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硬質膜、及び硬質膜製造方法

国内特許コード P120006989
整理番号 2004010005
掲載日 2012年3月23日
出願番号 特願2005-125917
公開番号 特開2005-336466
登録番号 特許第5173119号
出願日 平成17年4月25日(2005.4.25)
公開日 平成17年12月8日(2005.12.8)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
優先権データ
  • 特願2004-135400 (2004.4.30) JP
発明者
  • 西出 利一
  • 高橋 知子
  • 沼田 未知子
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 硬質膜、及び硬質膜製造方法
発明の概要

【課題】高い硬度を有し、特に基板表面に対する塗布性に優れた硬質膜、およびこの硬質膜を基板表面に効率よく形成することのできる硬質膜製造方法を提供すること。
【解決手段】プラスチック表面上に形成されてなる硬質膜であって、ハフニアゾル及び/又はジルコニアゾル並びに(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリレート類、及びビニルエーテル類よりなる群から選択される少なくとも一種を含有するゾル組成物を硬化させて成る硬化体層を有することを特徴とする硬質膜であり、また、プラスチック表面上に形成されてなる硬質膜であって、前記硬化体層と、前記プラスチック表面及び前記硬化体層の間に、(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマーを硬化してなるプライマー層とを有することを特徴とする硬質膜である。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


特許文献1に、「無機含水酸化物ゾルからなる水性組成物を固体表面へ適用し、その組成物を固化させてその表面に保護被膜を形成する方法」が開示され、好ましい水性組成物として、ジルコニアゾル、シランカップリング剤及びパッセンジャー粉末を含有する組成物が記載されている。この組成物は、全固形分を100質量部としたとき、ジルコニアゾルが0.1~20質量%、シランカップリング剤が0.05~10質量%、パッセンジャー粉末が0.5~15質量%と、ジルコニアゾルの使用割合が小さいものであった。




【特許文献1】特開平02-85373号公報



特許文献2に、「ジルコニアゾル、シランカップリング剤及び樹脂を含有する水系塗装下地用処理剤」が開示されている。この処理剤も、ジルコニアゾルが10~40質量%、シランカップリング剤が10~60質量%、樹脂が20~70質量%と、ジルコニアゾルの使用割合が小さいものであった。




【特許文献2】特開2001-81392号公報



特許文献3に、「ジルコニアゾル、シランカップリング剤及びフッ素樹脂を含有する分散体」が開示されているが、この発明は、液中における粒子の分散性を改善するものであった。




【特許文献3】特開2001-26416号公報



また、特許文献4に、「親水性・接着性に優れ、かつ表面被覆層の剥離が起きない改質法」を提供することを目的とするポリオレフィン表面のシリカ皮膜形成方法が開示されている。このシリカ皮膜形成方法は、ポリオレフィン表面に特定シラン化合物から成る第1皮膜を形成し、次いで特定のアルコキシシランの部分加水分解物及びシリカゾルを用いて第2皮膜を形成する方法であり、その実施例として「(実施例1)ポリプロピレン平板(PP)(75mm×70mm×1mm)に電子線(加速電圧150KeV、10Mrad)を照射した。電子線照射後のポリプロピレン平板を空気中に放置後、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(AMS)の0.5重量%ジメトキシエタン溶液中60℃で30分加熱した。反応終了後、100℃で1時間乾燥し、第一被膜を形成した。第一被膜を形成したポリプロピレン平板を、テトラエトキシシラン10重量部、0.05N水酸化ナトリウム水溶液2重量部をエタノール100重量部に溶解した溶液に入れ、80℃で2時間加熱した。反応終了後、100℃で4時間乾燥し、第二被膜を形成し、シリカ被覆ポリプロピレン平板を得た。」との開示がある。このポリオレフィンの表面に長時間のかかる工程により二層の皮膜を形成する点において、工業的製法とは言い難い。




【特許文献4】特開平05-156055号公報



特許文献5には、「熱可塑性樹脂でなる基材フィルムと;アルコキシシラン、シランカップリング剤及びエチレン・ビニルアルコールコポリマーを含有する組成物を、ゾル-ゲル法によって重縮合して得られる、主成分がエチレン・ビニルアルコールのランダムコポリマーよりなる直鎖状複合ポリマーでなり、該基材フィルムの少なくとも片面に積層された、少なくとも1層の複合ポリマー層と;を有する、積層フィルム」が、開示される。




【特許文献5】特開平08-99390号公報



この積層フィルムは、熱可塑性樹脂からなる基材フィルムの表面に、特定の直鎖状複合ポリマーのフィルムを形成するために、特定のシランカップリング剤を使用することを本質としている。また、この積層フィルムの形成に際し、「アルコキシシラン及び金属アルコキシドは、添加された水によって、加水分解される。この際、酸が加水分解の触媒となる。」ことを条件としている。



特許文献6には、「下記一般式で表される珪素アルコキシドを加水分解して調製したSiO2 ゾルを主成分とするSiOゾル膜をゲル化してなるSiOゲル膜からなることを特徴とするフィルム基材用ハードコート膜。Rm(OR’)n(Rは炭素数1~10のアルキル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基又はカルボキシル基、R’は炭素数1~10のアルキル基を表し、m+nは4の整数である。)」が開示されている。




【特許文献6】特開平11-279303号公報



この特許文献6に記載されたフィルム基材用ハードコート膜は、プラスチックフィルムを基材とし、その表面に、珪素アルコキシドを酸性条件下で加水分解することによりゲル膜を形成している。この特許文献6には、前記フィルム基材用ハードコート膜は、基材に対する塗布性の向上及び透明性の維持を達成することができるとの主張が記載されている。



特許文献7及び8にも前記特許文献6と同様のフィルム基材用ハードコート膜が記載されている。




【特許文献7】特開平11-279304号公報

【特許文献8】特開平11-279305号公報



また、種々の構造材料として用いられる金属材料及びこの金属材料から構成される各種の構造物にあっては、撥水及び/又は防食を目的として、その表面に特定の被膜が形成されることがある。



また、構造物の補強及び/又は保護を目的として、その表面に特定の被膜が形成されることが多い。このような被膜として、例えば、基板表面に、ゾル-ゲル反応を利用して形成されるシリカ被膜が知られている(例えば、特許文献9参照)。




【特許文献9】特開平6-136162号公報



硬質膜の硬度試験方法には、テーバー摩耗試験などに代表されるところの、試料表面の摩耗による変化の度合いを判定する試験方法、鉛筆硬度試験などに代表されるところの、鋭利な先端で試料表面をひっかく(スクラッチ)ことによるスクラッチ試験方法などがある。これらは試験結果が一定の物理量で示される。たとえば、テーバー摩耗試験では試験後の表面の曇化値(ヘイズ値)で示され、鉛筆硬度では鉛筆の硬さで示される。



しかし、より実用的には硬質膜は布地で擦られたり、砂で擦られたりするので、そのような状況を反映された試験方法が好ましい。たとえば、使用される環境に近い布地や鋭利表面を持つもので擦る試験である。そのようなものとして、鋭利な又は柔軟な表面を持つもの、たとえばスチールウール、紙ヤスリ、麻布、綿布、紙などを硬質膜に一定の加重をかけて一定回数擦り、その後の硬質膜表面の状態を目視などにより判定する方法がある。



表面がプラスチック製である基板の表面に形成された例えばハフニア及び/又はジルコニアの皮膜は、その基板との密着性が弱いと言う一般的な問題は未だ解消していない。

産業上の利用分野


この発明は、硬質膜、及び硬質膜製造方法に関し、さらに詳しくは、高い硬度を有し、しかも基板表面に対する塗布性に優れた硬質膜、及びこの硬質膜を基板表面に効率よく形成することのできる硬質膜製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
プラスチック表面上に形成されてなる硬質膜であって、ハフニウム及び/又はジルコニウムの水酸化物の沈殿に溶媒と有機酸とを加えることにより生成したハフニアゾル及び/又はジルコニアゾル並びに(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリレート類(但し、芳香族臭素化(メタ)アクリレート化合物、一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリレート基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート、及び脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類を除く。)、及びビニルエーテル類よりなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマーを含有するゾル組成物を硬化させて成る硬化体層と、前記プラスチック表面及び前記硬化体層の間に、重合性モノマーである(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマーを硬化してなるプライマー層とを有することを特徴とする硬質膜。

【請求項2】
プラスチック表面上に形成されてなる硬質膜であって、ハフニウム及び/又はジルコニウムの水酸化物の沈殿に溶媒と有機酸とを加えることにより生成したハフニアゾル及び/又はジルコニアゾル並びに(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリレート類(但し、芳香族臭素化(メタ)アクリレート化合物、一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリレート基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート、及び脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類を除く。)、及びビニルエーテル類よりなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマーを含有するゾル組成物を硬化させて成る硬化体層と、前記プラスチック表面及び前記硬化体層の間に形成されたところの、重合性モノマーである(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマーを硬化してなるプライマー層と、前記硬化体層の表面に形成されたところの、(CY-(Re-Si-(R(ただし、Yは水素原子又はフッ素原子であり、3個のYは同一であっても相違していても良い。Rは、メチレン基及び/又はフルオロメチレン基であり、dは1~20の整数であり、Rは、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、g個のRは同一であっても相違していても良い。eとgとは共に整数であり、eとgとの合計は4である。)で示されるシラン化合物を硬化してなる薄膜とを有することを特徴とする硬質膜。

【請求項3】
前記ゾル組成物は、シランカップリング剤及び/又は前記請求項2に記載のシラン化合物をさらに含有する請求項1又は2に記載の硬質膜。

【請求項4】
前記プライマーは、シランカップリング剤を含有して成る請求項2又は3に記載の硬質膜。

【請求項5】
前記シランカップリング剤が、一般式、RlmSiR2n(式中、Rはアルキル基を、Xはアルコキシ基又はハロゲン化物イオンを、R2は有機官能基を有するアルキル基を示し、l、m及びnは0、1、2、3又は4であり、l+m+nは4である。)で表されるシラン化合物である請求項3又は請求項4に記載の硬質膜。

【請求項6】
(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマー層用組成物と、ハフニウム及び/又はジルコニウムの水酸化物の沈殿に溶媒と有機酸とを加えることにより生成したハフニアゾル及び/又はジルコニアゾル並びに(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリレート類(但し、芳香族臭素化(メタ)アクリレート化合物、一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリレート基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート、及び脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類を除く。)、及びビニルエーテル類よりなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマーを含有するゾル組成物と、重合性モノマーである(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマーとを用いて、プラスチック表面に、プライマー層および硬化体層それぞれをこの順に形成することを特徴とする硬質膜の製造方法。

【請求項7】
(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマー層用組成物と、ハフニウム及び/又はジルコニウムの水酸化物の沈殿に溶媒と有機酸とを加えることにより生成したハフニアゾル及び/又はジルコニアゾル並びに(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリレート類(但し、芳香族臭素化(メタ)アクリレート化合物、一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリレート基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート、及び脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類を除く。)、及びビニルエーテル類よりなる群から選択される少なくとも一種の重合性モノマーを含有するゾル組成物と、重合性モノマーである(メタ)アクリル酸類及び/又は(メタ)アクリレート類を含有するプライマーと、前記請求項2に記載のシラン化合物を含有する薄膜用組成物とを用いて、プラスチック表面に、プライマー層、硬化体層及び薄膜それぞれをこの順に形成することを特徴とする硬質膜の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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