血漿中のフェルラ酸濃度がより長時間維持されると考えられている(非特許文献5)。



従来のアラビノオリゴ糖の製造方法としては、1、5-アラビナンを原料とし、そこにバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)由来の酵素を作用させる方法が報告されている(非特許文献6)。



またFERMP-18941として寄託されているペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)GALA22を培養してオリゴ糖生成酵素を調製し、ビート搾汁粕やリンゴ搾汁粕などのアラビナン含有繊維分に作用させ加水分解しアラビノオリゴ糖含有物を製造する方法が知られていた(特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は食品加工残渣などのバイオマス資源に高圧水熱反応を直接作用させて、発酵や酵素反応などのバイオプロセスを経ずに、植物細胞壁を構成する有用資源を工業的に分離回収して得られるフェルラ酸基を有するアラビノオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖等のフェルラ酸結合型糖質の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物細胞壁由来のペクチン含有原料を用いてフェルラ酸結合型糖質を製造する方法であって、
前記ペクチン含有原料に、飽和蒸気圧以上の水熱反応場を満足する圧力制御下において、加熱温度160~180℃、加熱時間5~15分の処理条件により水熱処理を施す水熱処理工程を備えるフェルラ酸結合型糖質の製造方法。

【請求項2】
前記水熱処理工程における処理条件を、加熱温度160~170℃、加熱時間5~10分とする請求項1記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法。

【請求項3】
前記フェルラ酸結合型糖質として、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖およびフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖とを製造する請求項1または2記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法。

【請求項4】
前記ペクチン含有原料としてビートファイバーを使用する請求項3記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法であって、
昇温部、反応部、冷却部を連続的な配管構成とし、昇温部から原料スラリーを供給し、昇温部、反応部、冷却部の順に原料スラリーを通過させ、冷却部から製品スラリーを排出する構成とした連続式の水熱処理装置を用いることを特徴とするフェルラ酸結合型糖質の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012030096thum.jpg
出願権利状態 登録
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