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熱蛍光体及びその製造方法 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P120006935
整理番号 54
掲載日 2012年3月21日
出願番号 特願2010-197876
公開番号 特開2012-052070
登録番号 特許第5835539号
出願日 平成22年9月3日(2010.9.3)
公開日 平成24年3月15日(2012.3.15)
登録日 平成27年11月13日(2015.11.13)
発明者
  • 漆山 秋雄
  • 冨澤 祐司
出願人
  • 学校法人立教学院
発明の名称 熱蛍光体及びその製造方法 実績あり 外国出願あり
発明の概要 【課題】熱蛍光の発光強度分布が、加熱による熱蛍光体自体の発光強度のピークと重複しない可視領域に存在し、かつこのピークがバインダとして用いる樹脂の光学的に耐熱可能な温度範囲に一つ存在する熱蛍光体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】母体としての七ホウ酸リチウムと、母体中に存在する発光中心としての銅とを含み、熱蛍光の温度に対する発光強度分布が、45~130℃の範囲内において唯一かつ単峰型である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


周知の通り、近年の放射線治療では、放射線として例えば硬X線、電子線、または加速粒子線等を、照射する放射線の形状及び線量の大小を適宜設定して照射する3次元原体照射(3D-CRT)や強度変調放射線治療(IMRT)などの、高度な定位放射線照射が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。これらの治療方法では、例えば治療計画装置を利用して放射線の照射位置や範囲、または出力等の種々のパラメータを設定して、放射線の照射を行う。これによって、例えば、病巣に近接する重要な臓器を避けて、病巣のみに高線量で放射線を照射する等の、精密な治療を実現させる努力がなされている。従って、このような放射線治療では、上述した各種パラメータを好適な値に決定することが重要である。そして、照射装置自体の機械的精度、装置が具える各種フィルタや線幅拡大器等の管理には、高い精度が求められる。



そこで、このような放射線治療では、実施に際して、治療に用いる放射線の線量測定を行うことによって、上述した各種パラメータ値の決定や精度の検証を行う必要がある。特に、放射線を照射すべき病巣近傍における、放射線の立体的な線量分布に関しては、多くの経験的なデータを得る必要がある。



ここで、放射線の立体的な線量分布、すなわち3次元線量分布を測定するための線量計として、熱蛍光板状体が立体的に複数枚積層されて構成された熱蛍光積層体が周知である(例えば特許文献1参照)。



特許文献1によれば、熱蛍光積層体を構成する熱蛍光板状体は、平板状の板状体であり、かつ熱蛍光物質、すなわち四ホウ酸リチウム等を母体とし、この母体に発光中心としてのマンガンが添加された熱蛍光物質を材料として形成されている。そして、この熱蛍光板状体によって構成された熱蛍光積層体に放射線照射を行えば、放射線の3次元線量分布を得ることができる。



より詳細には、熱蛍光積層体に対する放射線照射後に、それぞれの熱蛍光板状体にバラしてから、各熱蛍光板状体を加熱する。そして、各熱蛍光板状体から、この加熱により発生する熱蛍光の光強度分布を取得する。周知の通り熱蛍光の光強度と被曝線量とには一定の対応関係があるため、取得された光強度分布情報から、放射線が照射された面に沿った放射線の平面的な被曝線量分布(以下、単に線量分布とも称する)、すなわち2次元線量分布の情報を得ることができる。そして、これら得られた各線量分布情報を、元の熱蛍光積層体に照射した放射線の線量分布情報として復元すれば、立体的な、すなわち3次元線量分布を取得できる。



また、特許文献1によれば、熱蛍光積層体を構成する熱蛍光板状体は、人体を構成する生体組織(例えば筋肉組織)と組織等価な、すなわち実効原子番号が同程度に調整されている。



そのため、特許文献1による熱蛍光積層体では、放射線が照射された場合に、例えば光電作用、コンプトン効果、電子対生成作用等の作用が、人体と同程度に生じる。従って、このような熱蛍光積層体を線量計として用いる場合には、種々の補正を行うことなく、得られた測定値を以って、人体に対する放射線の被曝線量に関するデータを取得することができる。



ここで、上述した特許文献1に開示されているマンガン含有の四ホウ酸リチウム(Li)の他に、線量計の材料として使用することが可能な熱蛍光物質として、例えば以下の熱蛍光物質が周知である(例えば、非特許文献2、非特許文献3、及び非特許文献4参照)。



すなわち、非特許文献2及び非特許文献3によれば、銅を含有した三ホウ酸リチウム(LiB)が熱蛍光を示す熱蛍光物質であることが開示されている。



また、非特許文献4には、四ホウ酸リチウム、酸化ホウ素、及び酸化銅(II)の熱反応合成物として熱蛍光物質が得られることが開示されている。そして、この非特許文献4では、これら四ホウ酸リチウム、酸化ホウ素、及び酸化銅(II)の混合比を変更することによって、この混合比に応じた様々な特性を有する熱蛍光物質を形成することが開示されている。



なお、これら非特許文献2、非特許文献3、または非特許文献4に係る熱蛍光物質を材料として3次元線量分布を測定するための線量計を作成するためには、まず、例えば特許文献2に開示されているように、樹脂をバインダとして用いて熱蛍光物質を平板状の板状体に成型する。そして、この板状体を上述した特許文献1に開示されている熱蛍光板状体と同様に、複数枚積層することによって、熱蛍光積層体を作成できると考えられる。

産業上の利用分野


この発明は、熱蛍光体及びその製造方法に関し、特に放射線の3次元線量分布を取得するための線量計であって、人体と組織等価な当該線量計の材料として使用可能な熱蛍光体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
母体としての七ホウ酸リチウムと、前記母体中に存在する発光中心としての銅とを含み、
熱蛍光の波長に対する発光強度分布が唯一かつ単峰型であり、及び600nmよりも短波長の可視領域内に存在する
ことを特徴とする熱蛍光体。

【請求項2】
請求項1に記載の熱蛍光体であって、
前記波長に対する発光強度分布が400~550nmの範囲内の波長領域に存在する
ことを特徴とする熱蛍光体。

【請求項3】
請求項1または2に記載の熱蛍光体であって、
熱蛍光の温度に対する発光強度分布が、45~130℃の範囲内において唯一かつ単峰型である
ことを特徴とする熱蛍光体。

【請求項4】
四ホウ酸リチウム、酸化ホウ素、及び酸化銅(II)を混合することによって混合体を形成する第1工程と、
該混合体を800~850℃の範囲内の温度で熱処理することによって、該混合体を、母体としての七ホウ酸リチウムと、前記母体中に存在する発光中心としての銅とを含む熱蛍光体に変える第2工程と
を含み、
前記第1工程において、前記四ホウ酸リチウムと前記酸化ホウ素とを、四ホウ酸リチウム:酸化ホウ素=3:1のモル比で混合する
ことを特徴とする熱蛍光体の製造方法。

【請求項5】
四ホウ酸リチウム、酸化ホウ素、及び酸化銅(II)を混合することによって混合体を形成する第1工程と、
該混合体を800~850℃の範囲内の温度で熱処理することによって、該混合体を、母体としての七ホウ酸リチウムと、前記母体中に存在する発光中心としての銅とを含む熱蛍光体に変える第2工程と
を含み、
前記第1工程において、前記四ホウ酸リチウムと前記酸化ホウ素とを、四ホウ酸リチウム:酸化ホウ素=6:1のモル比で混合する
ことを特徴とする熱蛍光体の製造方法。

【請求項6】
四ホウ酸リチウム、酸化ホウ素、及び酸化銅(II)を混合することによって混合体を形成する第1工程と、
該混合体を800~850℃の範囲内の温度で熱処理することによって、該混合体を、母体としての七ホウ酸リチウムと、前記母体中に存在する発光中心としての銅とを含む熱蛍光体に変える第2工程と
を含み、
前記第1工程において、前記四ホウ酸リチウムと前記酸化ホウ素とを、四ホウ酸リチウム:酸化ホウ素=2:1のモル比で混合する
ことを特徴とする熱蛍光体の製造方法。

【請求項7】
請求項4~6のいずれか一項に記載の熱蛍光体の製造方法であって、
前記第2工程において、前記熱処理を850℃の温度で行う
ことを特徴とする熱蛍光体の製造方法。

【請求項8】
請求項4~のいずれか一項に記載の熱蛍光体の製造方法であって、
前記第1工程において、前記酸化銅(II)を前記混合体に対して0.1~0.35wt%の範囲内の割合で混合する
ことを特徴とする熱蛍光体の製造方法。

【請求項9】
請求項4~のいずれか一項に記載の熱蛍光体の製造方法であって、
前記第1工程において、前記四ホウ酸リチウム、前記酸化ホウ素、及び前記酸化銅(II)の各重量を調整して混合することによって、当該熱蛍光体の実効原子番号を調整する
ことを特徴とする熱蛍光体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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