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網膜色素線条症の原因変異を判定するための方法及びこれに使用されるオリゴヌクレオチド

国内特許コード P120007012
整理番号 2007010081
掲載日 2012年3月23日
出願番号 特願2008-313092
公開番号 特開2009-159954
登録番号 特許第5594655号
出願日 平成20年12月9日(2008.12.9)
公開日 平成21年7月23日(2009.7.23)
登録日 平成26年8月15日(2014.8.15)
優先権データ
  • 特願2007-321333 (2007.12.12) JP
発明者
  • 中山 智祥
  • 水谷 吉宏
  • 湯澤 美都子
  • 佐藤 直之
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 網膜色素線条症の原因変異を判定するための方法及びこれに使用されるオリゴヌクレオチド
発明の概要 【課題】網膜色素線条症(AS)の判定方法を提供する。
【解決手段】弾力線維性仮性黄色腫の原因遺伝子であるABCC6遺伝子のバリアントとASの関連を確認し、ABCC6遺伝子のバリアントを調べることで、59.3%という高確率で発症前のASの確定的な判定が可能な判定方法を得た。このASの判定方法を用いることで、ASに対する早期発見、早期治療が可能となる。本発明の判定方法を用いるAS判定キット、AS発症予測キット、AS診療指導キット等の提供は、研究や臨床において有用である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



ASは色素線条と呼ばれるブルッフ膜の弾力線維の断裂を生じる疾患であり、ASの症状の進行によって脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization;CNV)が発生すると、高度の視力低下を起こすことが知られている。この発生を避けるべく、ASの早期発見、早期治療が望まれているが、ASは原因不明であるため、従来は発症後に眼底検査や造影検査で判定することしかできず、患者の負担が重いという問題があった。また、軽症のASは無症状であることが多く、通常は眼底検査を受けることがないため、早期発見は困難であった。





AS患者は皮膚疾患である弾力線維性仮性黄色腫(Pseudoxanthoma elasticum;以下PXEとする)を高頻度で合併することが知られている(例えば、非特許文献1、参照)。そして、PXEの原因遺伝子として、染色体16p13.1に存在するABCC6遺伝子が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。





そこで、本発明者らはAS患者とABCC6遺伝子変異の関係をCase-control studyによって調べたところ、rs2239324、rs212620、rs2238470、rs2238472、rs212097と名付けた5個の一塩基多型(single nucleotide polymorphism:以下、SNPとする)において、顕著な有意差を示すことを確認した。

さらに、rs2238472を除くこれらのSNPについてのハプロタイプを用いたCase-control studyにおいても全体の有意差がp<0.0001と有意であったことから、ABCC6遺伝子がAS原因遺伝子であるとの予測を発表している。

このうち、最も頻度の多いハプロタイプを含めて、この4つのハプロタイプがAS群に占める割合は88.9%であり、Control群に占める割合は44%であったことから、この4つのハプロタイプを持つASサンプルについて塩基配列決定法にて変異検索をすることで、AS群のかなりの量の変異が予測できると考えられた(例えば、非特許文献3参照)。





しかし、このようなSNPやハプロタイプを用いた関連解析(case-control study)において単にそれらの頻度分布を統計的に処理し、有意差を出す作業のみでは確定的な判定ができない。すなわち、常染色体劣性遺伝形式の疾患を確定診断するためには、少なくとも変異をホモ接合体で持つ者がControl群には存在しないことを確認するという作業が必要であり、実際、前記SNPやハプロタイプを用いた関連解析では原因SNP等の特定は不可能であった。

従って、現段階において、発症前を含むASの確定的な判定を高い確率で行う方法は得られておらず、臨床において有用なASの判定方法の提供が望まれていた。

【非特許文献1】

larkson JG,Altman RD.Angioid streaks. Surv Ophthalmol.1982;26:235-246.

【非特許文献2】

truk B,Cai L,Zach S,et al.J Mol Med.2000;78:282-286.

【非特許文献3】

谷吉宏、中山智祥、浅井聰、湯沢美都子、島田宏之、日大医学雑誌、61:314-318,2002.9

産業上の利用分野



本発明は網膜色素線条症(Angioid streaks;以下ASとする)の判定方法に関する。さらに詳しくは、ABCC6遺伝子のバリアントを調べることによるASの判定方法に関する。また、この判定方法に用いられる網膜色素線条症判定キットやこれに用いられるオリゴヌクレオチドに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
判定対象から得られたDNAにおけるABCC6遺伝子を解析し、そのバリアントが、次の1)~4)のいずれかである場合に、網膜色素線条症と判定する方法。
1)ABCC6遺伝子のエキソン10に位置する419番目のアミノ酸がR(アルギニン)からQ(グルタミン)に変わる変異又はエキソン10に位置する1256番目の塩基(以下、いずれもスタートコドンのATGのAを1番目とした)がGからAに変わる変異
2)ABCC6遺伝子のエキソン10に位置する422番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リジン)に変わる変異又はエキソン10に位置する1264番目の塩基がGからAに変わる変異
3)ABCC6遺伝子のエキソン27に位置する3774番目と3775番目の塩基の間の場所に1個新たなCという塩基が挿入(インサーション)されてフレームシフトが起こる変異
4)ABCC6遺伝子のエキソン30に位置する1427番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リジン)に変わる変異又はエキソン30に位置する4279番目の塩基がGからAに変わる変異

【請求項2】
さらに、ABCC6遺伝子を解析し、そのバリアントが、次の1)または2)である場合に、網膜色素線条症と判定する請求項1に記載の方法。
1)ABCC6遺伝子のエキソン19に位置する2542番目の塩基であるGが欠失し、フレームシフトが起こる変異
2)ABCC6遺伝子のイントロン22の5’端から620番目の塩基対からイントロン23の493番目の塩基対までの3897塩基対が欠失する変異

【請求項3】
ABCC6遺伝子を解析し、そのバリアントを認識するためのオリゴヌクレオチドであって、次の1)~5)のいずれかであるオリゴヌクレオチドをプローブとして有するマイクロアレイを用いて、判定対象から得られたDNAにおけるABCC6遺伝子を解析する、請求項1または2に記載の方法。
1)ABCC6遺伝子のエキソン10に位置する1256番目の塩基がAである塩基配列に結合するオリゴヌクレオチド又はこれに相補的に結合するオリゴヌクレオチド
2)ABCC6遺伝子のエキソン10に位置する1264番目の塩基がAである塩基配列に結合するオリゴヌクレオチド又はこれに相補的に結合するオリゴヌクレオチド
3)ABCC6遺伝子のエキソン19に位置する2542番目の塩基であるGが欠失した塩基配列に結合するオリゴヌクレオチド又はこれに相補的に結合するオリゴヌクレオチド
4)ABCC6遺伝子のエキソン27に位置する3774番目と3775番目の塩基の間の場所に1個新たなCという塩基が挿入された塩基配列に結合するオリゴヌクレオチド又はこれに相補的に結合するオリゴヌクレオチド
5)ABCC6遺伝子のエキソン30に位置する4279番目の塩基がAである塩基配列に結合するオリゴヌクレオチド又はこれに相補的に結合するオリゴヌクレオチド

【請求項4】
ABCC6遺伝子のバリアントが、エキソン23の欠落であり、そのバリアントを認識するための次の1)~3)のいずれかであるオリゴヌクレオチドをWT_エキソン23検出用プライマー又はDEL_エキソン23検出用プライマーとして用いて、判定対象から得られたDNAにおけるABCC6遺伝子を解析する、請求項1または2に記載の方法。
1)配列表配列番号16に記載のオリゴヌクレオチド
2)配列表配列番号17に記載のオリゴヌクレオチド
3)配列表配列番号18に記載のオリゴヌクレオチド

【請求項5】
判定対象がアジア人である請求項1~4のいずれかに記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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