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ブルーベリーの栽培方法 新技術説明会

国内特許コード P120006890
整理番号 2010-051
掲載日 2012年3月21日
出願番号 特願2011-040784
公開番号 特開2011-182790
登録番号 特許第5712672号
出願日 平成23年2月8日(2011.2.8)
公開日 平成23年9月22日(2011.9.22)
登録日 平成27年3月20日(2015.3.20)
優先権データ
  • 特願2010-026576 (2010.2.9) JP
発明者
  • 國武 久登
  • 布施 拓市
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 ブルーベリーの栽培方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】ブルーベリー苗木のPAC含有量を露地栽培の成木に近い量に増やし、苗木の周年収穫を可能にする栽培方法を提供する。
【解決手段】
ブルーベリーの苗木の栽培には、マイクロプロパゲーションにより増殖された多芽体由来のシュートから挿し穂を採取する。採取された挿し穂をセルトレーに挿し木し、人工気象機内の高湿度雰囲気、蛍光灯及び/又はLEDで光照射下し挿し穂から発根を誘導し、漸次湿度を常湿まで低減して発根後の苗木を育苗する。育苗した苗木を実質的閉鎖環境内で蛍光灯及び/又はLEDで光照射下し生育させる。さらに本発明では、生育された苗木に蛍光灯及び/又はLEDで光照射下しPAC含量を増やすことにより高含量のPACを含む苗木を生産する。これにより、露地栽培のブルーベリー成木の葉におけるPAC含量に近い高含量のPACを含む苗木での周年複数回収穫を可能にする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

ブルーベリー葉の生理活性に関しては、特許文献1、2、3、4により知られている。例えば、特許文献1は、ブルーベリー葉が肝ガン細胞および白血病細胞の増殖を抑制し、ガンの改善に有効であることを開示している。特許文献2は、ブルーベリー葉の加工処理物がC型肝炎ウイルス(以下、「HCV」と言う。)の産生を抑制することを開示している。非特許文献1によれば、このブルーベリー葉の抗HCV活性有効成分はPACであることが記載されている。特許文献3では、ブルーベリー葉の経口摂取により前ガン病変から肝ガンへの進展を抑制することが開示されている。同様に、特許文献4では、ブルーベリー葉の経口摂取により肝臓への脂肪蓄積も抑制することが開示されている。これらのブルーベリー葉の生理活性成分のうち、少なくとも抗HCV活性成分がPACであることは、非特許文献1に開示されている。


ブルーベリーのマイクロプロパゲーションに関しては、特許文献5および6が知られている。しかし、特許文献5および6所載のマイクロプロパゲーションは、単に露地に移植する苗木を増やすための技術であって、比較的高含量のPACを含む苗木の生産、収穫を目指す栽培方法に関する示唆はない。


例えば、特許文献5のマイクロプロバゲーション栽培法では、ブルーベリーの腋芽(葉腋に分化している芽)を植物成長調節物質(以下、「PGR」という。)添加培地で無菌培養して多芽体を誘導する。次いで、同一組成培地に分割移植して、無菌下増殖を繰り返し、増殖した多芽体をPGR無添加培地に移植して、無菌下で芽の伸張を誘導する。この伸張した芽(シュート)から挿し穂をとり、セルトレーに挿し木して、非無菌下で発根誘導する。発根後は、引き続き培養室内環境で順化し、さらに外気環境で順化している。また、特許文献6のマイクロプロバゲーション栽培方法では、スノキ属植物、例えばブルーベリーの茎頂点組織片をPGR添加培地に着床し、密閉状態で組織培養して多芽体を得る。得られた多芽体を気密状態から開放状態へと容器の換気を制御しながら、無菌または減菌下で増殖と健苗化を行う。健苗化された多芽体シュートから、一定長の挿し穂を採取、セルトレーに移植して、培養室環境で発根を誘導する。発根した苗木は、外気環境で本格的に順化する。特許文献6の特徴は、多芽体増殖工程の後段で、無菌または減菌下開放環境に移行し、健苗化を行う点にあり、これによって、発根誘導工程までの効率化と健全な苗の生育をはかり、発根、順化工程への移行を容易にしている。


一方、光の強制照射によって、ポリフェノールやアントシアニンを増やすことに関しては、ブルーベリーとは異なる植物で、非特許文献2及び非特許文献3が知られている。非特許文献2では、ブロッコリースプラウト中のポリフェノール含量に及ぼすLED照射の影響が記載されている。また、非特許文献3によれば、幼植物期のアカジソにおけるアントシアニン生成向上への青色LEDと蛍光灯の同時照射効果も知られている。しかし、これらの文献ではPACの増量に関しての言及は見られない。また、非特許文献2及び3で対象とする植物は、本発明の栽培方法が対象とするブルーベリーとは、科レベルで異なる植物であり、これらの非特許文献に記載の方法をブルーベリーに適用したとしても、本願発明が提供する、PACを選択的に増加させる栽培方法を見出すことは容易ではない。


植物において、PAC又はその前駆体の産生に関与する種々の遺伝子、フラバノン3-ハイドロキシラーゼ(以下F3Hと言う。)、ロイコアントシアニジンオキシゲナーセ(以下LDOXと言う。)、ジハイドロフラボノール4-レダクターゼ(以下DFRと言う。)、ロイコアントシアニジンリダクターゼ(以下LARと言う。)及びアントシアニジンリダクターゼ(以下ANRと言う。)等も、非特許文献4に開示されている。しかし、ブルーベリーの光照射による人工栽培において、光照射と葉のPAC産生に関与する遺伝子についての言及はない。尚、本発明者の知見では、LARについて遺伝子学的に異なる2種のタイプ、LAR1及びLAR2が存在する。

産業上の利用分野

本発明は、ブルーベリーの栽培方法、特にマイクロプロパゲーションにより増殖したブルーベリー苗木のプロアントシアニジン(以下、「PAC」と言う。)含量を増やすブルーベリーの栽培方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ブルーベリーの苗木に、蛍光灯及び/又はLEDによる光照射を、照射強度が60~330μmol・m-2・s-1で、照射期間が4~12日間、連続照射することにより苗木に含まれるプロアントシアニジン(PAC)含量を増やすPAC増量段階を含む、ブルーベリーの栽培方法。

【請求項2】
PAC増量段階での照射光がLED単独による光であり、該LEDが青色もしくは赤色の単独又はそれらの組み合わせである請求項1に記載の方法。

【請求項3】
LEDの青色照射が、照射強度100~300μmol・m-2・s-1である請求項2に記載の方法。

【請求項4】
LEDの赤色照射が、照射強度60~90μmol・m-2・s-1である請求項2に記載の方法。

【請求項5】
ブルーベリーの苗木が、
増殖された多芽体又はブルーベリー成木から採取した挿し穂を培養土に挿し木して、光照射下で発根を誘導し、発根した苗木を順化する育苗段階、
育苗した苗木に蛍光灯及び/又はLEDによる光照射をし、苗木を生育する生育段階、
により得られたものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法

【請求項6】
育苗段階における光照射が、蛍光灯及び/又はLEDによる光照射で、照射時の照射強度が20~50μmol・m-2・s-1照射期間が30~60日間、明期と暗期を等時間少なくとも1回繰り返し、間欠照射するものである請求項5に記載の方法。

【請求項7】
育苗段階における間欠照射が、明期と暗期を12時間毎に繰り返すものである請求項6に記載の方法。

【請求項8】
生育段階における光照射が蛍光灯及び/又はLEDによる光照射で、照射強度が20~50μmol・m-2・s-1で、照射期間が少なくとも20日間、連続照射するものである請求項5に記載の方法。

【請求項9】
育苗段階での光照射が蛍光灯による光照射で、照射強度が20~50μmol・m-2・s-1で、照射期間が30~60日間、明期と暗期を12時間毎に繰り返し、間欠照射するものであり、
生育段階での光照射が蛍光灯による光照射で、照射強度が20~50μmol・m-2・s-1で、照射期間が20~30日間、連続照射するものであり、
PAC増量段階での光照射が蛍光灯及び赤色LEDによる光照射で、照射強度が60~200μmol・m-2・s-1で、照射期間が4~12日間、連続照射するものである請求項5に記載の方法。

【請求項10】
育苗段階での光照射が蛍光灯による光照射で、照射強度が20~50μmol・m-2・s-1で、照射期間が30~60日間、明期と暗期を12時間毎に繰り返し、間欠照射するものであり、
生育段階での光照射が蛍光灯による光照射で、照射強度が20~50μmol・m-2・s-1で、照射期間が20~30日間、連続照射するものであり、
PAC増量段階での光照射が蛍光灯及び青色LEDによる光照射で、照射強度が100~330μmol・m-2・s-1で、照射期間が4~12日間、連続照射するものである請求項5に記載の方法。

【請求項11】
ブルーベリーがラビットアイブルーベリーである請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。

【請求項12】
ラビットアイブルーベリーが「くにさと35号」である請求項11に記載の方法。
産業区分
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011040784thum.jpg
出願権利状態 登録


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