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穀物粉体及び応用食品 コモンズ 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P120007118
整理番号 105249H/S2010-1075-N0
掲載日 2012年3月29日
出願番号 特願2010-241161
公開番号 特開2012-090581
登録番号 特許第5985146号
出願日 平成22年10月27日(2010.10.27)
公開日 平成24年5月17日(2012.5.17)
登録日 平成28年8月12日(2016.8.12)
発明者
  • 円谷 陽一
  • 川嶋 かほる
  • 東海林 義和
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 穀物粉体及び応用食品 コモンズ 実績あり 外国出願あり
発明の概要 【課題】穀物の可食部の天然組成をできる限り維持し、含有する健康機能成分を保持し、かつ低コストで製造可能な穀物粉体とそれを使用した外観と呈味性の優れた応用食品を提供する。
【解決手段】
大麦及びオーツ麦から成る群から選ばれる少なくとも1種の穀物の穀粒の粉砕品からなる粉体。平均粒子径が40~100μmの範囲であり、粒子径20μm未満の粒子の含有量が20質量%以下であり、粒子径20~100μmの範囲の粒子の含有量が20~60質量%の範囲であり、粒子径100μm超~500μmの範囲の粒子の含有量が20~60質量%の範囲であり、かつ、粒子径500μm超の粒子の含有量が5%以下である。この穀物粉体を少なくとも5%以上配合した原料から製造された食品。穀粒を粗粉に粉砕する工程と、得られた粗粉を微粉砕する工程を含み、前記微粉砕は気流式微粉砕によって品温を50℃以下で粉砕することで行われる、上記穀物粉体の製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


大麦は、麦飯等の形で古くからわが国の食事に親しまれてきた穀物である。しかし、精白米の普及と食の洋風化と共にその消費量は減少し、近年では穀物消費量のごく一部を占めるにすぎず、国民1人・年消費量は精米約60kg、小麦の33kgに対して、0.3kgである(非特許文献1)。一方、大麦やオーツ麦等の穀物には、水溶性食物繊維であるβ-グルカンが比較的多く含まれており、その生理機能が大きな注目を浴びている。β-グルカンは、グルコースが1-3結合と1-4結合で結合してできた多糖((1-3),(1-4)-β-D-グルカン)であり,大麦の胚乳細胞壁の主成分として、その約7割を占める。β-グルカンの健康機能性については多くの報告があるが、例えば、米国食品医薬品局(FDA)は、大麦β-グルカンに血清コレステロール値を低下させる効果があり、冠状心疾患の危険を減らす健康強調表示を認可している(例えば、非特許文献2)。



わが国でも、食事として大麦やオーツ麦を摂取することにより、血中コレステロールが低下すること(例えば、非特許文献3、4)、食後血糖値の上昇が抑制されること(例えば、非特許文献5)や、食物繊維とがんの予防についても各種の研究が報告されている(例えば、非特許文献6)。



前述のように、大麦やオーツ麦は、β-グルカンが比較的多く含まれる穀物として知られており、その含有量は、通常は3~6質量%程度と言われる(例えば、非特許文献7)。そこで、これまでに多数のβ-グルカン抽出法が考案されてきた。例えば、大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(例えば、特許文献1)、あるいは、大麦、オーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和、アルコール沈殿により、β-グルカンを得る方法(例えば、特許文献2)、80~90℃の熱水にてβ-グルカンを抽出する方法(例えば、特許文献3)等がある。また、抽出法ではなく、穀物を粉砕篩することにより、穀物中のβ-グルカンの含量を高める方法も考案されている。(例えば、特許文献4)。



しかし、これらの方法は基本的に大麦等穀物からβ-グルカンを分別濃縮する方法である。大麦等穀物中のβ-グルカン量は、前述のように、3~6質量%程度であり、澱粉質やタンパク質等他の成分に比べると含有量が著しく低い。したがって、抽出後の残渣は、製品であるβ-グルカンに比べて著しく多く、飼料等付加価値の低い製品への利用、または廃棄物にせざるを得ない。そのため、製品単価が高くならざるを得ず、一部のサプリメントや一般食品用に使用されるにすぎず、広く普及するには課題があった。



このように、これまで提案されている方法は、天然素材の健康機能性成分を、抽出や分別によって濃縮し、サプリメントや一般食品に提供するものが大部分である。抽出や分別によって、天然素材の成分を人為的に部分的に利用することは、医療などへの利用や、他の天然成分の摂取を控えなければならないような場合には有効であるが、通常、一般食品として摂取する場合には、必ずしも適切でない場合が多い。例えば、天然成分の優れた組成バランスを崩してしまったり、有害な物質を意図せずして濃縮蓄積してしまったり、未利用の廃棄物を大量に副生してしまったりする。その上、一般に生産コストが高くなる欠点が生じやすい。



一方、大麦をそのまま食品素材として活用した大麦食品の普及への努力も進められている(例えば、非特許文献7)。しかしながら、麦飯での摂取には限りがあり、各種の応用食品の開発が望まれている。応用食品とする場合には、精麦粒だけではなく、製粉し、各種食品素材と配合して利用することが必要である。



元より、穀物を粉砕して食品に利用することは、古くから一般に実用されていることであり、食物繊維、中でもβ-グルカンを含む穀物粉体も市販されている。しかし、これまでのβ-グルカン含有穀物粉体は、粒子が粗いものが多く、かつ、白度が低く灰褐色のものが大部分で、呈味性に優れ、かつ、外観にも優れた食品を提供することに限界があった。



このような背景の中で、大麦粉体を微粒子化する方法も種々検討されてきた。例えば、加工適性の優れた裸麦粉の開発を目的に、性状に及ぼす異なった粉砕方法の影響が検討されている。(例えば、非特許文献8、9、10)。



一方、大麦の品種改良によって、食物繊維、特にβ-グルカンが7~10%以上の高含量の大麦品種の開発が進められてきた(例えば、非特許文献13)。これらのβ-グルカン高含量大麦品種を利用することにより、β-グルカンを分別濃縮することなく、健康に適当な量のβ-グルカンを摂取することができる可能性が高まっている。

産業上の利用分野


本発明は、穀物粉体及びこの穀物粉体を原料として用いた食品に関する。本発明の穀物粉体は、水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンの含有量が高い大麦またはオーツ麦の粉砕品である。

特許請求の範囲 【請求項1】
大麦及びオーツ麦から成る群から選ばれる少なくとも1種の穀物の穀粒を粉砕して、前記穀粒の粉砕品からなり、前記穀物の穀粒の全量が含まれる粉体を得ることを含む、穀物粉体の製造方法であって、
前記穀物粉体は、
β-グルカンの含有量が4~12%の範囲であり、
平均粒子径が50~90μmの範囲であり、
粒子径20μm未満の粒子の含有量が18質量%以下であり、
粒子径20~100μmの範囲の粒子の含有量が30~60質量%の範囲であり、
粒子径100μm超~500μmの範囲の粒子の含有量が30~55質量%の範囲であり、かつ、
粒子径500μm超の粒子の含有量が1質量%以下であり、さらに、
白色からの色差dE(CIE:国際照明委員会CIEが規定するCIE Lab 表色法)が8以下である、
こと、
前記粉砕は、穀粒を粗粉に粉砕する工程と、得られた粗粉を微粉砕する工程により実施され、前記微粉砕は気流式微粉砕によって品温を50℃以下で粉砕することで行われることを特徴とする前記製造方法

【請求項2】
前記穀物粉体は、β-グルカンの含有量が、粉砕前の穀粒におけるβ-グルカンの含有量の100%である請求項1記載の製造方法

【請求項3】
請求項1または2に記載の方法により、
β-グルカンの含有量が4~12%の範囲であり、
平均粒子径が50~90μmの範囲であり、
粒子径20μm未満の粒子の含有量が18質量%以下であり、
粒子径20~100μmの範囲の粒子の含有量が30~60質量%の範囲であり、
粒子径100μm超~500μmの範囲の粒子の含有量が30~55質量%の範囲であり、かつ、
粒子径500μm超の粒子の含有量が1質量%以下であり、さらに、
白色からの色差dE(CIE:国際照明委員会CIEが規定するCIE Lab 表色法)が8以下である、穀物粉体を調製すること、及び
前記穀物粉体と小麦粉とを含む原料からうどんを調製することを含むうどんの製造方法

国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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