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曲面生成装置及び曲面生成プログラム

国内特許コード P120006933
整理番号 IU090352JP01
掲載日 2012年3月21日
出願番号 特願2010-136647
公開番号 特開2012-003432
登録番号 特許第5458440号
出願日 平成22年6月15日(2010.6.15)
公開日 平成24年1月5日(2012.1.5)
登録日 平成26年1月24日(2014.1.24)
発明者
  • 今野 晃市
  • 村木 祐太
出願人
  • 国立大学法人岩手大学
発明の名称 曲面生成装置及び曲面生成プログラム
発明の概要 【課題】凹形状を含むN辺形領域を覆うB-スプライン曲面を生成する、曲面生成装置を提供する。
【解決手段】曲面生成装置1は、N辺形領域に基づいて局所座標系を設定し、生成する曲面の範囲を規定する4つの境界平面を作成する平面生成部10と、N辺形領域の境界稜線上の複数の点から境界平面へ延びる横断線分を生成する線分生成部20と、判定事項を判定する判定部30と、判定事項に関連する境界稜線に属する横断線分を削除し、当該境界稜線についてオフセット曲線を設定し、このオフセット曲線と当該境界稜線とで新たな横断線分を再生成する線分再構成部40と、横断線分とその境界平面との交点からN辺形領域にあてはめる曲面の境界曲線を生成する境界曲線生成部50と、境界曲線と各横断線分上の各点からN辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成部60と、を備えている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



3次元CADシステムにおける形状変形操作では、トリム曲面が生成されることが多い。曲面をトリミングしている境界稜線は、曲面上に許容誤差範囲内で乗っている曲線である。従って、曲面制御点とトリミングしている境界稜線とを別々に変形すると、曲面と境界稜線との整合性が失われる。そのため、曲面制御点を直接移動したり、境界稜線の形状を変形したりする場合には、トリム曲面としての整合性を維持しながら変形する必要があり、形状変形上の大きな制約となっている。





ダイレクトモデリングを用いて稜線を直接変形したい場合、変形後の稜線が許容誤差範囲内で乗るような制約条件で、曲面の制御点を移動しなければならない。





一般にトリム曲面上に乗る稜線列で構成される閉領域は、N辺形領域である。N辺形領域の境界稜線を局所変形した後で、変形後の稜線が許容誤差以内で乗るように曲面制御点を移動することは、容易ではない。そのため、局所変形後に、幾何学的な整合性を維持できるような自由曲面を新しく当てはめる手法が有効である。





一般に、標準規格部品の形状モデルは、図18に示すように、切り欠き形状を含んでいる場合が多い。図18(a)は標準規格部品の3次元モデルである。図18(b)は、図18(a)の一つの面S1を取り出して、制御点C10を表示したものである。この図18(b)から、面S1は元の曲面を切り欠いた切欠形状として表現されている。





N辺形領域に対して、曲面を当てはめる手法は、曲面内挿法ベースとN-side Filling法ベースとに大別される(非特許文献1)。曲面内挿法ベースは、閉領域の境界と自由曲面の境界曲線が一致するような自由曲面を生成する手法である。N-side Filling 法ベースは、境界曲線で囲まれる閉領域を包含する4辺形のトリム曲面を生成する手法である。





先ず、曲面内挿法ベースの手法について記述する。非特許文献2には、角度許容誤差εを導入し、隣接するパッチ間の共有境界稜線上の任意の点における法線ベクトルの角度がε未満となる曲面当てはめ手法が提案されている。また、非特許文献3には、非特許文献2の「曲面当てはめ手法」を有理曲線でも扱えるように拡張した手法が提案されている。また、非特許文献4は、NURBSの持つ位相についての制約を緩和し、幾何学的に重要でない制御点を間引いたT-splineを提案している。T-splineはT字接続を許すため制御点を大幅に削減できる。





これらの非特許文献2~4の提案手法は、非特許文献5の細分割手法に基づいてN辺形領域の内部に中心点と分割曲線を発生させて、N辺形領域をN枚の4辺形面に分割し、各4辺形領域に曲面当てはめをする手法である。例えば、図19に示すN辺形領域R5について説明する。N辺形領域R5は、その外周を画する5本の凸状の稜線L1~L5と、切欠形状を画する1本の稜線L6とから構成されている。上記手法(非特許文献2~4)に基づいて、図19のN辺形領域R5に曲面を当てはめようとすると、閉領域を表す境界稜線L6の形状によっては歪んだ形状の内部曲線L´が生成される。その結果、歪んだ曲面が生成される。また、穴を含む場合は対応できないという問題がある。





非特許文献6では、N辺形領域を星型のパラメータfで制御可能なN辺形パッチと4辺形パッチに分割し、任意のN辺形領域へ曲面当てはめ手法が提案されている。





非特許文献6の手法は、星型のN辺形領域を表す境界稜線を入力として、領域の内部に複数のパッチを当てはめる手法である。図20に示すように、4辺形で構成されるn枚の規則的なパッチXnを、星型のN辺形パッチ201の周りに生成する。この4辺形で構成されるパッチXnは、隣接するパッチと共通の領域Lを保持するため、4辺形パッチ間の連続性は保たれる。





非特許文献6の手法は、パッチ間の境界をB-spline(以下、B-スプラインと表す場合もある。)に一致させることで、パッチ間の連続性を考慮した曲面当てはめが可能である。また、領域の内部に生成する星型のN辺形パッチ201の大きさはパラメータfで制御でき、任意のN辺形形状に対して曲面当てはめが可能となる。図21は、同一の境界稜線で表す領域に対して、fの値を変化させることで形状を制御した図である。図21(b)のようにfの値を小さくすると内部のN辺形パッチ201は小さくなり、図21(c)に示すようにfの値を大きくすると内部のN辺形パッチ201は大きくなる。つまり、直感的な形状操作が可能である。





次に、トリム曲面ベースの手法について記述する。特許文献1及び非特許文献7には、N辺形領域を覆う1枚の双3次B-spline曲面をN辺形領域に当てはめる手法が提案されている。





特許文献1及び非特許文献7の手法は、N辺形領域を覆うようなB-spline曲面と、接平面に基づいたサンプル点を利用して、曲面フィッティング手法(非特許文献8)によって曲面をN辺形領域に当てはめる。具体的には、図22(a)のように、境界稜線B11~B14で囲まれたN辺形領域210への曲面当てはめは、以下の手順Step 1- Step 5による。





(1)Step 1について

図22(a)に示すように、境界稜線B11~B14を囲む4つの境界平面221,222,223,224を求める。N辺形領域210の境界稜線列の中心と境界稜線列から算出した単位法線ベクトルnを用いて平面を生成する。そして、その平面上に境界稜線列を射影し、XY平面上にバウンディングボックス230を得る。単位法線ベクトルnをZ軸とし、バウンディングボックス230からZ軸に平行な4つの境界平面221,222,223,224を得る。





(2)Step 2について

境界稜線B11~B14上のサンプル点とその点における境界横断導関数(非特許文献9)から、境界を横断する方向に直線を生成し、直線と境界平面221,222,223,224の交点241,242,243,244を算出する。図22(b)に示すように、境界稜線B11~B14上のサンプル点と、直線と境界平面の交点241,242,243,244を両端点とする線分を横断線分251,252,253,254とする。





(3)Step 3について

図22(c)に示すように、各境界平面221,222,223,224に乗る複数の横断線分の端点をB-spline曲線で補間し(非特許文献8)、N辺形領域210を囲む4辺形領域210Aを生成する。生成した4辺形領域210Aは、当てはめるB-spline曲面の境界曲線261,262,263,264となる。





(4)Step 4について

図22(d)に示すように、横断線分251,252,253,254上に複数の点271,272,273,274(以下、点群と呼ぶ。)を発生する。発生した点群は、境界稜線上のサンプル点における接平面上に乗る。





(5)Step 5について

Step 3で生成したB-spline曲面の境界曲線261,262,263,264と、Step 4で生成した点群を利用し、最小二乗法によりB-spline曲面の内部制御点を導出する(非特許文献8)。

産業上の利用分野



本発明は、3次元モデル表面のN辺形領域に曲面をあてはめる曲面内挿技術に係り、特に凹形状を含むN辺形領域にフィットする曲面を生成する曲面生成装置及び曲面生成プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
3次元モデル表面の凹形状を含むN辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成装置であって、
上記N辺形領域に基づいて局所座標系を設定し、生成する曲面の範囲を規定する境界平面を作成する平面生成部と、
上記N辺形領域の境界稜線上の複数の点から上記境界平面へ延びる横断線分を生成する線分生成部と、
下記の事項(G1)及び(G2)の何れに該当するかを判定する判定部と、
上記判定部で上記事項(G1)又は(G2)に該当すると判断された場合に、事項(G1)又は(G2)に関連する境界稜線に属する横断線分を削除し、当該境界稜線についてオフセット曲線を設定し、このオフセット曲線と当該境界稜線とで新たな横断線分を再生成する線分再構成部と、
上記横断線分とその境界平面との交点からN辺形領域にあてはめる曲面の境界曲線を生成する境界曲線生成部と、
上記境界曲線と上記横断線分上の各点から上記N辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成部と、
を備えたことを特徴とする、曲面生成装置。
G1:前記境界稜線が、前記N辺形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:前記線分生成部に基づいて生成された境界稜線上の点から延びた横断線分同士が交差している。

【請求項2】
前記境界曲線生成部が、前記事項(G1),(G2)に関連しない境界稜線に属する横断線分に基づいて前記境界曲線を生成することを特徴とする、請求項1に記載の曲面生成装置。

【請求項3】
3次元モデル表面の凹形状を含むN辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成プログラムであって、
コンピュータを、
上記N辺形領域に基づいて局所座標系を設定し、生成する曲面の範囲を規定する境界平面を作成する平面生成部、
上記N辺形領域の境界稜線上の複数の点から上記境界平面へ延びる横断線分を生成する線分生成部、
下記の事項(G1)及び(G2)の何れに該当するかを判定する判定部、
上記判定部で上記事項(G1)又は(G2)に該当すると判断された場合に、事項(G1)又は(G2)に関連する境界稜線に属する横断線分を削除し、当該境界稜線についてオフセット曲線を設定し、このオフセット曲線と当該境界稜線とで新たな横断線分を再生成する線分再構成部、
上記横断線分とその境界平面との交点からN辺形領域にあてはめる曲面の境界曲線を生成する境界曲線生成部、
上記境界曲線と上記横断線分上の各点から上記N辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成部、
として機能させることを特徴とする、曲面生成プログラム。
G1:前記境界稜線が、前記N辺形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:前記線分生成部に基づいて生成された境界稜線上の点から延びた横断線分同士が交差している。

【請求項4】
前記境界曲線生成部が、前記事項(G1),(G2)に関連しない境界稜線に属する横断線分に基づいて前記境界曲線を生成することを特徴とする、請求項3に記載の曲面生成プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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