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JAK2遺伝子の変異解析方法

国内特許コード P120006909
整理番号 WASEDA-1117
掲載日 2012年3月21日
出願番号 特願2010-174571
公開番号 特開2012-034580
登録番号 特許第5787304号
出願日 平成22年8月3日(2010.8.3)
公開日 平成24年2月23日(2012.2.23)
登録日 平成27年8月7日(2015.8.7)
発明者
  • 野田 尚宏
  • 関口 勇地
  • 森下 総司
  • 常田 聡
  • 小松 則夫
  • 蓮沼 彩
  • 桐戸 敬太
出願人
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
  • 学校法人早稲田大学
  • 学校法人順天堂
発明の名称 JAK2遺伝子の変異解析方法
発明の概要 【課題】骨髄増殖性疾患に関連するJAK2遺伝子変異の解析方法を提供する。
【解決手段】JAK2遺伝子の変異解析方法、特に、個体由来サンプル中の特定の変異を有するJAK2遺伝子の割合を定量する方法。また、該方法に有用な核酸プローブの提供。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


骨髄増殖性疾患(cMPD;chronic myeloproliferative disorder)は、造血幹細胞レベルでの異常が認められるクローナルな疾患である。該疾患には、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、及び原発性骨髄線維症が含まれる。



これら3種類の疾患の発症メカニズムは長らく不明であったが、2005年に、これらの3種類の疾患において、ヤーヌスキナーゼ(Janus kinase;JAK2)遺伝子のエキソン14の73番目のグアニン塩基がチミン塩基に置換される遺伝子変異(JAK2V617F)が高頻度に観察されることが報告された(非特許文献1)。このことから、当該JAK2遺伝子変異(JAK2V617F)の検出は、cMPDの診断及び治療計画において重要な役割を果たすと考えられる。



実際には、一個体由来の血液試料であっても、変異型JAK2遺伝子を有する血液細胞と正常型JAK2遺伝子を有する血液細胞の両方が含まれる。このことが、JAK2遺伝子変異の検出を利用したcMPDの診断を複雑にしている。一方で、トランスジェニックマウスを用いた実験により、変異型JAK2遺伝子の含有割合(アレルバーデン;allele burden)とcMPDの病態との間に関連性が存在することが示唆されており、変異型JAK2遺伝子のアレルバーデン解析はcMPDの診断において極めて重要である(非特許文献2)。



これまでに開発されているJAK2遺伝子変異の検出及びアレルバーデン解析に関する手法としては、直接シーケンス法、アリル特異的PCR法、及び解離曲線解析法が挙げられる。



直接シーケンス法では、変異部位を含む領域をPCRで増幅し、その増幅産物についてサンガー法を利用したDNAシーケンサーを用いて塩基配列を解析する(非特許文献3)。この方法では、変異部位のシグナルの状態から、変異型遺伝子の検出及びアレルバーデン解析を行うことができる。この方法は操作が煩雑な上、臨床検体を対象とする場合にはバックグラウンドノイズの影響などにより正確なアレルバーデンの判定が困難であるという問題がある。



アリル特異的PCR法では、PCRプライマーの3’末端付近に鋳型の塩基配列とのミスマッチが存在すると伸長反応が進まないことを利用して変異を検出する(非特許文献4)。この方法の特徴は感度が高いことであり、1%程度のアレルバーデンであっても検出することが可能である。しかしながら、この方法は、1つの検体に対して2回の反応(変異型遺伝子検出のための反応及び正常型遺伝子検出のための反応)を行なう必要があり、時間と労力を要する。また、臨床検体を対象とする場合、擬陽性を生じ易いという問題がある。



解離曲線解析法では、まず遺伝子の変異部位を含む領域をPCRなどで増幅し、次に変異部位を含む領域に相補的なプローブを用いて、試料中の核酸由来の増幅産物とプローブとのハイブリッド(二本鎖核酸)を形成させる。続いて、得られたハイブリッド核酸を加熱し、温度上昇に伴うハイブリッドから一本鎖核酸への解離を、蛍光シグナル測定などにより検出する。このときの温度変化による蛍光値のシグナルの形状により、試料中の核酸が変異型遺伝子であるか正常型遺伝子であるかを判別する。解離曲線解析は、簡便ではあるが、変異型遺伝子の存在の有無を検出することができるのみであり、定量性が低いためアレルバーデン解析に用いることは困難である。

産業上の利用分野


本発明は、JAK2遺伝子の変異解析方法、特に、個体由来サンプル中の特定の変異を有するJAK2遺伝子の割合を解析する方法に関する。本発明はまた、該方法に有用な核酸プローブにも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下のステップ:
(a)配列番号2の49位から5’側の配列を有し、3’末端が第1の標識物質により標識されているプローブ、又は配列番号2の51位から3’側の配列を有し、5’末端が第1の標識物質により標識されているプローブを準備するステップ、
(b)サンプル由来の核酸のJAK2遺伝子エキソン14中の、ステップ(a)のプローブと相補的な配列を含む領域を増幅するステップ、
(c)ステップ(b)の前、その途中、又は後に、サンプル由来の核酸又はその増幅産物にステップ(a)のプローブを添加して、増幅配列にプローブをハイブリダイズさせるステップ、及び
(d)第1の標識物質からのシグナルを検出するステップ
を含み、第1の標識物質が、グアニンへの近接によりシグナルが変化する蛍光色素である、JAK2遺伝子変異の解析方法。

【請求項2】
前記プローブが、配列番号2の49位から5’側の16~44塩基長の配列を有し、3’末端が第1の標識物質により標識されているか、又は配列番号2の51位から3’側の16~46塩基長の配列を有し、5’末端が第1の標識物質により標識されている、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記プローブが、配列番号3の配列を有し、3’末端が第1の標識物質により標識されている、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
第1の標識物質が、BODIPY FL(商標)、TAMRA(商標)、FAM(商標)、ローダミン6G、又はパシフィック・ブルー(商標)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
前記プローブが、第1の標識物質と反対側の末端で、第1の標識物質とは異なるシグナルを生成する第2の標識物質により標識されており、ステップ(d)で第2の標識物質からのシグナルを第1の標識物質からのシグナルの検出と逐次的又は同時に検出し、その後、第1と第2の標識物質からのシグナルの比を算出する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
ステップ(b)での増幅を、PCR法、LAMP法、NASBA法、RCA法、ICAN法、又はHDA法により行なう、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。

【請求項7】
サンプルが血液、骨髄液又はそれらの処理物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
配列番号2の49位から5’側の配列を有し、3’末端が第1の標識物質により標識されているか、又は配列番号2の51位から3’側の配列を有し、5’末端が第1の標識物質により標識されており、第1の標識物質が、グアニンへの近接によりシグナルが変化する蛍光色素である、JAK2遺伝子変異解析用プローブ。

【請求項9】
配列番号2の49位から5’側の16~44塩基長の配列を有し、3’末端が第1の標識物質により標識されているか、又は配列番号2の51位から3’側の16~46塩基長の配列を有し、5’末端が第1の標識物質により標識されている、請求項8に記載のプローブ。

【請求項10】
前記プローブが、配列番号3の配列を有し、3’末端が第1の標識物質により標識されている、請求項8に記載のプローブ。

【請求項11】
第1の標識物質と反対側の末端で、第1の標識物質とは異なるシグナルを生成する第2の標識物質により標識されている、請求項8~10のいずれか1項に記載のプローブ。

【請求項12】
請求項8~11のいずれか1項に記載のプローブを少なくとも含む、JAK2遺伝子変異解析用キット。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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