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ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法 コモンズ 実績あり

国内特許コード P120007108
整理番号 NI0700053
掲載日 2012年3月28日
出願番号 特願2007-340992
公開番号 特開2008-180709
登録番号 特許第5382903号
出願日 平成19年12月28日(2007.12.28)
公開日 平成20年8月7日(2008.8.7)
登録日 平成25年10月11日(2013.10.11)
優先権データ
  • 特願2006-354538 (2006.12.28) JP
発明者
  • 川副 智行
  • 渡辺 智子
  • 藤井 敏弘
出願人
  • 株式会社 資生堂
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法 コモンズ 実績あり
発明の概要

【課題】測定値のばらつきが改善され、簡便な紫外線毛髪損傷度の測定方法を提供する。
【解決手段】毛髪を蛋白質変性剤及び還元剤により溶解させた毛髪ケラチン蛋白質溶液と、展開用溶液とを接触させ、乾燥させた後に得られるケラチンフィルムを用いた、紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


毛髪を損傷させる要因として、紫外線照射、大気中の埃、ドライヤーの熱、コーミングによる摩擦、過度の洗髪、パーマ、染色・染毛剤の使用等が挙げられる。近年、種々の要因によって引き起こされる毛髪の損傷に関する研究が盛んに行われており、その損傷度を測定することが求められている。これらの中でも紫外線照射による毛髪損傷度測定方法として、従来より、様々な方法が提案されている。具体的には、毛髪タンパク質のアミノ基に蛍光色素化合物を結合させ、染色した毛髪を紫外線暴露させた後、蛍光放出の減少度を測定する方法(例えば、非特許文献1を参照)、引っ張り強度により、毛髪の損傷限界を測定し、酸化との相関を確認する方法(例えば、非特許文献2を参照)等が挙げられる。しかしながら、前者の方法は、蛍光色素を用いるため、感度は高いものの、毛髪の損傷を定量化できるものではなく、また後者の方法は、髪質により引っ張り強度に差があるため、酸化との相関が一定でなく、結果のばらつきが懸念され、いずれの測定方法も課題が残るものであった。



一方、毛髪内部の官能基の一つであるカルボニル基に着目すると、日光暴露前後で変化が見られることがClaude Dubief、L’Oreal、Clichyらの研究により明らかとなり(Cosmetics&Toiletries Vol.107, October, 1992)、この知見を利用し、カルボニル基の定量を蛍光色素を用いて測定する方法が提案されている(例えば、非特許文献3を参照)。この方法によると、ブリーチ処理を施した毛髪サンプル紫外線照射させた後、蛍光色素化合物であるFliorescein-5-thiosemicarbazideで処理してカルボニル基に結合させ、PBS洗浄(リン酸緩衝液pH7.5)を行った後、蛍光輝度を測定し紫外線照射前後の差を毛髪損傷度として数値化することができる。しかしながら、この測定方法によっても、毛髪そのものを用いることに起因する毛髪の個体差やPBS洗浄の条件により測定値がばらつく傾向があった。また、化粧品の毛髪への紫外線による毛髪損傷防止効果を測定する際にも、紫外線吸収剤配合化粧品の毛髪への均一塗布が難しく、効果を測定する際には多くの測定サンプルを平均化することが必須で時間と手間がかかっていた。



また、前記の方法に代わる高感度測定方法として、毛髪から毛髪蛋白質を抽出し、それを解析することにより毛髪損傷度を測定する方法が研究されている。毛髪の70~80%は蛋白質から成るが、その蛋白質は、特性や構造の異なる数種類のものが複雑に絡み合い不溶性のケラチンを形成して強固な繊維状態で存在している。そのため、毛髪蛋白質の分離採取法は様々に研究されているものの、抽出効率、解析を妨害する物質の混入等に関し、課題が残るものであった。



前述の問題を解決するものとして、既に本発明者等は、効率性が良く、ありのままに近い状態で解析に適したケラチン蛋白質の抽出法に関し報告している(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、還元剤共存下で特定の尿素系の化合物で毛髪を処理し、毛髪コルテックス部位を構成するミクロフィブリンと細胞間充物質あるマトリックスのケラチン蛋白質を溶出させて採取し、この溶出後の残渣から形状を維持したキューティクル部位を採取するものである。さらに本発明者等は、この方法をさらに改良して採取したケラチン蛋白質から構成されたフィルム、ゲル等の成形品の製造方法をも提供している(例えば、特許文献2を参照)。



【特許文献1】特開2002-114798号公報【特許文献2】特開2002-332357号公報【非特許文献1】Journal Cosmetic Chemistry, 40, 287-296(1989)【非特許文献2】Cosmetics&Toiletries Vol.105, December, 1990【非特許文献3】日本薬学会第125年会要旨集,30-0975,W112-07

産業上の利用分野


本発明は、ケラチンフィルムを用いた毛髪損傷度測定方法、特にその診断能の改善に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
毛髪を蛋白質変性剤および還元剤により溶解させた毛髪ケラチン蛋白質溶液と、展開用溶液とを接触させ、乾燥させた後に得られるケラチンフィルムを用いた、紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記蛋白質変性剤が尿素およびチオ尿素であることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記展開用溶液が過塩素酸溶液、グアニジン塩酸溶液、酢酸溶液、酢酸緩衝液から選択される1種または2種以上であることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記還元剤が2-メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、チオグリコール酸から選択される1種または2種以上であることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記ケラチンフィルムが、前記毛髪ケラチンタンパク質溶液へ展開用溶液を混合し、該混合溶液を水中に注入することにより得られることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記ケラチンフィルムが、前記毛髪ケラチン蛋白質溶液を展開用溶液中に注入することにより得られることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記ケラチンフィルムが、展開用溶液を前記毛髪ケラチンタンパク質溶液中に注入することにより得られることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項8】
請求項5に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記展開用溶液が酢酸溶液であることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載の毛髪損傷度の測定方法において、前記展開用溶液が酢酸溶液又は酢酸緩衝液であることを特徴とする紫外線による毛髪損傷度の測定方法。
【請求項10】
下記工程を備えることを特徴とする、請求項1に記載の毛髪損傷度測定方法。
(I)ケラチンフィルムに紫外線を照射する。
(II)紫外線照射後のケラチンフィルムを染色し、その後洗浄する。
(III)洗浄後のケラチンフィルムを乾燥させた後、蛍光輝度または蛍光強度を測定する。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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