TOP > 国内特許検索 > 新規なインテグラーゼおよびその遺伝子

新規なインテグラーゼおよびその遺伝子

国内特許コード P120006994
整理番号 2006000106
掲載日 2012年3月23日
出願番号 特願2006-056792
公開番号 特開2007-228920
登録番号 特許第4965141号
出願日 平成18年3月2日(2006.3.2)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発明者
  • 高橋 秀夫
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 新規なインテグラーゼおよびその遺伝子
発明の概要

【課題】 低濃度基質状態で、速やかに部位特異的組換えを触媒できる新規なインテグラ-ゼを提供する。
【解決手段】下記の(A)及び(B)の理化学的性質を有する新規インテグラーゼ、その遺伝子等を提供する。このような新規なインテグラーゼを使用することで、従来問題であった遺伝子治療あるいは真核生物のゲノム工学による育種における非効率な標的遺伝子組み込みが改善され、さらに副生する部位非特異な遺伝子組み込みを抑制し、効率的な標的遺伝子組み込みを可能とする。
(A)作用および基質特異性;
下記の2種のDNA配列間(attBおよびattP)で部位特異的な組換えを触媒する。
attB:5’-TCGATCAGCTCCGCGGGCAAGACCTTCTCCTTCACGGGGTGGAAGGTCGG-3’
attP:5’-GTTCCAGCCCAACAGTGTTAGTCTTTGCTCTTACCCAGTTGGGCGGGATA-3’
(B)分子量;
約66.5Kd(キロダルトン)である。

従来技術、競合技術の概要


真核生物のゲノム構造を改変し、その遺伝子発現制御を操作する、いわゆるゲノム工学技術は、遺伝子治療のみならず、様々な真核生物の育種において重要な方法である。中でも外来遺伝子の真核生物ゲノム中の標的組み込みが特に重要である。従来の真核生物への遺伝子の導入では、組み込み部位の制御が難しく、ランダムな外来遺伝子の組み込みによる他の遺伝子発現の異常や重要な遺伝子の破砕などが副生する問題がある。



DNAの相同性を利用した標的遺伝子組み込みは有効であるが、組換え頻度が極めて低いという問題がある。この問題解決手段として、近年は部位特異的な組換えをするレコンビナーゼが注目を浴びている。



大腸菌ファージP1のCreレコンビネナーゼや酵母のFLPレコンビナーゼなどは、部位特異的なDNA組換えを起こし、真核細胞内で機能できることが確認されているが、同時に組み込まれた遺伝子の切出しも触媒するため、結果的に遺伝子導入頻度は低く、遺伝子導入より欠失変異の作製に広く用いられている。



また、大腸菌ファージラムダのインテグラーゼは、部位特異的な遺伝子組み込みを触媒するが、宿主大腸菌の因子を必要とするなど真核生物のゲノム改変には直接適用できない。そのため、外来遺伝子のゲノムへの組み込みに有効なレコンビナーゼとしては、酵素単独で部位特異的な遺伝子の組み込みを触媒し、さらに酵素単独では組み込んだ遺伝子の切出しを触媒できないものが望ましい。



Calosらは、放線菌ファージ(アクチノファージ)φC31のインテグラーゼに着目し、その真核細胞における標的遺伝子組み込みへの利用を検討している。φC31のインテグラーゼは、ファージと宿主のゲノム上のattachment site(attPとattB)の間で組換えを起こし、また組み込み遺伝子の切り出しにはXisというファージ蛋白質を要求するので、切出しを伴わない遺伝子の部位特異的な導入に有効である(Thorp, H. M., and Smith, M. C. M., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 5505-5510 (1998), Kuhstoss, S. and Rao, R. N., J. Mol. Biol., 222, 897-908 (1991), Rausch, H., and Lehmann, M., Nucleic Acids Res, 19, 5187-5189 (1991))。



また、Calosらは、φC31のインテグラーゼとattB/attPの組み合わせは、動物細胞内でも機能し、部位特異的組換えを生じることを確認し、さらにトランスジェニックショウジョウバエの作製にも成功している(Groth, A. C., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97, 5995-6000 (2000), Thyagarajan, B., et al., Mol. Cell. Biol., 21, 3926-3934 (2001), Groth, A. C., et al., Genetics, 166, 1775-1782 (2004))。




【特許文献1】WO2005-107790号公報

【非特許文献1】Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95,5505-5510 (1998)

【非特許文献2】J.Mol.Biol.,222,897-908(1991)

【非特許文献3】Nucleic Acids Res,19,5187-5189(1991)

【非特許文献4】Proc.Natl.Acad.Sci.USA,97,5995-6000(2000)

【非特許文献5】Mol.Cell.Biol.,21,3926-3934(2001)

【非特許文献6】Genetics,166,1775-1782(2004)

【非特許文献7】Mol.Microbiol.,55,1896-1910(2005)

産業上の利用分野


本発明は、新規なインテグラーゼ、当該酵素をコードする遺伝子及びそれらの利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1に示すアミノ酸配列または該アミノ酸配列の一若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有する、下記の理化学的性質を有する新規インテグラーゼ。
(A)作用および基質特異性;
下記の2種のDNA配列間(attBおよびattP)で部位特異的な組換えを触媒する。
attB:
5'-TCGATCAGCTCCGCGGGCAAGACCTTCTCCTTCACGGGGTGGAAGGTCGG-3'
attP:
5'-GTTCCAGCCCAACAGTGTTAGTCTTTGCTCTTACCCAGTTGGGCGGGATA-3'
(B)分子量;
約66.5Kd(キロダルトン)である。

【請求項2】
配列番号1に示すアミノ酸配列または該アミノ酸配列の一若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードするインテグラーゼ遺伝子。

【請求項3】
インテグラーゼ遺伝子が、配列番号2に示す塩基配列または該塩基配列の一若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列を有するものである、請求項記載の遺伝子。

【請求項4】
遺伝子が、アクチノファージTG1に由来するものである、請求項叉は記載の遺伝子。

【請求項5】
細胞内における部位特異的遺伝子組換えもしくは標的遺伝子組み込みを誘導する方法であって、酵素として請求項1記載のインテグラーゼを使用する方法。

【請求項6】細胞内における部位特異的遺伝子組換えもしくは標的遺伝子組み込みを誘導する方法であって、酵素として請求項いずれか1項に記載のインテグラーゼ遺伝子を用いて調製したインテラーゼ活性を有するものを使用する方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
日本大学産官学連携知財センター(通称NUBIC,ニュービック)は,技術移転機関と知的財産本部の機能を兼ね備えた日本大学の産学連携の窓口です。
NUBICは,日本大学全教職員や大学院生・学部学生の豊富なアイデアや研究成果を,知的財産として戦略的に創出・保護・管理し,産業界のニーズとのマッチングを図り,企業の研究開発,新製品開発,新規事業の立上げが円滑に行われるようサポートいたします。
お気軽にご相談ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close